「大阪」と「なにわ」ナンバーはどう違う?ナンバープレートの不思議

雑学
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自動車のナンバープレートを見て不思議に思うことがあります。「大阪」ナンバーと「なにわ」ナンバーはどう違うのでしょうか?「京都」や「奈良」は都道府県名がついてるように思えるのに、なぜ「兵庫」がなくて「神戸」と「姫路」になってるんでしょうか。

 

関西に住んでると「大阪」ナンバーや「なにわ」ナンバーの車をよく見ます。僕自身は京都に住んでるので周辺の車は「京都」ナンバーだらけです。でも道路を走ってると近くの都道府県のナンバーをよく見ます。「大阪」「なにわ」「和泉」「堺」「奈良」「滋賀」「神戸」「姫路」・・・

都道府県名に統一されているようでされていない。市の名前がはいってるところもある。でも「なにわ」という市はないし。なぜ都道府県によってナンバーの地名の付け方が違うのでしょうか?ナンバープレートの地名表示について調べてみました。

 

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ナンバープレートの地名の付け方

 

結論からいうと、ナンバープレートの地名は都道府県単位で付けてるわけではありません。

ではどうやって付けているのでしょうか?

登録した「運輸支局」か「自動車検査登録事務所」で分けているんですね。

運輸支局は都道府県に一つずつあります。運輸支局は都道府県の名前が付いています。でも、都道府県に1か所では不便なこともあります。人口が多かったり、土地が広すぎたりすると、順番待ちや移動が大変です。

そこで陸運輸局以外に「自動車検査登録事務所」を作って登録できるようにしたんです。自動車検査登録事務所は事務所のある市の名前が付いています。

だから大阪陸運局で登録したナンバープレートなら「大阪」。京都陸運局で登録すれば「京都」のナンバーになるんですね。

姫路自動車検査登録事務所なら「姫路」ナンバー、和泉自動車検査登録事務所なら「和泉」ナンバーになります。

近畿地方のナンバープレートの地名はこのようになってます。

 

表示  都道府県 運輸局1) 登録事務所2) 所在地
大阪 大阪府   大阪   本庁舎 寝屋川市
なにわ なにわ 大阪市 
和泉 和泉 和泉市 
京都 京都府 京都 本庁舎 京都市 
神戸 兵庫県 兵庫 本庁舎 神戸市 
姫路 姫路 姫路市
滋賀 滋賀県 滋賀 本庁舎  守山市 
奈良 奈良県 奈良 本庁舎  大和郡山市 
和歌山 和歌山県 和歌山 本庁舎  和歌山市 

1)実際の名称は○○運輸支局となります。
兵庫だけは兵庫陸運部という名前を使ってます。

2)本庁舎以外にある登録事務所の名称は○○自動車検査登録事務所となります。

 

大阪府のナンバープレート事情

 

かつては大阪府内で登録されるナンバープレートは大阪を意味する「大」と書かれていました。でも現在は大阪、なにわ、和泉、堺の4つがあります。

1964年。和泉自動車検査登録事務所ができました。大阪府北部は大阪運輸支局の担当。大阪府南部は和泉自動車検査登録事務所の担当になりました。
北部は「大阪」、南部は「泉」と表示されていました。なにわナンバーができるまでは大正区、住之江区など大阪市南部も「泉」ナンバーでした。

1983年。大阪市内を担当する大阪自動車検査登録事務所ができました。でもすでに大阪運輸支局で「大阪」の文字を使ってます。「大阪」を使うと区別できません。そこで大阪自動車検査登録事務所で登録した車には大阪市付近の古い呼び方「難波・浪速」のひらがな表記「なにわ」を使うことになりました。「難波」は「なんば」と発音することもありますが古くは「なにわ」と言っていたようです。難波や浪速にしなかったのは、読み方は同じでも漢字の表示の仕方が何種類もあるためだといわれます。

ひらがなのナンバーを採用したのは福島県の「いわき」につづいて全国で2番めです。

1988年。和泉自動車検査登録事務所で登録した車は「泉」ではなく「和泉」になりました。最初から和泉でもよかったと思うのですが、泉でもいずみと読めるためかもしれません。

2007年。ご当地ナンバー「堺」の登録が始まりました。

 

