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エビデンスって何?

evidence

「エビデンス」というのを知ってますか?

英語の「evidence」は、証拠、根拠、形跡という意味があります。

日常会話で使うことはありませんよね。

一部の業界では専門用語として使われています。
医療、IT、金融業界などで使われているようです。

普通に「根拠」とか「証拠」といえばいいのですが、横文字を使うとかっこいいと思えるらしく。わざわざ「エビデンス」という言葉を使ってます。

どこの世界でも、日本語でも通じるところをあえて横文字で言う人はいます。
使ってる人は、自分が格好いい、頭いい、偉いと思ってるのでしょう。

そういう人って、追求していくとたいしたことがなかったりするのですが。

エビデンスという言葉をよく使ってると思われる業界の例をあげてみます。

 

目次

業界用語としてのエビデンス

IT業界

作成したプログラムが仕様書や発注どおりに動いたかどうかを、証明するためのもの。検証報告。「あなたに言われたとおりのプログラムやシステムを作りましたよ」という証拠です。

それが転じて「言った」、「言わない」を証明するための証拠という意味にも使われます。普通の業界なら「議事録」にあたります。会話の録音も含まれます。

プログラムを巡る発注でも「言った」「言わない」のトラブルは意外とあるらしいです。デジタルな仕事をしてるわりには意外な気はします。

オフィス

 

僕も社内ネットワークシステムを構築の際には、SEや営業と打ち合わせは何度もやりました。そのときは、こちらの意見を聞いた業者がかなり細かい仕様書を作成してましたので、完成がどんなものになるのか理解できました。完成品が考えていたのと違うなんてトラブルはなかったです。

でも安定可動までには手間がかかりました・・・技術的な問題ですが。

当時は2000年ごろなのでまだIT業界も今より余裕があったころかもしれませんし、業者によっても違うのでしょう。

 

金融業界

 

銀行に融資を依頼に行ったら「エビデンスを作ってください」ということがあるらしいです。

身分証明とかこちらの身元をはっきりさせるための資料なんですけど。確かに専門的な言葉はわかりづらいですが。「身分証明」ですむところをわざわざいいかえる、理由がよくわからないです。

金融業界とはちょっと違いますが、経理の領収書・請求書のことをエビデンスということがあるらしいです。

さすがに製造業ではそこまで言う会社にはまだ出会ってないですが。業界によては使ってるところもあるんでしょうね。

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医療業界

最近では医療関係で使うこともあります。アメリカでは1990年代から使い出したらしいです。

「エビデンス・ベースド・メディシン」
「科学的根拠に基づく医療行為」という意味です。

ある治療法の効果がどのくらいあるのか。何%の確率で治療した実績があるのかを証明するときの基準です。日本では”科学的な根拠に基づく医療行為”と言ったりもします。

医療関係者にやたらと使う人が多いのはそのため。

冷静に考えたら、21世紀の今ごろになって新しい概念みたいに言うなんておかしいのですよね。今までの医学は科学的な根拠はなかったってことですからね。

「治療行為をするんだから、理由があるに決まってるじゃないか」
「いままで何を根拠に患者の治療をしてたんだよ」

と思うかもしれません。

驚くかもしれませんが。医学の世界に科学的な手法でデータに基づいて検討するというのはわりと新しい考え方のようです。それまでは経験とか対処療法的なものが主だったんでしょうね。医者というのは科学者よりは職人に近かったのかもしれません。

evidence

医学も科学だと思っていただけに、ちょっと意外でした。

エビデンスという言葉が最近注目されているのは、代替療法や健康法、サプリメントなどで、効果があるのかないのかよくわからないものが増えてるせいなんでしょうね。

アメリカでは西洋医学と代替療法の対立とかがあったようです。データに基づく医療の重要性が認識されだしたのかもしれません。

というわけで、最近は日本の医学会でも「エビデンス」という言葉を使ってる医者がいますね。

エビデンスを重視するのはいいのですが。
表面的な数字にとらわれて、原因を追究したり深く掘り下げて考えるというのが苦手な医者はたまにみかけます。

 

 

新手の交渉戦術か?

 

業界用語として関係者だけで使ってるならいいのですが。
業界の外や素人相手にこの言葉を使い出すと危ない感じがします。

理解できない専門用語やカタカナ語とで理論武装しているあやしげなコンサルタント業者みたい。

確かに専門的なことを部外者や社外の人に説明するのは難しいです。
僕も説明が難しすぎると言われたことはあります。専門職には意志を研究仲間以外に伝えるのが下手な人は多いようですね。専門職の弊害なのかもしれません。
IT業界でエビデンスが求められているのと、事情が似ているのかもしれませんね。

でも、普段から人間を相手に仕事をしてる人があえて難しい言葉を使う必要があるんでしょうか。相手に意志が通じないと取引やコミュニケーションに支障がでると思うのですが。

交渉

 

もしかすると、交渉テクニックとして使ってるのかもしれません。相手にわからない言葉を使って混乱させ、自分を優位に立たせようとしているのか、あるいは自分は「偉い」と勘違いしているとか。

相手をビジネスパートナーや顧客ではなく、自分より下の立場の人間として考えているのかもしれませんよ。

違う業種の人が「エビデンス」という言葉を使い出したら要注意かもしれません。
あなたを自分のペースにはめようとする罠かも。

 

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