社会人になると人と遭う機会が増えます。今、コミュニケーションで悩んでいる人が増えています。そんなときに役立つのが「雑談」の力。
会社の飲み会、うちあげ、懇親会。会社の行事に出たものの、なにを話していいかわからず浮いてしまう。そんなことがよくありました。
僕は文章書くのは好きですが、口下手です。おしゃべりは上手じゃありません。でもコミュニケーションがとれないと人間関係はうまく作れません。そんなとき出遭ったのがこの本。
ここにはビジネスマンが会社で生きていくうえで参考になりそうなスキルがありました。
どうして雑談が必要なのか
「雑談=必要のない話」は間違い
雑談なんて無駄。
そんなことをして何の得になるんだ。
そんな暇があればほかのことを考えろ。
会社にはそういう人はよくいます。僕もそんな考えの人でした。
だけど転職して知らない人ばかりの職場に来たとき。ゼロからどうやって人間関係を作ればいいのか悩みました。新入社員であれば先輩達が声をかけてくれます。周りの人が気を使ってくれるので徐々になれていきます。
でも40代の中途採用者に気を使うほど世の中甘くありません。中には声をかけてくれる気さくな人もたまにはいます。でも、多くの人は自分から声をかけないと相手にしてくれません。20代の若い人になるとなおさらです。だれが用もないのに「知らないおっさん」に声かけるでしょうか。
だけど、そんな雰囲気を変えるのもコミュニケーションのとり方しだいなんです。
その場にいる人たちと同じ空気を共有するため、場の空気を作るために雑談があるのです。
雑談上手と話し上手は違う
「自分は口下手だからできない」、「会話はうまくないから無理」という人はいます。僕もそうでした。
雑談の中身はどうでもいいのです。要点をまとめて内容を相手に伝える必要はありません。ウケを狙う必要もありません。
テレビでタレントがやってるトークをする必要はありません。もちろんそれができればもっといいのでしょうが。そこまでしなくても人間関係をつくることはできます。
雑談とは、会話を利用して場の空気を生み出す技術のことです。だから雑談上手といわれるのは、話術が巧みな人よりも”間がもてる人”や”話を聞いてほしくなる人”。要するに会話というよりも”人間同士のお付き合い”に近いのです。
でも、なにを話してもいいわけではありません。ちょっとしたポイントはあります。気をつければ身につく程度のものです。あいさつにちょっとした言葉をくわえるところから始めるところから始めればいいんです。
雑談のコツ
結論はいらない
意外に思うかもしれませんが。雑談に結論はいりません。
男同士の会話はどうしても議論の様になって結論を求めがちです。でもそれをすると考えの違う人との対立が生まれます。
求めているのは”結論をだすこと”ではありません。相手との人間関係をつくることです。
休み時間の女性同士の会話を聞いたことがあるでしょうか?どうでもいいことを延々としゃべってますよね。(盗み聞きしてたわけじゃないですよ。休憩中にたまたま聞こえてきたんです)
なぜ女性は意味のない会話を何十分も続けることができるのか不思議でした。妻は親しい近所の主婦の方と2時間くらいしゃべることができるそうです。
まとまりそうになっても、突然別の話題に飛んで違う話題を続ける。それは「結論を求めていない」からです。間をもたせればいい。それこそが、雑談をうまくやる秘訣なんですね。
無理に話をまとめようとしない。
抽象的・一般論的な結論を出さない。
オチをつくらずにどこまでもズルズル引き伸ばしていく。
結論に至る前に、小気味よく(ときにはめまぐるしく)話題を変えていく。
雑談は途中で切ってもいい
だけど、僕たちがしたいのは井戸端会議ではありません。会社で延々とおしゃべるするわけにはいきませんよね。
そうなると、うまく雑談を終わらせる必要があります。
ここでも結論を求めないことが生きて来ます。もともとどうでもいい内容なので尻切れトンボになっても相手も困りません。
