想像以上に大変?天皇陛下のお仕事

天皇陛下の譲位の問題が話題になってますね。公務が大変なんじゃないか。といわれています。でもいったいどんな仕事してるのか普通の人はわかりませんよね。

どこかの団体の式典に呼ばれて訪問したり、外国の要人と会ったりする。そのくらいに思ってませんか?もちろんそれだけでもかなりの数をこなしてるみたいです。でもそれだけじゃないんですね。

日経おとなのOFF 2017年 04 月号 という雑誌を読むと宮中の祭祀も大切な仕事だって知りました。今でも宮中行事があるとは思ってましたが、こんなに多いとは知りませんでした。

天皇陛下の公務と宮中行事について紹介します。

スポンサーリンク
スポンサードリンク

天皇陛下のお仕事

国民が知ってる仕事

我々が思い浮かべる天皇陛下の仕事って何でしょうか?
現在決められている天皇の公務にはこのようなものがあります。

国事行為
・総理大臣、大臣、最高裁判所長官の任命。
・国会の招集、衆議院の解散、法律の公布、栄典(勲章や名誉な儀式)の授与
・外国の要人の接受(合ってもてなすこと)

公的行為
・国会開会式の出席。
・国内外への訪問。
・一般参賀、歌会始め、園遊会など

一般に知られているのはこのくらいでしょうか。

天皇陛下の公務回数

では実際にどのくらい公務を行ってるのか。宮内庁発表の資料から見ていきましょう。

国内訪問は平成28年(2016年)、国際親善は28年のデータが公開されていないので平成27年のデータです。

天皇陛下が行った国事行為は次のようになります。この数字に皇后陛下単独や他の皇族の行事は含まれません。

国内訪問(平成28年)

戦没者慰霊
被災地御見舞・復興視察
福祉施設訪問
1回(5日間)
3回(9日間)
1回(1日)
国会開会式出席
日本国際賞授賞式
日本学士院授賞式
日本芸術院授賞式
国際生物学賞授賞式
その他式典
3回
1回
1回
1回
1回
3回
全国植樹祭
国民体育大会
全国豊かな海づくり大会
1回(3日間)
1回(5日間)
1回(3日間)

国際親善(平成27年)

国賓・公賓への対応 41回
外国大使の信任状奉呈式 34回
外国元首との会見 23回
外国大使との引見 105回
ご親書・ご親電 446回
大使ご接見(お茶会) 14回
外国訪問 1回(2日間)

信任状奉呈式=外国大使が任命されて来たときに信任状(この人を大使にしますという書類)を受け取る儀式。同時に前大使の解任状奉呈式も行います。
会見・引見=会ってお話をすること
ご親書・ご親電=外国から来た書簡(手紙)・電報への返事を出した回数。
大使ご接見(お茶会)=赴任してきた大使と会って話をすること。

宮内庁のHPを見れば誰でも知ることができますよ。

公務は最近は減ってきたといわれますがこれだけでもかなり多いと思います。数年前までは企業訪問とか天皇がやる仕事じゃないだろう?と思うようなものまでやってました。

戦後は公的行為が増えているといわれます。戦前は恐れ多くて呼べなかったんでしょうね。でも戦後の”人間宣言”のあと(戦前に比べれば)簡単に呼べるようになったようです。

でもこれだけではありません。
国民の知らない仕事もあるんです。

天皇の仕事は祈ること

現代人の殆どが知らない事実。それは天皇陛下や皇室は祈ることが仕事なんですね。「祈り」って聞くとどう思いますか?

「科学の発達した21世紀に祈りなんて意味がない」
もちろん祈りだけが仕事ではありません。でも一番大切な仕事が祈ることなんです。

宮中の行事は年間20以上あるといわれます。

日経おとなのOFF 2017年 04 月号 によると目的は2つあります。

「作物の豊作を祈ることと」
「国と国民の平和と安定を祈ること」だそうです。

宮中の祭祀はこんなにある

宮内庁のHPにはこれだけの行事が載っています。

 月日  祭儀
1月1日 四方拝、歳旦祭
1月3日 元始祭
1月4日 奏事始
1月7日 昭和天皇祭
1月30日 孝明天皇例祭
2月17日 祈年祭、春季皇霊祭、春季神殿祭
4月3日 神武天皇祭、皇霊殿御神楽
6月16日 香淳皇后例祭
6月30日 節折、大祓
7月30日 明治天皇例祭、秋季皇霊祭、秋季神殿祭
10月17日 神嘗祭
11月23日 新嘗祭
12月中旬 賢所御神楽
12月23日 天長祭
12月25日 大正天皇例祭
12月31日 節折、大祓

宮内庁HPより抜粋

これらの儀式は江戸時代以前の大昔から行われていたもの。武士の時代(主に応仁の乱)になって中断していたものを明治時代に復活させたもの。明治になって作ったものがあります。きっちりと日程が決められたのは明治に作られた”皇室の祭祀(宮中祭祀)に関する法令”ができてからです。

