新しい元号が令和(れいわ)になりました。
英語表記は「Reiwa」頭文字は「R]。
元号は1400年近い歴史がありますが今回はじめて日本の書物から選ばれました。
令和の元になった万葉集の歌と意味を紹介します。
令和の意味
安倍総理の首相談話によると「人々が美しく心を寄せ合って文化が生まれ育ってほしい」という意味が込められているそうです。
出典元に万葉集が選ばれた理由は、1200年前に編纂された日本最古の歌集であり、豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書(日本で書かれた書物)というのもポイントらしいです。
国民一人ひとりが花を咲かせられる世の中になってほしいという想いも込められているようです。
万葉集から選ばれた
今回の元号は中国の古典ではなく万葉集から選ばれました。
万葉集は奈良時代の770年ごろに作られた歌集。今残っているものの中では日本最古。奈良時代までの約350年間につくられた4500もの歌が納められているんですね。詩を作ったのは天皇や公家だけではありません。下級役人や防人、農民の詠んだ歌も入っています。日本が誇る文化的な財産であると同時に、当時の人々の文化や想いを知るこのできる貴重な資料にもなっているんですね。
万葉集、5巻、梅花の歌32首と序文からの引用です。序文そのものは漢文で書かれています。もとになった部分を訳したのがこちら。
「初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして、気淑(きよ)く風和(かぜやわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす」
意味は
「新春のよい月に風はおだやかで、梅は鏡の前の美女が舞う白粉のように咲き、蘭は着飾った衣にただようお香のようによい香りがする」です。
天平2年(730年)の正月13日。太宰府で歌人たちが大伴旅人の家に集まって宴会をしました。そのときに詠んだものです。作者はよく分かっていませんが山上憶良(やまのうえのおくら)ともいわれます。
大伴旅人は公家で歌人。当時の大宰府の長官です。
梅の歌と紹介されることも多いですが、蘭の花を詠んでいるのも特徴です。現代と違って奈良時代の人々が鑑賞していたのは東洋蘭(春蘭)です。万葉人は梅だけでなく蘭も鑑賞していたんです。
梅や蘭は古代に中国から伝わったもの。奈良時代の文化人も親しんでいたようです。新しい文化を取り入れつつ日本的なものに変えていく日本らしさがすでに始まっていたんですね。
令月の意味
令月(れいげつ)とは「何をするにもよい月」「めでたい月」という意味です。
旧暦では正月は「おめでたい」ということで令月とよぶこともあったようです。旧暦の正月は現在の2月になります。ちょうど梅の花がさくころですね。
嘉辰令月(カシンレイゲツ)という熟語もあります。嘉と令はともに「良い」という意味。「辰」は日です。嘉辰はよい日、令月はよい月という意味です。両方合わせておめでたい月日という意味なんですね。
令という字の意味
令和の和は「平和」にも使われるように、やわらぐ、仲良くするという意味があります。
でも令という字はあまり馴染みがありません。
令:音読み:レイ、訓読み:いいつけ、おさ、よい
令という字には「りっぱな」とか「よい」という意味があります。
古代中国で皇帝の命令を「令」と言ったために令=命令と思ってる人がいるかも知れません。でも、もともとは令とは神様の言葉。縁起のいいできごとの意味なんです。
また、偉い人のことを令とよぶこともあります。たとえば県知事にあたるひとを「県令」と言ったりしました。
「令嬢」という言葉があるように人の家族に対する敬称としても使われます。
令和は2019年5月1日から
新元号「令和」は2,019年5月1日から実施です。
4月からではありません。
令和の英語表記は「Reiwa」。RをHに差し替えると「Heiwa」になります。
へいわ=平和。
令和には平和になってほしいという意味もあるのかもしれませんね。
間違えないようにしましょうね
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