つまり。現在では「大阪」ナンバーは大阪市内で登録した車ではないんですね。大阪市内は「なにわ」。大阪市ではない大阪府北部の車が「大阪」の文字を使ってるんです。大阪市の車なのに大阪ナンバーを使ってない、という面白い現象が起きてます。

さらにご当地ナンバーができると堺市の車はナンバーが登録できるようになりました。受付は和泉自動車検査登録事務所で行なってます。

つまり。

大阪ナンバー :大阪市以外の大阪府北部。八尾市から北。
なにわナンバー:大阪市。
堺ナンバー  :堺市。
和泉ナンバー :堺市以外の大阪府南部。松原市、藤井寺市から南。

となってます。

兵庫県のナンバープレート事情

兵庫陸運輸支局で登録しても「兵庫」ナンバーにはなりません。「神戸」ナンバーになるんですね。確かに兵庫陸運輸支局は神戸市にあります。
姫路陸運輸支局ができるまでは、兵庫県全体のナンバーは兵庫陸運輸局で登録してました。当時のナンバープレートは「兵」と書かれていました。

でも、1964年に姫路陸運輸支局ができました。兵庫県東部は神戸市にある兵庫陸運輸部が担当。兵庫県西・北部は姫路陸運輸支局の担当するようになりました。そこで「神戸」「姫路」と別れたんですね。

ちなみに、兵庫だけは「兵庫運輸支局」とはよばすに「兵庫陸運部」という名前を使ってます。複雑な経緯があるのですがナンバープレートとは関係ないので省略します。

神戸ナンバー :加東市、西脇市、丹波市から東と淡路島。
姫路ナンバー :加古川市、加西市から西と豊岡市などの北部。

だから神戸ナンバーでも神戸市の車とは限らない。姫路ナンバーでも姫路市の車とはかぎらないんです。

 

近畿他府県のナンバープレート事情

京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県では登録できる役所が都道府県に1か所しかないので陸運輸支局の名前がそのまま使われています。

京都は意外に車が少ない

「京都府は人口が多そうなのに登録する場所が1つでいいの?」って思うかもしれません。でも1つしかないんですね。というのも京都は自動車の登録台数が多くないからなんです。

自動車登録台数はこのようになってます。乗用車(白・黄ナンバー)、業務用(トラック、バス、タクシー等)、特殊用(パトカー、消防車、救急車等)をあわせた数字です。

都道府県 自動車登録台数 人口
京都府 1,343,299 2,605,731
大阪府 3,764,318 8,837,812
兵庫府 3,037,176 5,520,574
滋賀県 1,030,444 1,415,536
奈良県 839,057 1,357,642
和歌山県 757,934 953,924

登録台数は自動車検査登録情報協会のデータより作成。
2017年1月末現在。

人口はwikipediaのデータより作成。
2016年10月1日現在。

京都市の自動車の登録台数は約134万台。滋賀県の3割増し。兵庫県の半分以下。イメージからすると少ないですよね。

他地域の県と比較すると。群馬県(人口196万人)180万台、栃木県(人口196万人)172万台、三重県(人口180万人)151万台、岡山県(人口191万人)154万台よりも少ない。130万台の県は他に熊本県(人口177万人)138万台、鹿児島県(人口163万人)136万台があります。

地方に行くほど自動車が必要だから台数が多くなるのは仕方ないです。それにしても京都は少ないですね。京都府は知名度は高いのですが、知名度ほどには人口は多くないんです。

近畿2府4県の人口一人あたりの自動車登録台数を計算してみました。

都道府県  
京都府 0.52
大阪府 0.43
兵庫府 0.55
滋賀県 0.95
奈良県 0.62
和歌山県 0.79

 

数字が小さいほど人口のわりに車が少ない。数字が大きいほど人口のわりに車が多い。という意味です。

京都は0.52。つまり、府民2人につき1台の車がある。という計算になります。人口の密集した地域ほど人口のわりに車が少ない傾向があります。滋賀県だとほぼ1人1台車を持ってる計算になります。

京都は人が密集しているから車が少ない。道路はあまり発達していない。人口も特別多いわけではない。というわけで京都府内の自動車登録台数は政令指定都市のある都道府県の中では最低レベルなんです。

それならナンバープレートを登録できる場所も一つでいいよね。というのもわります。でも遠方の方は不便かもしれません。

ナンバープレートの疑問から調べてみると意外なことがわかりましたね。

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