オーガニックって何?簡単に本当の意味を紹介します。

人に言いたくなる雑学
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このところテレビや雑誌で「オーガニック」という言葉をよく聞きます。

確かにオーガニック野菜は人気あるよな。と思っていたら

オーガニックコスメ、オーガニックカフェ、オーガニックカラー・・・

野菜や果物とは関係ないものまで「オーガニック」と呼ばれているではありませんか!オーガニックの本当の意味を忘れていい加減な使い方をしているようです。

オーガニックってどういう意味なんでしょうか?

意外と知られていないオーガニックの意味を紹介します。

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オーガニックとは生物由来

オーガニック( organic )とは英語の”有機的”という意味から。

もともとは organisms(生物 )という言葉からきています。

18世紀の化学者が生物由来の化学物質を有機化合物(organic compound)、鉱物由来のものを無機化合物 (inorganic compound)と名付けたのが始まりです。

現在では有機化合物も人工的に作ることができます。プラスチックも有機物です。だから生物由来=有機化合物というわけではありませんが。「有機」という言葉は「生物由来」という意味で使われています。

また、生物由来という意味の他にも「さまざまな物が集まってお互いに影響しあっている様子」という意味で使うこともあります。これは生命体が様々な細胞が集まって生き物を作っていることから。人間の集まった組織や制度なんにも有機的という言葉を使うことがあります。

というわけで有機というのは化学の世界で使われていた言葉。それが化学を知らない世間の人の間にまで広まったのはなぜでしょうか?

有機という言葉が広まったのは有機農法から

有機という言葉が広まった理由は「有機農法」が大きな理由です。

有機農法とはもともとは「自然の肥料を使って栽培する方法」でした。つまり近代化以前の江戸時代はみんな有機農法だったんです。でもそれが当たり前だったから誰も有機農法とは言わないしそんな言葉もありません。

人口が増えて化学肥料が流行

ところがヨーロッパで産業革命がおこり、人口が爆発的に増えると農作物の生産が追いつかなくなりました。そこで化学的に肥料を作って農業に使ったら、もっと農作物を増やせるんじゃないかと当時の人は考えました。そこで開発されたのが化学肥料です。

化学肥料のおかげで農作物の生産が増え、欧米では食糧不足の心配はなくなりました。

日本も文明開化のあと化学肥料を欧米から取り入れて使います。化学肥料はリン、硝酸、カリウムを主な成分にする無機肥料がほとんどです。つまり鉱物由来の無機物が主な成分だったわけです。

化学肥料は工場で生産できるので大量に作られて農業に使われました。

手軽に使えて収穫量も増えるので農家も化学肥料を使いました。

ところが化学肥料を長く使っていると問題がおこりました。

それは作物が育たなくなったり、土が固くなってしまうのです。

同じ肥料ばかり使ってると土の成分が偏ってしまいます。人間と同じで植物も土の栄養分が偏ってしまうと成長が悪くなります。

化学肥料は無機物です。長い年月の間に土の中に残った無機物が土とくっついて固まってしまいます。無機物は固まると固くなります。石膏やセメントを思い出してください。固くなった土では農作物は成長できません。

作物の生命力も弱くなるので病気になったり害虫に食べられやすくなってしまいます。

農家の間では「連作障害」と言って大きな問題でした。それを解決するために様々な方法が産まれました。

有機農法は連作障害を解決するため

連作障害を解決するため、農業関係者は「昔と同じように生物由来の肥料を使えば、連作障害を解決できるんじゃないか」と考えました。それが有機農法です。

他にも様々な方法が考え出されましたが、長くなるので省略します。

要するに有機農法は連作障害を解決する方法のひとつだったのです。

有機農法とは有機肥料を使った農業のことです。

有機農法でとれた作物を有機農作物といいます。

つまり有機野菜のことです。

有機肥料には動物性のものと植物性のものがあります。
動物性のものが混ざった有機肥料を動物のフンや死骸、屠殺物で残った物を植物や土と混ぜます。堆肥(たいひ)といいます。普通は家畜のフンを使うことが多かったです。
植物性のものだけで造られた有機肥料を緑肥といいます。田んぼに大量に生えているクローバーなんかも土と混ぜて肥料にするため植えているのです。北海道ではよく観光名所になってますが、あれはもともとは肥料にするために植えていたものです。

