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ゴジラ・キング オブ ザ モンスターズの怪獣たち

ゴジラ

映画「ゴジラ・キング オブ ザ モンスターズ」にはゴジラ以外にも日本生まれの怪獣が登場します。キングギドラ、モスラ、ラドンの人気怪獣がアメリカの映画に登場するのです。ゴジラは過去に2回アメリカで映画化されました。でも登場した怪獣はゴジラとアメリカオリジナルの怪獣です。

キングギドラ、モスラ、ラドンは日本では人気があるので何度も映画に登場しました。その怪獣たちがどのように映画化されたのでしょうか。映画を観た感想とともに紹介します。

目次

怪獣たちの描かれ方

キングギドラはアメリカでもゴジラ最大のライバル

今回の最大の敵はキングギドラ。劇中では「モンスターゼロ」と呼ばれます。ちなみに「モンスターゼロ」は「怪獣大戦争」でX星人が使ったキングギドラの呼び名です。またパンフレットによると「怪獣大戦争」はアメリカでは「GODZILLA vs MONSTER ZERO」という名前で公開されていました。アメリカ人にとってキングギドラ=モンスターゼロらしいです。

劇中では途中で正式に「ギドラ」という名前があたえられます。でも「キングギドラ」とは言いません。どうもこの作品では「キング=ゴジラ」と考えているらしいです。だからむやみに「キング」という言葉は使わないんですね。

このギドラは南極の氷の中で眠っていました。ところが環境テロリストたちによって目覚めてしまいます。

劇中ではギドラは地球の生態系の生き物ではない宇宙から来たことが判明します。それはオキシジェンデストロイヤーがギドラには効かないから。この映画にもオキシジェンデストロイヤーが登場しします。ある範囲の生物を死滅させることができる武器です。でもギドラには効かない。だから地球上の生物ではない。と劇中の科学者は結論づけます。

どうやらギドラは太古の昔に宇宙からやってきてゴジラと覇権を争っていたようです。そしてギドラは地球の生態系を自分の住みやすいように変えようとしている侵略者として描かれます。

このギドラがよく動きます。三本の首がうねうねと動き、すばやく空を飛びます。ぬいぐるみでは絶対できない動きです。アメリカ映画によくある触手ものの動きに似ています。ちょっと首の動きが軽いかなという気はしますが。大きな翼を広げたときのシルエットも格好良いいです。全体としての表現はゴジラ以上の巨大生物らしさが表現されていたと思います。

また憎らしいほど強いのもいいですね。ゴジラも何度がピンチになりなす。やはりゴジラ最大のライバルですからこのくらい強くないと面白くありません。

意外と目立っているラドン

意外と目立っていたのがラドン。ちなみに英語版では「ロダン」と発音してました。

日本版と同じく火山から出てきます。でも阿蘇山ではなくメキシコの火山です。今回は地球規模で怪獣が発生しているという設定です。ちなみに火山から出てきたときのラドンのアップは「空の大怪獣ラドン」でラドンが阿蘇山から出現したシーンに似ています。

ラドンの武器といえば飛ぶときの衝撃波。ラドンが通過した街は壊滅状態。スケールの大きさが違います。

ラドンの大きさは空飛ぶ移動基地アルゴ(B2爆撃機そっくり)の数倍はある巨体。いったい何百メートルあるんでしょうか?空中戦ではF22戦闘機の部隊を全滅させます。ハリウッド映画でここまで弱いアメリカ軍も珍しい。でもゴジラ映画はこうでなくてはいけません。

出現からしばらく強さを見せつけたラドンですがギドラと戦って敗北。ギドラの子分になってしまいます。その後はモスラと戦って致命傷を負って戦線離脱。最後はギドラを倒したゴジラにひれ伏して服従します。このときの小物感は愛嬌があります。登場したときの大物感はどこにもありません。テロップによると最後は火山に戻ったみたいです。

モスラの扱いが酷い

ラドンの活躍とは反対にあまりいいところがないのがモスラ。南洋の島ではなく中国から出現。一応、卵・幼虫・マユ・成虫とオリジナル通りの変態をします。でも見た目がグロテスクなので日本人には受けないと思います。それでも成虫の出現シーンは光があふれていて神々しさが感じられます。「モスラは特別な怪獣なんだな」と思わせる演出がはいってちょっと安心。劇中ではゴジラに味方してギドラ・ラドン組と対決。ラドンに致命傷を追わせます。

ところが最後はピンチのゴジラに代わってギドラと戦いあっけなく消滅してしまいます。怪獣の女王とかいってたわりには見せ場が少ない。ラドンが最後はゴジラに服従して生き残るとは大違い。多分、日本人が見て一番違和感があるのはモスラだと思います。

でもアメリカ人にしてはまだ扱いがマシな方だと思います。キリスト教圏では蛾は不吉な生物ですから。これでも好意的に表現している方でしょう。

ゴジラが怪獣王に

ゴジラ2014でも描かれましたがこの映画のゴジラは核実験で生まれた怪獣ではありません。太古の昔に地球上に君臨した巨大生物です。地球の環境が脅かされると出現します。だから人間の敵にも味方にもなります。ゴジラにとって地球の生態系を脅かすギドラは敵。だから戦います。古代生物という設定ですが放射線をエネルギーとしているのは日本版ゴジラと同じ。

米軍が開発した「オキシジェンデストロイヤー」という名前の爆弾によって致命傷を負って巣にもどって休養します。同名の兵器はゴジラ1554に登場。芹沢博士が開発したゴジラを倒すことにできる唯一の武器です。でも今作では芹沢博士とは関係なく米軍が開発してしまいました。

休養中のゴジラを復活させるために芹沢博士がとった方法は核爆弾を爆発させること。「放射線がエネルギーなら核爆弾を使えばいいじゃないか?」といういかにもアメリカ人らしい発想。で、その犠牲になるのが日本人の芹沢博士。

たぶんこの流れは日本人には納得出来ないかもしれない。

でも禁断の兵器を使ってゴジラを復活させるという「業の深い役目を芹沢博士があえて負うことになった」と考えれば納得出来ないこともありません。アメリカ人にその発想があるかどうかはわかりませんが。

核エネルギーでパワーアップしたゴジラはエネルギーが溢れていて爆発寸前。ゴジラの体が真っ赤に燃える場面は「ゴジラVSデストロイア」を彷彿とさせます。でもこのゴジラはそのエネルギーを発散させて武器にしてギドラを撃退。最後はギドラの首を食べてしまいました。たぶんオキシジェンデストロイヤーはもう効かないでしょう。

巨大感の演出が凄い

ゴジラ2014と今作に共通しているのはCGで描かれる怪獣の巨大感が凄いこと。「何百メートルあるんだ?」というくらい大きいです。下から見上げるシーンが多く巨大感の表現も上手です。この巨大感はぬいぐるみを使って撮影している日本の怪獣映画ではなかなか表現されていません。

それでも「三大怪獣地球最大の決戦」以前の初期のゴジラ映画は見上げるシーンがあったり、遠くにいるときは霞んでいたりしてうまく巨大感を演出していました。低予算で作っていた昭和後期のゴジラ映画はともかく、技術が進化しているはずの平成ゴジラ映画のほうが巨大感の演出が下手なのは不思議です。

なので久々に巨大感あふれる怪獣は新鮮です。何百メートルもある巨大建築物あふれる現代でも怪獣の巨大感は演出できる。というのを改めて思い知らされました。

ぬいぐるみでやっていた頃のゴジラ映画も味があってよかったですが。怪獣の大きさが感じにくいのが難点でした。流石にハリウッド版のゴジラはスケールが違います。

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