新型コロナウイルスの流行でトイレットペーパーが品薄になってるようです。
新型コロナウイルスとトイレットペーパーって関係ないのにどうして品薄になるのか不思議でした。
マスクが品薄になるのはわかります。マスクをしたからといって ウィルス防止に効果があるとは言い切れませんが。あるとないとでは安心感が違います。
でも、トイレットペーパーはコロナウイルスとは関係ないですよね。 どうしてこんなデマが広がるのか不思議でした。オイルショックでトイレットペーパーがなくなったのと同じだと思いました。オイルショックは経験してませんがトイレットペーパーがなくなったと聞きます。些細な理由で大衆心理がひきおこしたパニックだっと聞いています。
今回のトイレットペーパー騒ぎも些細な理由からおきた集団パニックなんだと思ってました。
ところが原因はSNSで広まったデマのようです。
原因はSNS
調べてみると、どうやら間違った情報がSNSで拡散したようです。ある書き込みが原因と言われますが、それだけではないと思います。
SNSでウソを流した人がいると、さらに話に尾ひれがついて大きなウソになります。
SNSは伝言ゲームなのでウソが広まりやすいし、小さなウソが大きなウソになりやすいのです。
テレビや新聞なども品不足を煽っています。マスコミもしょせんは伝言ゲームの一員です。個人がやっているか企業が営利目的でやっているかの違いです。
トイレットペーパーがなくなる噂のパターンはいくつかあります。
・ マスクが品薄になっているのでマスクの増産をしている。するとトイレットペーパーの原料はマスクと同じなのでトイレットペーパーが品薄になる。
・ トイレットペーパーは中国で生産しているので輸入できなくなる。
だからトイレットペーパーが品薄になるというウソがSNSなどに書き込まれ、それが広がったようなのです。
でも待ってください。SNSで拡散している情報は全てウソです。
トイレットペーパーの材料はマスクとは違うし、トイレットペーパーの生産は日本でやってます。
このようなウソが広がった原因はそれだけではないようです。
マスクは紙製品じゃない
どうやらマスクを紙製品と勘違いしている人がいるようです。
ためしに妻にマスクが何でできているか聞いたところ「マスクは紙でできている」という返事がきました。
「ウソだろ・・・」
まさかの返事に驚きました。
マスクの材料とトイレットペーパーの材料は違います。
トイレットペーパーの原材料は紙。
綿でできてる高級マスクはおいといて。ドラッグストアやコンビニで売ってる安いマスクの原材料は合成繊維です。紙ではありません。少なくとも普段目にする使い捨てマスクは石油製品でできているのです。
トイレットペーパーとは関係ない。
たとえば僕が使っているマスクはこれ。アレルギーがあるのでいくつか持っているのです。ドラッグストアで7枚数百円で売ってるやつです。
裏を見てみると原材料が書いてあります。
ユニ・チャーム製マスクは
マスク本体とフィルタ :ポリオレフィン。
耳にかけるヒモ :ポリオレフィンとポリウレタン。
ノーズにあたるクッション :ポリオレフィン。
もうひとつの興和株式会社製は
マスク本体とフィルタ :ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン。
耳にかけるヒモ :ポリエステル、ポリウレタン。
ノーズにあたるクッション :ポリエチレン。
微妙に書き方が違いますが、ポリオレフィンはポリプロピレンやポリエチレンをまとめた言い方です。
犬と表現するかシェパード、柴犬と表現するかの違いです。
ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)は分子の形が違うだけ。どちらも石油から作られる合成樹脂。合成樹脂を繊維にしたのが合成繊維です。
安いマスクは合成繊維でできています。
つまり、マスクの材料は石油製品です。
「いやまて。自分が知らないだけで、世の中で売られているマスクは紙製品のものがあるのかもしれない」
と思って、家族の使っているものも見てみました。
マスク本体 :PP不織布。
耳にかけるヒモ :ポリエステル、ポリウレタン。
鼻にあたるクッション :PE。
製造は中国ですが原材料は石油製品。
PP=ポリプロピレン
PE=ポリエチレンの略です。
不織布とは合成繊維を固めたものです。繊維を使ってますが織ってないので織物とは言えません。そのかわり安く作れるのでよく使われます。
他の製品を見てもどれも合成繊維でした。
マスクの増産でPP不織布などが品薄になることはあるかもしれません。合成繊維の業界は生産量が大きいのでそれだけで品不足になることはないと思いますが。もし影響があるとすれば物流が止まる影響のほうが大きいかもしれません。
でもマスクを増産しても紙製品には影響はありません。
原材料が違うからです。
しかも紙は国産です。
トイレットペーパーは98%国産
日本は何でも輸入している印象があります。
でも紙製品については国産の割合が大きいです。
日本家庭紙工業会によると日本国内で販売されたトイレットペーパーの約98%が国内で生産されたもの。
トイレットペーパーを造る企業が加盟している日本家庭紙工業会も緊急の発表をして消費者に呼びかけています。
また、
エリエールのブランドを持つ大王製紙など有名企業に限れば100%国内生産です。
僕も仕事の関係で紙業界のことはある程度は知ってます。日本国内にはいくつもの製紙会社があってたくさんの工場があります。国内で使われている多くの紙が日本で作られているのです。確かにパルプは輸入物が多いですが。ブラジルや東南アジアなど熱帯地方産が多いです。環境問題もあって日本で使うパルプの多くは植林して育てた木から作られています。
つまり原材料は中国には頼っていないし生産も国内なのです。
あと、紙製品が国産に多い理由のひとつとして。
かさばるのに単価が安い製品は輸入すると国内生産より高くなる。という問題もあります。これは業界の都合ですが。何でも中国から輸入しているわけではないのです。
紙業界も困惑
紙製品を造っている業界団体でも今回の騒ぎには迷惑しているそうです。あるネットニュースにはこのような記事が載っていました。
日本家庭紙工業会によると、2019年に日本国内で販売されたトイレットペーパーの約98%は国内で生産されている。同工業会の担当者は「高額転売が目的でデマを仕掛けられたのでは、と疑いたくなるくらい」と漏らす。
こういったデマに踊らされて、しなくてもいい買い物をしている人が多いようですね。それこそ転売したい人たちの思うツボです。
製紙業界の人がこういうのには事情があります。
トイレットペーパー品薄になる!ガセネタを広めた男がネットで話題
日本家庭紙工業会の人がこの噂を知っていたかはわかりませんが。疑いたくなる気持ちもわかります。
SNSの不確実な情報に惑わされずに、業界団体などが提供する情報な情報を集めてほしいですね。
参考までに製紙会社で作る業界団体のHPを紹介しておきます。
日本製糸連合会
まあ、日本人って平和だから騙されやすいんでしょうね。
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