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幸福度ランキング2019発表!日本が低い理由とランキングの落とし穴

主婦はどうなる

毎年3月になると国連が「幸福度ランキング」を発表します。
3月20日は国際幸福デーだから。これは国連が155カ国を対象にした、国民の意識や福祉の充実度、建康、経済、政治の腐敗度、社会的な支援、国内総生産をランキング形式で発表したものです。

そもそも「幸福度」って個人で違うのにランキングで評価できるものなんでしょうか?

幸福度ランキングの結果と、誰も言わない幸福度ランキングの注意点を紹介します。

目次

2019年版世界幸福度ランキング

まずは2019年版のランキングを紹介しましょう。

ベスト10

1 フィンランド
2 デンマーク
3 ノルウェー
4 アイスランド
5 オランダ
6 スイス
7 スウェーデン
8 ニュージーランド
9 カナダ
10 オーストリア

ベスト10はヨーロッパ諸国かその移民国。
特に北欧が強いです。

20位まで

11 オーストラリア
12 コスタリカ
13 イスラエル
14 ルクセンブルク
15 イギリス
16 アイルランド
17 ドイツ
18 ベルギー
19 アメリカ
20 チェコ

欧米の大国が登場してきます。

30位まで

21 アラブ首長国連邦(UAE)
22 マルタ
23 メキシコ
24 台湾
26 チリ
27 グアテマラ
28 サウジアラビア
29 カタール
30 スペイン

ようやくアジア諸国が登場。中南米もランクイン。

40位まで

31 パナマ
32 ブラジル
33 ウルグアイ
34 シンガポール
35 エルサルバドル
36 イタリア
37 バーレーン
38 スロバキア
39 トリニダード・トバゴ
40 ポーランド

中南米やヨーロッパの中小国が多いですね。

41 ウズベキスタン
42 リトアニア
43 コロンビア
44 スロベニア
45 ニカラグア
46 コソボ
47 アルゼンチン
48 ルーマニア
49 キプロス
50 エクアドル

紛争国

60位まで

51 クウェート
52 タイ
53 ラトビア
54 韓国
55 エストニア
56 ジャマイカ
57 モーリシャス
58 日本
59 ホンジュラス
60 カザフスタン

ようやく日本が登場。意外と低いですね。

日本に近い国や他のアジア諸国もみてみましょう。

68 ロシア
69 フィリピン
76 香港
80 マレーシア
83 モンゴル
92 インドネシア
93 中国
94 ベトナム
95 ブータン
100 ネパール

香港やインドネシアも経済は発展しているんですけどね。意外と低い。
幸福度No.1の国のはずのブータンがここではかなり低め。

最下位は156位の南スーダン。
2011年に独立したばかりで新しい国ですが現在も紛争中。

経済大国のはずの日本、寿命も長いし、治安もいい。なのになぜ日本の順位は高くないのでしょうか?

どうやってランキングを出しているのか?

ちなみにこのランキングどうやって作っているのでしょう。

GDPと寿命などは数字が出ます。

問題は他の幸福度の調べ方です。

その調べ方は各国で1000人に電話して「あなたの幸福は10点中何点か?」と質問します。それを過去3年分で平均します。

「たった1000人に電話で聞いて何が分かるの?」

という気もします。しかも個人の主観なのであてにならない。

さらに文化も習慣も宗教も違うので質問に対する捉え方がぜんぜん違います。

なぜ日本は順位が低いのか

まずは今回発表された内容を項目別に見ていきましょう。

・健康に生きられる 2位
・国民一人あたりのGDP 24位。
・政府やビジネスの腐敗のなさ 39位。
・社会的支援 50位。
・社会の自由度 64位。
・他者への寛大さ 92位。

長寿国だけあって健康面では世界トップクラス。

GDPの高さも世界的にはトップ。上位の国は人口が少なくて経済が発展している国が多いです。自然と国民一人あたりのGDPは高くなります。1億人の人口を持ちながらこれだけの国民一人あたりのGNPを持っている国は珍しいです。

政府やビジネスの腐敗については企業関係で不祥事が相次いでいるだけに仕方ないところ。

社会的支援では個人に対する行政の支援は十分とはいえません。キリスト教国では民間レベルでの支援が盛んですが、日本では民間の支援は盛んではありません。

社会の自由度はあとで述べますが日本には古い価値観が根強くあるので現代では生きづらくなっています。

他者への寛大さはかなり漠然とした項目です。むしろ欧米諸国のほうが考えが一方的な気もしますが、日本が外国人にとって生きづらいのは確かです。外国人という言い方が問題という指摘もあります。長年、同じ言葉、同じ習慣の人々が暮らしてきた島国だけによそ者への差別意識は強いです。

また現在の日本では国民自らが言論統制を行うことが多いです。他人と違う意見をいうとすぐに攻撃したり自分に気に入らなとすぐに怒ったり。クレーマーやモンスターペアレンツなど、気に入らないからといって他人を攻撃する人が増えています。このあたりの寛容さがなくなっているのは確かでしょう。自由な生き方を勘違いしている人が多いのです。

確かに日本にも問題はたくさんあります。

福祉政策などでは北欧諸国が進んでいる部分はあります。自由な生き方という点では日本の社会は行きづらいかも知れません。

かつては男はいい学校に行って、いい会社に就職して、定年まで働いて退職する。女は結婚して子供を産んで育てる。

現代人から見ると古臭い考えです。欧米からみてもおかしな理由だす。でもかつての日本国民には幸福のマニュアルがありました。そのとおりに生きればたいていの人はそれなりに満足した生活がおくれました。

