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サリン・VX今でも使われている毒ガスとはどんな物質?

毒

サリン、VXガス。ニュースで毒ガスが報道されることがあります。一般的に毒ガスと言われるものは化学として開発されたものが多くあります。サリンやVXもかつて化学兵器として開発されたものです。

現在は使用は禁止されています。しかし守らない国や組織もあり、いまだに使われることがあります。毒ガスにはどのようなものがあるのでしょうか。

 

目次

毒ガスとは化学兵器

毒ガスは化学兵器のひとつ。戦争に使うために作られた化学物質のことです。古い時代には、亜硫酸ガスや塩素ガスを毒ガスとして使っていました。最近やウィルスを武器としてあつかう生物兵器と一緒にして、生物化学兵器とよばれることもあります。いずれも恐ろしい平気ですが、核に比べると技術的にもコスト的にも難易度が低く、そのわりに広い範囲で多くの人々を殺傷できることから「貧者の核」とよばれることもあります。

国際的には禁止されています

現在、生物化学兵器は国際条約で使用が禁止されています。

1928年。ジュネーブ議定書で、生物化学兵器の使用が禁止されました。しかしこのとき禁止されたのは使用だけ。開発や生産、保有には制限はありませんでした。その結果、新たな化学兵器が登場することになります。

1997年。化学兵器禁止条約によって、使用だけでなく開発、生産、保有が禁止されました。188カ国以上の国が条約に参加しています。しかし北朝鮮は参加していません。

 

化学兵器の種類

化学兵器や毒ガスといってもいろいろな種類があります。

神経ガス

筋肉の動きを妨害します。手足だけでなく内蔵を動かす筋肉も含まれます。毒ガスが体内に入ると神経伝達を邪魔します。体のうごきをコントロールできなくなって麻痺します。瞳孔の収縮、けいれん、失禁などがおこり、呼吸器の筋肉が麻痺して窒息死します。

サリン、タブン、VXなど。

びらん剤

皮膚や呼吸器の表面がただれます。肺の中に体液が溜まり肺水腫になることもあります。呼吸ができなくなって窒息死します。
マスタード、ルイサイトなど。

窒息剤

吸い込むと肺水腫になります。肺は小さな袋の集まりです。肺胞と言います。肺胞の中に体液がたまります。体は体液を出そうとします。それがタンです。体液でできたタンは泡状になって呼吸困難になり窒息死します。
ホスゲン、ジホスゲンなど。

血液剤

肺から血液の中に侵入します。青酸イオン(シアン化イオン)は血液中のヘム鉄と結合して酸素を運ぶことができなくなります。細胞の中に入り込み、細胞が呼吸するのを邪魔します。細胞が死滅し内蔵が破壊されます。
青酸ガス、シアン化塩素など。

 

合法的に使用可能なガス

他にも催涙剤、嘔吐剤などあります。これらの弱いガスは人を殺すためのものではありません。暴徒の動きを止めたり、護身用のものですので禁止の対象にはなっていません。

 

ニュースになった化学兵器

国際的には使用が禁止されている毒ガス・化学兵器ですが守らない国もあります。そのため現代でも化学兵器が使用されることがあります。ニュースになった代表的な化学兵器にはこのようなものがあります。

サリン(SARIN)

1938年にドイツで作られました。世界で2番目に作られた神経ガスです。日本ではオウム真理教が引き起こしたサリン事件で有名になりました。リン化合物の一種です。

神経の働きがうまくいかなくなります。重症の場合は全身けいれんを起こし死亡することもあります。

PAMという解毒剤が開発されています。

地下鉄サリン事件では異臭があったため異臭=毒ガスのイメージがあります。でも、兵器として使用されるサリンには匂いはありません。純度の高い毒ガスは匂いが少なく気づかれにくいのです。オウム真理教のサリンが異臭がしたのは不純物が多かったためだといわれます。

VX

北朝鮮の金正男氏殺害で使われたとされる化学兵器。1950年代にイギリスで開発されました。

他のガスに比べて揮発性が低いため、ガスがばらまかれてもなかなか消えません。分解されにくく、洗っただけではなかなか消えません。化学的に中和する必要があります。神経ガスは呼吸器官から入ることが多いのですが、VXは皮膚からも侵入しやすいガスです。

 

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