昭和22年にこの法律は廃止されました。でも儀式そのものは当時のまま現在も続いています。法律的な根拠よりも伝統を重視しているからでしょう。そのため政府や学者は「皇室が私的に行ってる」としています。

法的根拠はありませんが宮内庁では”公務など”の一環として紹介しています。天皇陛下も熱心に行っているそうです。

宮中の行事はわからない部分が多いのですが、代表的なものにはこんな行事があります。

新年の祭祀

四方拝(しほうはい)=元旦の行事

1月1日の未明に起床。
桶でお湯をかけて身を清めます。束帯の装束(平安貴族が儀式のときに着るような服)に着替えます。

束帯とはこのような衣装です↓

束帯姿

午前5時半から四方拝という儀式を行います。宮中三殿と同じ敷地に神嘉殿と呼ばれる場所があります。神嘉殿の庭に作られた御拝座で行います。御拝座とは畳を屏風で囲っただけのもの。伊勢神宮のある南西の方角が開いてるそうです。最初に伊勢神宮の方角にお祈りをして、東南西北の順で他の神々にも拝礼(お祈り)します。

庭ということは屋外になりますよね。元旦の未明から屋外でやってたら倒れそうです。さすがに現在の天皇陛下は高齢のために御所で行ってるそうです。

平安時代の初期・嵯峨天皇(在位期間:809~823年)の時代に始まったそうです。道教的な思想ではじまったともいわれます。そのためかつては北斗七星にも拝礼し”○○急々如律令”という呪文(災いを受け止め癒やしにするという内容)も唱えていたようです。明治以降は北斗七星への拝礼と呪文は行われなくなりました。

京都御所で行なっていた頃の四方拝↓

歳旦祭(さいたんさい)=元旦の行事その2

四方拝に続いて宮中三殿で拝礼します。三殿というくらいですからお祈りする場所は三つあります。

賢所:天照大御神を祀る場所。宮中三殿で一番重要な場所。
皇霊殿:初代神武天皇から昭和天皇とその皇后、皇族が祀られている場所。
神殿:八百万の神が祀られている場所。

賢所、皇霊殿、神殿の順に拝礼します。神々、歴代の天皇、皇族の御霊に五穀豊穣と国民の加護をお祈りするそうです。天皇陛下が行ったあとは皇太子殿下も同じことをするそうです。

宮中三殿は板張り、冷暖房、照明はありません。

伊勢神宮など神社でも似たような儀式をやってるところはあるようです。

新嘗祭(にいなめさい)=勤労感謝の日

数多くある宮中行事でももっとも重要だとされる行事です。
飛鳥時代の皇極天皇(在位期間:642~645年)の時代に始まったとされます。応仁の乱で一時中断しましたが江戸時代に復活しました。

神嘉殿に神々を招き、その年の収穫に感謝する儀式です。その年取れた作物や酒で天皇が神々をもてなします。灯火の薄明かりの中、夜6時からと夜11の2回行います。それぞれ2時間かかると言われます。その間、天皇は正座です。夜にするのは夜は神様が活動する時間だと考えられているためです。

長時間正座が続くため、天皇陛下は新嘗祭の1ヶ月前から正座の練習をするそうです。

深夜まで天皇が神々とともにお供え物を食べるという神秘的な儀式とされます。お供え物を食べるということは神の力をいただくという意味もあります。皇太子ですら見ることのできない秘技といわれます。

この儀式が行われる日は戦前は”新嘗祭”という国民の祝日になっていました。現在は”勤労感謝の日”という名前にかわっています。

祈年祭(きねんさい)

新嘗祭と対になる大切な行事とされています。豊作祈願のための儀式です。
新嘗祭が収穫のあとに行うのに対して、祈年祭は田植えの前の時期に行います。作物が実るようにとの願いが込められているようです。

奈良時代の天武天皇(873~886年)には行っているという記録があります。応仁の乱で中断しましたが明治になって復活しました。神社でも行われるようです。

以上紹介したのは代表的なものだけです。
それにしても、正月は朝から重要な儀式をやってるんですね。奈良時代や平安時代のやり方を今でも行ってるようですからなかなか大変な儀式のようです。

想像以上に大変みたいです

以上、天皇陛下の公務と宮中の行事を紹介しました。

これだけの役目をこなすのは大変だと思います。

国事行為の数では今上天皇(現在の天皇)は歴代の天皇よりも多いそうです。親しみやすいのはいいことですが、呼ぶ側も気安く呼ぶようになってるんでしょうね。

天皇陛下が出席しなければいけないのか?と思うような公務もありますし。公務の負担を減らすことは大切だと思います。それでも務められなくなったら交代というのも仕方ないかもしれませんね。

スポンサーリンク
スポンサードリンク
スポンサードリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする