電子タバコで死者発生?電子タバコの危険性とは?

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アメリカで電子タバコの使用を規制しようと動きが広がっています。なんと電子タバコの使用者が死亡したという報告が何件もあるのです。

アメリカCNNの報道ではこのような報道がありました。

米イリノイ州の保健当局は、電子タバコを使用した成人男性がその後、重篤な呼吸器疾患にかかり死亡したと明らかにした。電子タバコによる死者が報告された最初の事案の可能性がある。全米で肺に関連した疾患の数が増えており、医師からは電子タバコと関連があるかもしれないとの見方が出ている。

CNN.co.jp (2019.08.26)

他にも重症患者が出ているようです。

でもよくよく考えてみると「電子タバコって何?」ってなってしまいました。

知ってるようで知らない電子タバコと危険性について調べてみました。

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電子タバコとは

電子タバコをwikiペディアで調べると。

電子タバコ(でんしたばこ、英語: Electronic cigarette, e-cigarette, e-cig)とは、乾燥葉や液体をマイクロプロセッサで制御された電熱線の発熱によりエアロゾル(霧状)化して、利用者に吸引させる喫煙具である。

となってました。

イギリスやアメリカなど英語圏では ヴェポライザー(Vaporizer)ともいいます。通称「ヴェイプ」

専門用語では 電子ニコチン送達システムというそうです。

要するに。

Eリキッドと呼ばれる専用の液体を電気ヒーターで加熱して煙を出す道具です。

↓こういう感じで使います。
手元に電子タバコがないので楽天から画像を借りてます。

出典:楽天市場

 

電子タバコと加熱式タバコは違う

よく似た道具に「加熱式タバコ」もあります。
こちらも楽天から画像を借りてます。

出典:楽天市場

こちらは普通に売ってる紙巻きタバコ(燃焼式タバコ)に取り付けてヒーターで過熱する道具。

ライターやマッチで火を付ける代わりにヒーターでタバコの葉を焼いてるんですね。

当然、普通のタバコを電気で焼いてるだけなのでニコチンや一酸化炭素などの有害物質は出ます。「紙タバコに直接火を付けるよりも多少は有害物質が少ないかな」という程度。有害なのは同じです。

ただし売ってるお店や規制している自治体でも電子タバコと加熱式タバコの違いがわかっていない人も多いようです。

今回問題になってるのは液体を電気で加熱する電子タバコです。

電子タバコにはニコチン入りとニコチン無しがある

電子タバコは液体を電気で加熱して霧(エアロゾル)を作り、それを吸い込んでます。

液体にはニコチン入りと、ニコチンのないタイプがあります。

ニコチン入は ENDS (Electronic nicotine delivery systems)。

ニコチンのないのは ENNDS (Electronic non-nicotine delivery systems)といいます。

日本では薬機法(医薬医療機器法、旧薬事法)で規制されているのでENDSは発売されていません。日本国内で発売されているのはニコチンのないENNDSだけです。

でも外国ではニコチン入りのENDSは普通に発売されています。おかしなことに欧米では未成年者でもENDSを購入して使うことができるのです

喫煙問題に厳しい国なのにおかしいですよね。欧米人が本気で喫煙対策する気があるのか疑問です。

それで未成年者がENDSを利用して健康被害が出てるって今ごろ騒いでいるんです。

そりゃ影響出るでしょう

確かに電子タバコは普通のタバコよりニコチンは少ないです。他の有害成分もタバコより2桁少ないです。でも濃度が低くなったとはいえ有害物質を含んだ蒸気を肺に入れているのですから健康にいいはずがありません。

ニコチンより恐い電子タバコの危険性

発ガン性物質のアルデヒドが含まれている

タバコの健康被害と言うとニコチンが有名です。でもタバコの危険性はそれだけではありません。

発ガン性物質のホルムアルデヒド、アセトアルデヒドも含まれています。タバコを吸ってガンになるのはアルデヒドが大きな理由だといわれています。

電子タバコに含まれるアルデヒドはタバコの100分の1だといわれますが、それ以上だという報告もあります。

そこでイギリスやアメリカでは電子タバコはタバコよりも健康被害を減らせるということで積極的に販売したました。今ではタバコ産業がそっくり電子タバコ産業に置き換わりました。

つまり欧米で禁煙・分煙が進んでいるのは電子タバコという代替手段があるから。健康や環境問題に熱心だからではありません。

しかし安全だからと思って吸っても有害物質を体に入れていることには違いありません。

粗悪品には有害物質が混ざっているものも

意外なことに電子タバコを最初に商品化したのは中国でした。そのせいか中国製の電子タバコが大量に作られています。ところが粗悪な中国製電子タバコにはアルデヒドやニコチン以外の有害物質が含まれているものもあります。さらに被害が増えているのです。

電子タバコの煙には重金属が含まれている

あまり知られていませんが、タバコにはカドミウム、鉛、ニッケルといった重金属が含まれています。確かに微量かもしれません。微粒子にして肺に取り込むので、食物から摂取するよりも危険性は高くなります。

電子タバコにもカドミウム、鉛、ニッケルは含まれています。これらの重金属は発ガン性が疑われる物質といわれていますし、さまざまな健康性がが出ます。

日本呼吸器学会の見解ではこのように報告しています。

電子タバコ利用者の呼出煙中のニッケルやクロムなどの重金属濃度は、燃焼式タバコの呼出煙よりも高い

https://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/citizen/hikanetsu_kenkaiR.pdf

 

電子タバコはタールは出ないかもしれませんが、重金属の有害性は残ったままなのです。

危険ドラッグ吸入器としても使用

アメリカでは中高生でも電子タバコが利用できます。フルーツ味やバブルガム風味のEリキッドが発売されています。コンビニやガソリンスタンド(アメリカではガソリンスタンドがコンビニかわりになってる所もある)で普通に手に入るのです。彼らは電子タバコで香りを楽しむために使っているようです。欧米では未成年者でもニコチン入りの電子タバコが使用できるので最近中毒が問題になってます。

ところがさらに厄介な問題がおきたのです。アメリカでは電子タバコのEリキッドから「合成カンナビノイド」という危険ドラッグがみつかりました。デトロイトではクラウド9という危険ドラッグを吸入した中高生が病院に運ばれる騒ぎになりました。もちろん彼らはクラウド9だと知ってて使ってます。「合法ドラッグだから」「気分がよくなるから」といって誘われるのでしょうが、中身は麻薬そのもの。

電子タバコは麻薬を吸うための道具としても使われているのです。

だから、電子タバコで重症になったと言われる人の中には危険ドラッグを吸い込んだ人もいるようです。

電子タバコ=危険というわけではありませんが

 

電子タバコに含まれアルデヒドは燃焼式タバコの100分の1なのかもしれません。でも重金属は含まれていますし、粗悪品には別の物質が入っているかのせいもあります。

危険ドラッグの吸入装置として使って、重症になった人もいるでしょう。

電子タバコと使ったからといってただちに危険というわけではありません。

でも電子タバコからは普通のタバコと同じ有害物質が出ています。決してただの水蒸気ではありません。

「無害だから」「安全だから」といって過信するのは危ないです。有害なものを肺に取り込んでいることにはちがいないのですから。

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