かつてレイコップという家電が流行りました。レイコップとは布団を掃除する道具のことです。
ハンディータイプの掃除機に布団たたきと紫外線照射をくっつけたような物で、ダニやダニの屍骸を駆除してくれるということで人気が集まりました。
メーカーのうたい文句どおりの効果があるかどうかは分かりません。今までにない商品でしたしインパクトが大きかったですね。アレルギーや病気の原因になる物質を取り除いてくれるということで健康志向の現代人にたいするアピール度も高かったです。
技術自体は画期的な新技術が使われているわけではありません。アイデア次第で売れる商品ができるという良い見本ですね。
ちなみにレイコップを開発したのは韓国のメーカーです。日本では日本法人のレイコップジャパンが発売していますが、レイコップジャパンの社長は韓国人です。
今ではレイコップの類似品を日本メーカーが発売しています。
どうしてこうなった?
日本には独創的な家電がない
そういえば、家電の分野で画期的な新商品といえば外国メーカーの作った物ばかり。
ダイソン社のサイクロン掃除機。羽のない扇風機(とは呼べないかもしれないが用途としては扇風機そのものだ)。iRobot社の掃除ロボット「ルンバ」。
日本のメーカーといえば、外国メーカー品の模造品を作っているだけ。
今や掃除ロボットというジャンルがあるが、そのどれもが平べったい円形の形をしたスイッチを入れれば自動的に掃除を行うマシンである。つまりルンバのコピー品です。
たんなるパチモンの集団に「ロボット掃除機」というもっともらしい名前を作り一大カテゴリーを形成してしまいました。
大メーカーもよってたかってパチモン造ってひとつのジャンルにしてしまったんです。
日本人は中国がコピーをすると文句を言うが実は日本の企業も真似をするのは得意なのだ。違うのは日本は真似をしながら高品質の物を作れるということである。
おそらくレイコップのパチモンも今後は続々と発売されるでしょうね。技術的にはジェネリック家電を造ってるメーカーでも可能だとおもいます。日本の企業にはアイデアがない。
なぜ日本の家電メーカーは独創的な製品を作らずに過去に売れた製品のマイナーチェンジや他社の真似しかしないのだろう。
日本にだってシャープの「プラズマクラスター」があるじゃないかという意見があるかもしれません。
でもあれは宣伝の仕方が上手いだけ。
装置自体は放電機能の付いた空気清浄機です。空気清浄機としての機能は確かなので誰も文句は言いませんが、イコール「プラズマクラスターの効果が素晴らしい」というわけではありません。ま、この件に関しては話せば長くなるので機会があればいずれ書いてみたい。
結局のところ、従来からある家電製品としては性能のいいものを作ることができるが新しいジャンルを開拓できない。というのが日本の家電メーカーに共通する欠点でしょうね。
どうして日本企業は独創的な物が作れないのか?
家電メーカーに限った事ではありませんが、日本企業の内部では新しいことへ挑戦する気風が失われてしまっています。
新しいことに挑戦する場合は失敗がつき物です。でも、目先の利益を要求する企業にでは、いくら先進的な目標を掲げても失敗すれば査定に響きます。それよりは小さな改良でもポイントを重ねていけばよい査定が得られます。
みせかけの成果主義にどっぷり浸っている日本企業ではもはや独創的なものは生まれません。
トップの責任は曖昧にされても、社員の責任には厳しい。苦境に立たされている企業の多くにみられる共通点ですね。
更にリスクを極端に恐れる日本人の気風がそれに拍車をかけます。
追いつき追い越せとお手本となるものがあるときは抜群の強さを発揮する日本型企業。でも、世界のトップに立ったとたんに何をしていいか分からず目標を失い進歩が止まってしまうのも日本型企業なんですね。
もちろん今、日本企業が苦戦しているのはそれだけが理由ではありません。
でも、今後日本企業が生き残っていけたとしてもアジア系企業の下請けと成り下がるか、欧米の企業の様に独自の道を開拓しながら生き残っていくかの分岐点に立たされているのは間違いないでしょうね。
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