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アメリカとEUは日本と韓国をホワイト国にしているの?

日本は大量破壊兵器(核・化学・生物兵器、ロケットなど)や通常兵器の製造・開発・貯蔵に使われる可能性のある物や技術を輸出管理しています。

これは先進国であれば世界各国が行っていることです。

これらの民生用と軍事用の両方に使える物・技術は「二重用途物品」とか「戦略物資」と呼ばれます。

輸出国の業者は二重用途物品を輸出する場合、政府関係機関の認可をもらって輸出しるのです。

この場合一度許可をもらったらあとは手続きが必要ない「包括認可」か、取引のたびに手続が必要な「個別認可」の方法があります。

日本の場合はキャッチオール規制という制度を作り管理しています。この制度ではホワイト国に指定されると、一度手続きをすると原則3年間手続きが不必要になります。

ホワイト国という呼び方は日本独特です。ヨーロッパ、アメリカや外国にはホワイト国という言葉はありませんが。同じ意味のグループ分けはあります。

ヨーロッパ(EU)、アメリカそして韓国のホワイト国を紹介します。

目次

EUのホワイト国

ドイツ、フランス、イギリスなどEU加盟諸国はEU共通のルールで管理しています。

EU内ならホワイト国あつかい

そもそもEUは「EU域内であれば貿易の制限をなくす」という方針があります。EU諸国は、EU域内であれば基本的に輸出許可は必要ありません。

問題はEU加盟国がEUの外に輸出する場合です。

EU一般輸出認可(EUGEA)

EUにはEU一般輸出認可(EU General Export Authorisation、略してEUGEA)という制度があります。

EUGEAでは日本の「キャッチオール規制」と同じように輸出相手国をEU001からEU006の6種類のグループにわけて管理しています。

このEU001~EU006が日本のキャッチオール規制の「い地域」~「り地域」に相当するものです。

EU001は一部の輸出品(核物質や生物化学兵器、ロケット)を除いて個別認可が除外される地域。日本でいうホワイト国です。

2019年7月現在の指定国
オーストラリア、カナダ、米国、日本、ノルウェー、ニュージーランド、スイス、リヒテンシュタイン

韓国はEU002~のグループに指定されています。

EUGEAでは EU001で指定された国がホワイト国になります。

日本はEU001に指定されています。でも韓国はEU001に指定されていません。韓国はEUにとってホワイト国ではないのです。

アメリカのホワイト国

アメリカは日本やEUのような国別のグループを作っていません。米国商務省が国ごとに必要な許可を決めて管理を行っています。

商務省カントリーチャートにはどの国がどの許可が必要なのか書かれています。

・生物化学兵器(CB1~3)
・核不拡散(NP1~2)
・安全保障(NS1~2)
・ミサイル(MT1)
・地域安定(RS1~2)
・火器(FC1)
・犯罪規制(CC1~3)
・反テロ(AT1~2)

という項目を作ってそれぞれにどの分野の許可が必要か決めています。

この表ではXが付いていれば輸出許可が必要。空白なら許可は必要ありません。

カナダはXの数が2つ。輸出相手国で最も少ないです。EUほどではありませんが、アメリカとカナダの貿易は北米地域ということで制限が少ないためです。

北米以外の国ではXが4つのグループが規制が最もゆるいです。

生物化学兵器(CB1)、核不拡散(NP1)、ミサイル(MT1)、地域安定(RS1)は輸出許可が必要。それ以外は必要ありません。これらの品目は病原体や毒素そのもの、核物質、兵器の専用部品などほぼ軍用品です。これらの品目に許可が必要なのは当たり前です。

日本はXが4つなのでアメリカにとってのホワイト国といえます。

韓国はXが6つなのでホワイト国とはいえません。

韓国のホワイト国

韓国では産業通商資源部が輸出品の管理を行っています。

韓国も日本と同じように戦略物資輸出時に個別の許可が必要なグループと手続きを免除するグループを決めています。

友好国家グループの「カ」が手続きが免除されるグループ。
他の国家グループの「ナ」は手続きが必要なグループです。

「カ」グループが日本でいうホワイト国です。国際輸出管理レジームに参加した29ヵ国をそのまま「カ」グループに登録しています。日本の分け方に似ています。

日本もほぼ同じやりかたでホワイト国27カ国(韓国が外れると26カ国)を決めています。

8月12日。日本が韓国をホワイト国から除外したのをうけて。韓国は日本を「カ」グループから除外。新設の「カの2」グループに分類しました。

韓国の制度ではカの1、カの2、ナと分かれています。

「カの2」グループは中国などが分類される「ナ」グループよりも輸出許可の審査や審査期間は短いようです。

当初はナの下に「ダ」グループを作って分類する予定でしたが、日本が行った措置よりも厳しくなるとWTO提訴したときに不利になると考え「ダ」グループは見送りました。

DRAM、NAND(フラッシュメモリ)は韓国の戦略物資に入ってませんが、キャッチオール規制に含めて日本に輸出規制するつもりのようです。

まとめ

EUやアメリカは日本をホワイト国と同等の扱いしている。
韓国も日本をホワイト国あつかいしている。

しかしEUはアメリカは韓国をホワイト国あつかいしていません。

韓国は国際輸出管理レジームに加盟していながら、北朝鮮や第三国への戦略物資の横流しをしています。

韓国は未だに国連決議に違反して北朝鮮への瀬取りを行っています。瀬取りを監視していた海上自衛隊の航空機にレーダー照射して監視を妨害しておきなら、自分が被害者だと主張する有様です。

国際輸出管理レジームや国連決議を守らない国をホワイト国から除外するのは仕方ないことでしょう。

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