有機肥料は様々な成分が混ざっているため、長く使っても土の成分が偏るといったことが少ないのがメリットでした。その一方で、作るのが大変。臭気が気になる、などの問題もあったので化学肥料が広まると廃れていたのです。

というわけで、有機農法とは連作障害を解決するために考えたものでした。

健康とは関係ないのです。

連作障害が解決されたので収穫量はもとに戻りました。つまり有機肥料だから収穫量が増えたのではなく。連作障害が解決したから収穫量が増えたのです。

栄養価や美味しさも有機農法だから良くなるなんてことはありません。栽培方法を工夫して栄養価の高いものや美味しい農作物を作る農家はいます。でも単純に有機野菜だから美味しいのではありません。

ではなぜ有機野菜が体にいいと思われるようになったのでしょうか?

それは無農薬野菜の登場が原因です。

無農薬野菜が体にいいイメージのもと

農薬は日本では第二次世界大戦後に本格的に使われました。農作物を害虫や病気から守り、雑草の駆除の手間を省くことで農作業に関わる人手を減らして、都市部の工場で働く人手を増やす効果がありました。

ところが。

1960年代以降、農薬が環境汚染や人体の健康に悪い影響を与えることがわかり問題になりました。工業廃棄物による公害が話題になったのも1960~70年代。こうして農薬の種類や使う量が規制されました。

農薬を使わないでも農作物を作る方法はないかと考える農家もいました。病気や害虫から守ったり、雑草を取り除くのは大変な苦労がかなります。人手の少なくなった現代の農家では大きな負担でしたが、様々な工夫により無農薬で農作物を作る方法が考え出されました。そうして作られた農作物が無農薬農作物です。

無農薬農作物は消費者に歓迎されました。

消費者には「農薬=危険」というイメージが広まっていたためです。現実には日本の農薬は危険性がかなり低いところで管理しています。洗って食べれば問題ありません。

でも無農薬野菜=安全というイメージは強かったのです。

無農薬野菜と有機野菜が一緒にされる

この無農薬野菜が登場した時期と有機野菜が登場した時期がほぼ重なりました。

有機農法で作ると連作障害がなくなり病気にかかりにくくなります。結果的に農薬をあまり使わなくてすむ。というメリットもありました。

そこで有機野菜と無農薬野菜が一緒にされてしまいました。

マスメディアでの取り上げ方や、お店の販売でも無農薬野菜と有機野菜を一緒にされることが多いようです。

こうして有機野菜=無農薬野菜=安心・安全という神話ができあがりました。

ちなみに日本では「有機JAS」という制度があります。国が決めた有機野菜の規格です。でも無農薬野菜の規格ではありません。「有機JAS」マークの付いた農作物だからといって農薬を使っていないとは限りません。

それもそのはず、有機野菜と無農薬野菜は同じものではないのですから。

でも世間では誤解されて広まっているようです。

しかし一度広まった誤解は消えません。

暴走する オーガニック という言葉

有機は英語で「organic」

オーガニック野菜というとなんとなく格好いい。

というわけでオーガニック=安心・安全 というイメージが独り歩きします。

イメージが独り歩きすると暴走は止まりません。

有機はもともと生物由来というわけで、オーガニック=天然・自然派 という意味で使われることもあるようです。

オーガニック=人工ではない。人間の手が加わっていない という意味で使われることもあります。
いいたいことはわからないでもありませんが、意味が違ってきてますね。

最近では「自然」というイメージからさらに想像を膨らませて オーガニック=自由な・私らしい という使い方をする人もいるようです。ここまで来ると何がなんだかわけがわかりません。

特に女性雑誌や女性をターゲットにした店ではオーガニックの持つイメージだけを利用して自由に使ってることがありますね。イメージが大切だから意味はどうでもいいのかもしれません。

でもむやみにオーガニックという言葉を使うと、相手に意味が伝わらないことがありますし誤解を招くこともあります。

オーガニック=有機的という使い方に限るとはいいませんが。
生物由来くらいの意味にとどめておいたほうがいいのではないかと思います。

言葉の意味はちゃんと理解して使いましょうね。

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