家電メーカーの不振は10年前に決まっていた?

シャープが台湾企業の傘下に入ることが決まりました。

今後はシャープのブランドは残るでしょうが、
技術は流出し経営陣も入れ替わり事実上台湾企業の子会社化が進むでしょう。
シャープが再生すると主張する経済評論家やマスコミがいますが。
ブランドだけが残っても再生といえるのでしょうか。

消費者にしてみればシャープのロゴが付いていれば、
誰が経営してても関係ないのかもしれません。
でも日本企業としてのシャープが終わったのは確かです。

東芝の家電部門が中国企業に売却されます。
三洋電機は解体。白物家電は中国・ハイアールに売却。
パナソニックは潰れそうになって大リストラしましたし。

日本を代表する大企業がどうして?
と思う人はいると思います。

ネット、新聞、雑誌、書籍などで、
なぜ日本の家電産業は衰退してしまったのか?
という記事を目にします。

でも。製造業にいたものからすれば。

「なにを今さら」な感じがします。

シャープだけではないです。
日本を代表する大企業が経営危機になったり、
ブランド力が低下してます。

それも今に始まったことではないです。
日本の企業はいずれ競争力がなるなることは10年前に予想できました。
さすがにここまで落ちぶれるとは思ってませんでしたが。

企業の衰退にはさまざまな原因があります。
経営論や経済論はその筋の専門家にまかせるとして。

ここでは開発にかかわる社員の目から見た、
衰退する会社の特徴について書きます。

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家電メーカーだけが特別じゃない

会社が生き残るためにはどうすべきか。
「利益をあげること」です。
製造業が利益をあげるには「売れる物を作らないといけません」。
売れる物といっても大きく分けて二種類あります。

製品の材料になるものと。
消費者に売るもの(最終製品)です。
実際には資源が最終製品になるまでには何段階もの業者がかかわっています。

原材料メーカー、部品メーカーさまざまな会社があります。
そういった会社でもつぶれたり、再編してます。
でも消費者には見えません。
マスコミもあまり報道しません。

消費者が知ってるのは最終製品を売る会社です。

シャープが特別なわけではないのです。

自動車業界も過去には何度が危機がありましたが、
外資の援助を受けて立ち直りました。
外資といっても欧米の有名メーカーだったので、
消費者目線では「衰退してる」という感覚は少なかったと思います。

マスコミも
「世界的な枠組みの中で再編成される」
というきれいごとで片付けていました。
自動車業界の衰退とは考えてなかったと思います。

現在でもシャープの身売りを好意的にとらえているメディアはめずらしくないです。
日本産業界の衰退ととらえていない。
単なる一企業の再建(これも怪しい)としか思ってない人も多いんじゃないでしょうか。

企業が衰えたのはなぜ

なんで家電メーカーが衰えたと思いますか。

それは「売れる製品が生み出せなくなったから」というのが原因の一つにあると思います。

ここ十年、日本の家電業界は独創的なヒット商品をいくつ開発したと思いますか。

ほとんど出てきません。
過去の製品の改良版ばかりです。

ロボット掃除機はアメリカ・アイボット社が作った「ルンバ」のパクリ。
業界全体でやったので、だれもパクリとはいいません。
「ロボット掃除機」という新ジャンルにしてしまったのです。

サイクロン掃除機はイギリス・ダイソンが日本で売らなければ普及しなかったでしょう。
ハンディ布団掃除機も韓国・レイコップが作ったから注目されたのです。

液晶テレビはヒット商品ですが、意外と古く1980代に発売開始された物。
日本の家電メーカー全盛期の遺産といえます。

独創性のない従来品の改良型なら、新興国のメーカーでも作れます。
日本がかつてそうでした。
そこそこの品質で安ければ、安いほうが売れます。
日本が欧米の企業に対してしてきたことを今やられているだけです。

なぜ意欲的で新ジャンルを開拓できるような
新製品ができなかったのでしょうか。

もともと開拓したことがなかった

意外に思うかも知れませんが、
日本企業が世界に先駆けて商品化して大ヒットさせた製品というのは少ないです。

日本企業は外国企業の製品を真似るところからはじまりました。
欧米企業と同じ物を、安い労働力で作って世界に売っていたのです。
今、アジアの企業が行っているのと同じことをしていたんですね。
その後はひたすら品質を上げていきました。

欧米に追いついてしまうと何をしていいのか分かりません。
自分で新分野を開拓した経験もないし、
そんなことをする気もありません。

なぜ日本からアップル、マイクロソフトのような独創的な会社が生まれないのか。
なぜ、国産のOSがないのか。
(ないことはありませんが普及しませんでした)

日本の制度だけの問題ではありません。
リスクが嫌いな日本人の性質がそうさせるのです。
(リスクという言葉の使い方も?な部分がありますが、機会があればお話します)

企業家や評論家はこういいます。
「新しいものを作るのはリスクが高すぎる、金を出してすでにあるものを取り入ればいいじゃないか」

外国で実績のあるものはよろこんで取り入れるけど、自分達で作ろうとしない。

ビジネスとしてはそれも一つの正解です。
でも、皆がそう考えていたら新しいものは誰が作るのでしょうか。

だから企業活動でも、新しいジャンルを開拓するというのはなかなか進みません。

それでも、
日本の成長期には、
リスクにチャレンジすることを認めるだけの余裕はまだありました。

挑戦しにくい制度の導入

でも、それを許さない雰囲気ができます。

バブル崩壊以降。
経営状態が悪くなると、企業は守りの経営に入ります。
厳しいときに守りの姿勢に入るのは問題ではありません。

問題なのは。

新しいことをやりづらい環境をつくりあげてしまったのです。

企業は人件費を減らすことを考えるようになりました。
それ自体は経営としては当たり前です。
人件費を減らす方法はいくつかあります。
正社員の人件費を合理的?に減らす方法が注目を集めました。

「成果主義制度」です。

一般には、成果を出したものがたくさんの報酬を受け取る制度と思われています。
1990年代。この制度が大企業に導入され始めたときはそのように受けとっていた人が多かったです。

成果主義制度が中堅クラスの企業にも導入されだした2005年ごろ。
僕は成果主義制度の導入を巡って従業員側代表の一員として会社と交渉を行いました。
その課程で制度のしくみや問題点についても勉強しました。
交渉の末、先発企業の失敗も踏まえて導入したつもりでした。
でも問題は残りました。

成果主義とは簡単に言うと。

限られた人件費を差をつけて社員に分配する方法です。

「メリハリを付けて分配」と表現されることもあります。
ごまかされてるような気がします。

「仕事をしないのに歳をとっているというだけで管理職になって高い給料をもらってる」
という中高年サラリーマンに対する若者の不満もあって、当時はこの考えに賛成する人は多かったです。

マスコミもさかんに「成果主義」をもてはやしました。

努力した人が報われる制度。
若くても頑張ったらいい待遇が受けられる制度。
そう考える人が多かったのです。

でもそれは幻想でした。

何が問題だったのか。
長くなったのでこちらの記事に続きます。

日本企業衰退を早めた制度

日本企業の開発力が落ちたわけ

転職・就職活動のお役立ち情報

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