適当なところで「それじゃあ、また」とか「それじゃあ、仕事があるから」で切ってしまっても不自然ではありません。
すき間の時間で会話して潔く去ってしまう。これも重要な雑談のポイントになります。
なんでもいいから褒める
なにを話していいのかわからない。
そういうときは、相手の見える部分をほめてあげるのです。
よほどのひねくれ者でない限り、褒めた相手を「こいつは悪いやつだ」と思うことはないでしょう。
だけどゴマスリに聞こえないようにするには、あからさまな褒め言葉は逆効果。”さりげなさ”や”どうでもいいこと”をほめるのです。
相手が散髪してきたら「すっきりしたね」とか。いつもと違うシャツを着てたら「いつもと違うね」とか。歳の離れた20代の人なら、40代の人とは違うアイテムを持ってることがあります。それをみつけたら肯定的なものとしてネタにしてしまうことです。「そのスマホカバーかっこいいね」とか「それなに?みたことないよ」とか。
褒め言葉に抵抗があるなら「珍しいね」とか「おもしろいね」とか「新しいね」でもいいです。内容はどうでもいいんです。話しかけることに意味があるんです。
そうすれば会話のきっかけがつくれるし、「このひと気にしてくれてるんだ」と思わせることができます。「自分は無視されてない」と思うと協力的になってくれる人は結構います。
いきなり否定しない
ある程度顔見知りの相手なら、むこうから話してきてくることはあるでしょう。
その話題に興味がなかったり、嫌いであっても、最初から否定の言葉で返してはいけません。
まずは相手の意見を認めることです。
自分の好き嫌いとは別の次元で、どんなものからもよさを見出す努力をする。
この考えは、単に雑談だけではありません。人間関係をつくる上でも役に立ちます。途中から組織に入ってきたあなたが、すでに出来上がった人間関係にとけこむにはまずは自分からあわせること。そのうえで気になることがあれば「こうすればもっといいよ」と改善点をあげれば周囲の反発も少ないし、あなたの評価をあげることもできます。
逆質問する
口下手だから、気の利いた返事を返せない。それでも雑談はできます。
相手から話しかけられたら、あなた自身のことを話すのではなく。逆に質問してしまうのです。
「犬を飼ったよ」と聞かれたら。
「どんな種類ですか」と答えます。
そうすれば、相手は答えなないといけないので、会話が繋がります。
「プードルだよ」といったら。
「どんな色ですか」とか。「オスですかメスですか」とか。
とにかく、興味がなくてもどんどん質問をつなげていきます。ネタが豊富でなくても話を続けることはできるのです。
そのうち相手が「君は犬かってるの?」と聞いて来るかもしれません。
そうしたら、そのときに自分のことを答えればいいです。
できるだけ、あいてにしゃべらせることが雑談をするときのコツです。
ほかにもたくさんの雑談力を上げるための方法が介されています。
雑談力が現代のビジネスマンを救う?
もちろん、おしゃべりして仕事しないのはいけません。
でも、人間関係は要件の話だけでは作ることはできません。
現代社会は人間関係が希薄になったと言われ続けていますが、それでも、今でも、人は人とのコミュニケーションなしで生きられません。
そして、そのコミュニケーションの、もっとも土台となるのが日常の他愛のない会話であり、日々の何気ない雑談なのです。
人間の作る組織で働いている限り必ずコミュニケーション力がいります。ビジネスや会社勤めの人ほど雑談の重要性は高まってるんですね。
会社を辞める理由の多くは人間関係だと言われます。その人間関係が悪くなる理由にもいろいろありますが、「コミュニケーション不足」が大きな原因にもなってます。ふだんからもっとコミュニケーションをしておけば、最悪の結果になる前に回避できたかもしれません。
口下手な僕にとっては参考になった本でした。
雑談力が上がる話し方―30秒でうちとける会話のルール | ||||
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