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三菱自動車はもういらない?日産の決断理由とは

軽自動車

 

三菱自動車が軽自動車の燃費を偽っていた問題で進展がありました。
日産自動車は軽自動車を自力で生産するという方針を打ち出しました。

日産は被害者だから仕方ないよね。
と大方の人は思うことでしょう。

今回の日産の軽自動車自力開発の発表は素早いものでした。
日産による自社生産の報道がされたのは4月26日。
燃費問題が世間に知られて1カ月もたっていません。

日産は今まで軽自動車を生産してませんでした。
わずか1ヶ月足らずで自社生産への方針転換。
自動車ってそんなに簡単に造れるものなんでしょうか。

 

目次

国内販売台数の4分の1が三菱製という日産の現状

 

「自動車なんだから軽も普通車も同じでしょ」
と思うかもしれません。

実は軽自動車は車としては特殊なものです。
全長3400mm以下、全幅1480mm以下、全高2000mm以下。

現在の日産の普通車で一番小さいマーチの大きさは、
全長3825mm、全幅1665mm。
長さで425mm、幅で185mmも小さいのに、
エンジン排気量以外はほぼ同等の装備が詰まっているのです。
安全性も確保しないといけません。
軽自動車には独特のノウハウがいるのです。

だから日産も最初は自力開発しなかった(できなかった)。

軽自動車の開発は年月とお金がかかります。
しかも利益はコンパクトカーより少ないです。
どのくらい売れるかわからない軽自動車に最初から大金はつぎ込めません。

三菱と開発した軽自動車は
日産にとっては生産台数を稼ぐ大きな柱に成長しました。
日産の年間国内販売台数59万台のうち約15万台が三菱製の軽自動車です。
マーチが大コケし、デイズが売れまくっている。
気が付けば販売台数の4分の1が三菱製という事実。
大きな数字です。

 

軽自動車の自社生産は日産の悲願

 

自動車雑誌をよく読む自動車ファンなら、
こんな内容の記事を読んだことあると思います。
「日産は自力で軽自動車を開発・生産したいと考えている」
2015年の自動車雑誌にはそんな話題が出てました。

でもそうなると生産している三菱自動車にとっては問題です。
日産としても三菱側になかなか共同開発・生産委託の打ち切りは言い出しにくかったでしょう。

でも燃費改ざんの問題がでたことで、言い出しやすくなったと思います。
問題がばれてしまっては三菱自動車は言い訳のしようがありません。

日産は三菱自動車との共同開発によって軽自動車開発に必要なノウハウは得たでしょう。
実現可能と判断できるからこその決定ではないでしょうか。

あとは生産ラインを作るだけです。
日産は神奈川県横須賀市の追浜工場で軽自動車を生産する方針です。
製造ラインの切り替えには1年以上かかるようです。
でもやろうと思えば「出来る」ということです。
つまり自社生産できると判断したから公表したのかもしれません。

自社工場で生産するまでは、三菱以外の車をOEM調達して販売するようです。
すでに交渉は始まっているのでしょう。

日産としてはいずれは自社生産したいと考えていました。
それが前倒しになっただけなのかもしれません。
生産委託を打ち切るタイミングとしては、
これ以上にいい理由はありません。

なにしろ日産は 被害者 なのです。
提携打ち切りを言い出しやすい条件はそろいました。

 

共同開発の経緯

 

日産と三菱自動車の軽自動車共同開発の経緯はこうなります。

2011年6月。日産自動車と三菱自動車は50%ずつ出資して軽自動車の共同する会社NMKVを設立。
2013年6月。NMKVが開発した、デイズ・eKワゴン発売。
2015年10月。次期車種の開発に合意。開発の主導は日産、生産は三菱自動車。
2016月4月。三菱自動車の燃費測定値偽造が発覚。

三菱自動車の測定した燃費の値が実際の測定値と違うと公表したのは日産です。
今までは三菱が測定したけど、新型車の開発のため自分で現行車の燃費測定したら三菱の報告と違ってた。
ということです。
共同開発してたのに、
今までどの程度の性能なのか知らなかったのでしょうか。

トラブルがチャンスに?

 

もちろん三菱自動車のやったことは許されないことです。
日産自動車と三菱自動車にどのような思惑があったのかはわかりません。

売れ筋の車が急に販売停止。
日産の販売現場としては大きな打撃です。

でも日産にとって「自力で軽自動車生産」するいい機会。
後々「日産としてはトラブルをチャンスに変えた」と賞賛されるかもしれない、この問題。

100%日産で生産するかは分かりません。
三菱自動車が下請けのような形になるかもしれません。

我々は三菱自から数多くの車種を調達してきたが、全ての事実がテーブルの上に出そろってから、ビジネスマンらしき決定を下す。 
カルロス・ゴーン日産自動車社長 (出典:読売新聞)

ゴーン社長の頭の中では
さまざまな計算が行われていることでしょう。

世界のビジネスの世界に友達関係は存在しません。
利害関係のみです。

自社の利益を最大限に出すにはどうすればいいか。
あくまでもビジネスライクな判断をするに違いありません。

今後も日産の動向から目が離せませんね。

追伸:
ついに日産が動きました。
逃れられない三菱自動車・ゴーン日産のしたたかな戦略

 

 

 

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