ところが現在は過去の基準が通用しなくなっているのに新しい幸福の基準ができてません。

でもそれだけが理由で日本のランクが低いのではありません。ランキングには知られていない怖い意味があるのです。

日本が国際機関のランキングで評価が低い理由

 でも日本が低いのはそれだけではありません。ランキングには注意点があります。それを紹介しましょう。

宗教や習慣が違う

上位にいるのは北欧などのヨーロッパ諸国。確かに福祉が充実しています。でもそれだけではありません。キリスト教ばかりです。

キリスト教国は多少の不幸があっても「神の試練」と前向きにとらえます。キリスト教徒として生きているからには「神に祝福されているはずだ」「今の不幸には理由がある」と考えるのです。この感覚は無神論者の日本人には理解できないかも知れません。

だから聞き取り調査をすると数字が高くなってしまうのです。

でも日本では違います。「普通」に生きられるのが幸福で少しでもずれると「不幸」だと感じてしまいます。いつもと違うことがあると悪いできごとととらえる国民性の影響が大きいのです。

さらに日本人は質問に10点中の5点で答える人が多いらしいです。なにごとも「平均」がいい。という控えめな国民性が出ています。

だから聞き取り調査をすると数字が低くなってしまうのです。

幸福に求めるレベルが違う

一口に幸福といいますが日本人の求める幸福と外国の人々が求める幸福さは違います。現在の日本ではよほどのことがない限り命を落とすことはありません。変な主張をしたからと言って捕まることもありません。貧困が増えたといっても途上国の貧困とは事情が違います。

「生きてはいけるけど、なんかモヤモヤしている」

そんな人は多いと思います。そんな人に「あなたは幸福ですか?」と聞いたら「いいえ」と応えるに決まってます。

でも外国人はそうではありません。「生きていけるならハッピーじゃないか」と答える人も多いでしょう。

日本人の考える幸福でない状態は「モヤモヤしている」レベル。

死なないのは当たり前、逮捕されないのも当たり前、自由に生きられるのが理想、の状態でさらに上を目指しているのが日本人の幸福なんです。

日本よりも経済的に豊かとはいえなかったり治安が悪くてもランキングが高いのは国民の意識の高さが違うのです。

ヨーロッパの価値観でランキングは作られている

幸福度ランキングなど世界で発表されるランキングの多くはヨーローッパに組織があります。ランキングの項目を作るのはヨーロッパ人。つまり欧米人の価値観でランキングが作られているのです。

日本人と欧米人では豊かさや幸福の価値観が違います。国際機関のランキングではヨーロッパが上位にランキングされることが多くアジアの国が低くランキングされることが多いです。

イスラム教徒とキリスト教徒では価値観も習慣も違います。アジア人と欧米人も価値感や習慣は違います。

幸福の国と言われたブータンがかなりランクが低いのもその理由です。ちなみに世界幸福デーを提唱したのはブータン。そのブータンが低いランクに抑えられるとはなんという皮肉でしょうか。

根回しが必要

国際機関というと公平中立だと思う日本人は多いと思います。ところが実際には各国の政府関係者のロビー活動が盛んに行われています。つまり国際活動には根回しが必要なのです。

国際機関での決定にもロビー活動は必要。世界は駆け引きで動いているのです。ところがロビー活動は日本が最も苦手にしている分野。アジアの国では中国や韓国はロビー活動は熱心です。言わなくても分かってくれるは通用しません。中国は欧米人の作った格付けは気にしてないでしょう。でも韓国はかなり日本を意識しています。

汚いと思うかも知れませんがそれが世界の現実なんです。

意外と信用できない国連

とはいっても国連が発表したのだから信用できるのでは?と思ってる人もいるかも知れません。日本人は国連に対して信仰に近い信頼を持っています。

しかし国連とはいえそこは国と国の利益やメンツがぶつかりあう駆け引きの世界。それぞれの国は国際機関に人材を送り込み、ロビー活動を行いお互いに有利になるように操作しています。国連機関の発表が「じつは某国の言い分」と同じだったりすることはよくあります。

国連機関だから正しいとは限らないのです。

主観的なランキングでは日本は弱い

日本は数字で測定できる項目には強く、主観的な項目に弱いという特徴があります。

寿命、所得、犯罪発生率など客観的なデータがある分野では世界のトップクラスです。

ところが「あなたは幸福と思いますか?」「豊かだと思いますか?」などの漠然とした問題になると極端に順位が低くなります。日本人特有の悲観的な考え、自分を高く評価するのは恥ずかしいという謙虚さがランキングでは悪い結果の原因になってしまうのです。

自尊心の低さがランキングに出ているといってもいいです。

今回発表された幸福度ランキングはたくさんの項目を足し合わせて作ってます。計算にどの項目を入れるのかはランキングを作った人の価値観で決まります。さらにたくさんの項目を入れれば入れるほどランキングは恣意的になるのです。

恣意的=合理的な理由もなく勝手気ままな様子。

つまりランキングの数字そのものには意味がないのです。

ランキングを気にしてはいけない

ランキングを見て日本に不足している部分を補うように努力することは必要です。
だからといってランキングを気にして「日本は悪い国だ」「行きにくい国なんだ」と思う必要はありません。また日本よりランキングが低い国を不幸な国だと思う必要もありません。

対策をすることとと、むやみに不安を煽ったり、落ち込んだりすることは別です。

外国機関の発表したランキングに一喜一憂することって他人の評価を気にしてウツウツしてるのと同じこと。「いいね」が付かないからといって一人で悩んでるのと同じ。

つまり

あなたは自分で幸福度を下げているのです。

本当に自分らしく行きたいなら意味のないランキングを気にする必要はありません。あなたにとっての幸福を探せばいいのです。

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