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情報が中国に漏れる?ファーウェイとZTEはなぜ問題になってるの?

「中国製の通信機器を使ってると、大切な情報が中国に漏れるかもしれない」

そんな危機感が広がってるようです。

政府はなぜファーウェイとZTEという中国を代表する製品の使用を禁止したのでしょうか?その理由について調べてみました。

テレビやニュースでは米中摩擦のひとつとして報道されることが多いようです。でも、そういうレベルの話ではないようです。

目次

なぜアメリカはファーウェイとZTEを排除するのか

政府は2018年12月、各省庁や自衛隊が使う情報通信機器について、あるメーカーの製品を使わないと発表しました。

そのメーカーとは名指しこそはしてませんが、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)です。

ファーウェイとZTEの危険性については以前からアメリカが指摘していました。8月にはアメリカ政府や政府と取引のある企業について、ファーウェイとZTEの利用を禁止しています。

アメリカでは以前から中国によるサイバー攻撃に悩まされていました。中国のハッカーが個人で行っているのではなく、中国軍の中にサイバー部隊を作って他国に攻撃していると言われています。

アメリカ政府はこの2社の製品にウィルスが仕込まれ、中国に情報が漏れたり、サイバー攻撃に利用されるのではないかと警戒しています。

すでに2012年にはアメリカ議会にファーウェイとZTEの危険性が報告されていました。今まではアメリカ政府もそれほど大きな問題とは考えていなかったのかもしれません。というより政府機関にも中国人脈が広がり危険性が見過ごされていたようです。ところがトランプ政権は中国に対して警戒感をもっているようです。

最近の中国軍の近代化は誰も予想しない速さで進んでいましたし、次世代通信(5G)の実用化も近づいています。アメリカ政府は国防に関しては日本人が理解できないくらい神経質です。ここにきて中国の危険性が理解されるようになり、対策が行われることになったようです。

その後、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドでは次世代通信網(5G)については中国製2社の情報通信機器を使用しないことが決定しています。

日本に対してもアメリカ政府から中国の危険性が伝えられていたようです。

ファーウェイとは

1987年創業。創業者の任正非氏は中国人民解放軍(つまり中国軍)の出身。ずいぶんと新しい企業です。

もともとは通信設備を作る会社でした。でも既に通信機器では世界1位です。基地局の設備やアンテナ、ネットワークや通信に必要な機材などを製造販売します。

スマートフォンのシェアは世界3位。

携帯電話の端末だけを製造販売しているのではなく半導体から通信設備まで作る大企業です。技術開発に熱心な企業で次世代通信(5G)ではアメリカ企業と主導権争いをしています。

ZTEとは

1985年創業の中国メーカー。
通信設備、携帯電話、無線機などを製造販売するメーカーです。

アメリカとヨーロッパ全体でのスマホのシェア4位。

北朝鮮のスマホではシェア1位。北朝鮮やイランとの取引も多い企業。エチオピアなどアフリカでの通信事業に手がけます。

中国三大通信機器メーカーは華為技術(ファーウェイ:Huawei)、中興通訊(ZTE)、小米科技(シャオミ:Xiaomi)があります。今回規制の対象になったのはファーウェイとZTE。この2社が通信設備そのものも作る通信機器大手に対して。シャオミは端末だけを作る家電メーカー。

他にもスマホを作っている中国メーカーは欧珀(OPPO)、CUBOT、Unihertzなどがありますが、基本的には端末を作るメーカーなので脅威度は低いと判断されたようです。

つまり単に通信の端末を作ってるだけの企業ではなく、通信技術の開発や通信設備も作る企業が危険性が高いと判断されたようです。

 日本とファーウェイ、ZTEの関係

日本政府の決定

2018年12月に発表した政府の決定は。

国の安全保障の驚異になると判断した企業の製品やサービスは購入しない。というもの。

ファーウェイやZTEを直接名指しで排除したものではありません。いつものとおり中国を刺激しないようにぼかした表現になってます。でも事実上ファーウェイやZTEが対象になってます。通信回線や携帯電話だけでなくパソコンも対象です。

また国内企業の製品でも「ファーウェイやZTEの部品を使っていれば使用禁止です」

既に広まっているファーウェイとZTE

「ファーウェイ?ZTE?そういえば最近見かけるけどそんなに増えてるの?」という人もいるかもしれません。

でも通信設備では既に日本に浸透しているのです。

日本ではイー・アクセス(携帯電話のブランド名はイー・モバイル)がファーウェイの通信機器を採用。ZTEもウィルコムと共同でPHSの開発を行いました。

イー・アクセスとウィルコムはソフトバンクグループの一員となり、現在の携帯電話大手ソフトバンクになりました。したがって、ソフトバンクの基地局や設備にもファーウェイやZTEの機器が使用されています。

ファーウェイとZTEは日本国内での販売をさらに広げようとしてソフトバンク以外との取引を増やそうとしていました。事実、次世代通信(5G)の開発ではNTTドコモがファーウェイと共同開発する予定でした。

auはファーウェイやZTEとの取引なないようです。来年以降参入予定の楽天も採用する予定はないようです。

ソフトバンクとNTTドコモは5GではファーウェイやZTEと共同開発する予定でした。政府の決定を受けて民間の大手通信会社でもファーウェイやZTEは採用しない方針で検討が進んでいるようです。

政府の決定をうけて、反対の意見もあるようです。「ファーウェイは既に国内の多くで採用されているので、ファーウェイ製品を使用禁止にすることは経済的な打撃になる」。というものです。ただ、こういう記事の裏では利害関係が働いているのでどこまで信用できるかは怪しいものです。

一番ダメージを受けるのは基地局の設備にファーウェイ、ZTE製品を使用しているソフトバンクでしょう。ドコモも端末ではファーウェイやZTE製品がありますから、多少の影響はあるかもしれません。でも他の企業の製品を採用すればいいだけです。

個人情報を危険にさらしてまで企業の利益を優先する必要はありません。

スマホは危ないの?

ファーウェイの通信端末は普及しているのでしょうか?海外ほどの勢いはありませんが、国内では既に5位のシェアを誇ります。既に日本の大手キャリアに対応しています。ドコモの端末でもよく見かけます。

試しにアマゾンでファーウェイの端末を売ってるのか検索した所かなりの数がヒットしました。というより「スマホ」で検索したら一番にHuaweiが出てきました。驚きです!

アマゾンでスマホの検索結果

安くてそこそこ使える性能なのでけっこう売れているようです。最近は「安ければいい」と思う人も増えてるようなので中国製品はよく売れているようですね。

確かにネット上では盛んにファーウェイやZTE製品を勧めている人をみかけます。どういう意図があるのかはわかりませんが。

 

一昔前だと中国製品に=粗悪品のイメージがありました。なんだか日本人の価値観も変わったなあと実感します。

日本のメーカーが落ちぶれているので仕方ないかもしれませんね。

まあデジタル機器はコピーが容易ですし、設備投資の資金が豊富で加工機器がしっかりしていれば後発メーカーでもそれなりにいい製品は作れるんですけどね。

今回の政府の決定は、政府や自衛隊が使う機器からファーウェイとZTEの機器を排除すること。民間製品の販売停止を決めたわけではありません。現実に日本国内の情報が漏れていると確認されたわけではありません。

日本のマスコミや有識者の間には、既に普及しているファーウェイやZTEを排除すると経済に影響が出ると、政府の決定に否定的な人もいます。アメリカが5Gでの主導権を中国に奪われたくないから言いがかりをつけているのだ。という人もいます。

でもファーウェイは中国軍とのつながりが指摘されています。中国軍=中国政府です。通信分野で中国製品が世界標準になることは中国政府の戦略なのでしょう。でも中国は国が情報を管理して国民を監視している国です。安心はできません。中国に通信網を握られてしまうのは危険だと思うのは当然でしょう。

日本国内からも情報が漏れる危険性はあるのかもしれませんね。

12月にソフトバンクの回線がダウンするという事故がありました。意外と知られていませんが、ほぼ同じころ世界中で回線がダウンするという事故がありました。エリクソン社製の設備を使っている通信設備で異常がおきたようです。エリクソン社はスウェーデンの通信機器メーカー。エリクソン製品は無線通信の業界では事実上の世界標準になってます。

そのエリクソンと世界シェアの1、2を争っているのがファーウエイ。今回の事故でエリクソン社は信用に傷が付きました。

通信障害の時期がファーウェイ創業者の娘が逮捕されたのと近かったこともあり様々な憶測がとびかっています。中国政府のサイバー攻撃を受けたのではないかという意見もあります。本当のことはわかりませんが。

それはともかく。

どんな製品にも安いのには理由があります。

通信機器は個人情報のつまった物だけに「安ければいい」というものではないと感じました。

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