NHK大河ドラマ「いだてん」がつまらない!
視聴率が6回目で早くもヒトケタに下落という異常事態です。
2月放送の第6話では関東9.9%、関西8.0%。
以後もずっとヒトケタが続いています。
確かに平清盛や花燃ゆなど過去にはヒトケタの作品もありました。でも4月まではもちこたえていました。たまたま特番があったからという事情もあります。
かつて2019年の大河ドラマが発表された瞬間に「もう終わった」と思いました。ドラマが始まる前に番組紹介で「痛快なドラマです」を連呼していたときには危険な予感はしました。しかし現実はさらにひどかった・・・
NHKは民法ではありません。視聴率が全てではありません。視聴率は低くても国民に知らせるべき内容のある作品ならそれでもいいと思います。
でも「いだてん」は大河でやるほど意義のある作品には思えない。
なぜNHKはこんなにつまらないドラマを作ったのでしょうか?
「いだてん」がつまらない理由
ウケ狙いなのにマイナーという矛盾
「いだてん」は最近の大河ドラマには珍しい明治~昭和のお話。2020年の東京オリンピックにあわせてオリンピックネタをしたいというNHKの意向でこの題材になったようです。日本人初のオリンピック選手と大会を誘致した人々のお話。
でも金栗四三も田畑政治もほとんど知られていません。知名度の低い人物なのは確か。NHKなら「歴史秘話ヒストリア」や「知恵泉」でやった方がよさそうな内容です。ドラマでしたいなら朝ドラや平日や土曜の夜にやってるドラマ向けではなかったでしょうか。
つまり、そもそもの企画が「オリンピックだから」というウケ狙いの安易な発想です。
視聴率を取ろうとウケ狙いのテーマを選んだのに、マイナーだからという矛盾した言い訳は通用しません。
どうせマイナーネタをするなら奈良時代や平安時代の作品を作れば「知名度がないから」という言い訳はできます。
それでも関係者はこのテーマを選びました。難しいのはわかっているはず、だから有名俳優、脚本家を起用して話題性のある作品にしようとしたと思います。
マイナーだからいけない、ということはないと思います。意義があると判断したらそれでも作ればいいと思います。視聴率が低ければスポンサーが離れる民法と違って、NHKは視聴率が低くても1年間続けられます。だから無理に視聴率を狙って変な小細工はしなくてもいいとは思います。しかし内容が伴えばの話です。
ところが「いだてん」ではウケを狙って小細工しすぎました。
策に溺れるわかりづらさ
ドラマがとにかく分かりづらいです。
しかも話が難しい。というのではなく。番組の構成が失敗している。
ドラマは昭和と明治を行ったり来たりします。
中村勘九郎演じる金栗四三の時代と、ビートたけしが演じる落語家が話を演じる時代がいったり来たりする。しかも金栗四三の時代の途中で正体不明の兄ちゃんが出てきて勝手に話を続けてしまうからよけいに混乱します。
金栗四三は日本人初のオリンピック選手ですしスポーツの発展に貢献した人です。でもそれだけでは1年間もたせられないでしょう。だから日本初のオリンピック開催もテーマにした。
でも2つの物語には直接は関連がありません。だから2つのストーリーの橋渡し役が必要になった。だから噺家を出して過去を語ってることにする。という演出意図はわからないでもないです。
でも無駄にビートたけしの場面が長すぎます。くだらない茶番劇なんていらない。シンプルに「語り部」や「狂言回し」に徹すればまだ見やすいかも知れない。
人物が多すぎるのも問題かも知れません。個人的には人物が多くてもストーリーに必要ならかまいませんが。分かりづらいという意見も聞きます。でも必ずしも物語に必要でない人もわりといます。主人公とその周辺だけでは保たせられないから無駄なエピソードを詰め込むことになってしまってるんです。
クドカンだから許される強引さ。無名の脚本家がこれを作ったら叩かれるのは間違いないです。
正直、クドカンも賞味期限が過ぎたように思いますね。過去の名声だけで強引にドラマを進めている感じです。
気持ち悪い
ドラマのロゴマークがとにかく気持ち悪い。3本の足が根本でくっついて風車のようになってる。
ロゴに重なってる足のマークです。
気持ち悪いです。似たようなデザインはヨーロッパ、中東からアジア圏では古くからあります。でも生々しすぎて日本人の感性には合いません。
横尾忠則がデザインしたらしいですが、二流デザイナーが「奇をてらったものがウケる」という間違った発想で作ってしまったかのようです。こんなものが大河ドラマの視聴者に受けると考えるとは。すでに過去の人物になったということですかね。
マークだけでなありません。全体的に奇抜なことをしたらウケると思いこんでるような気がします。ネットならそれでもいいのかも知れません。でも大河ドラマの視聴者にはウケないでしょうね。
物語を作れる人がいない?
確かに大河ドラマは難しいと思います。1話が長いし1年間続きます。今のテレビ業界でこれほど長丁場のドラマがあるでしょうか?最近のドラマは長くて半年(24話)。1クール(12話)の作品なんてザラです。TV曲は長いストーリーが現代人には受けにくいと判断しているからです。娯楽のなかった時代ならともかく、長いドラマを面白く見せ続けるのは難しいと思います。
つまり大河ドラマは作り手に実力がなければ成功しません。短いドラマで視聴率が高くても通用しない。ごまかしが効かないのです。
朝ドラは多少はつまらなくても視聴率はとれます。主婦向けだからそれなりに共感ポイントを押さえ、多少ストーリーが分かりづらくても瞬間、瞬間で面白おかしくすればある程度は視聴率はついてくる。ニュースとあさイチの隙間の15分というのも視聴率をとるには有利。
でも大河ドラマを見る人はわりと年配の方が多いはず。些細なことでも敏感に反応する(芸能関係者はこれをウケていると錯覚する)若い人と違って本当に面白くないと見ようと思わない。
朝ドラと大河ドラマは中高生向けで内容はめちゃくちゃでも面白おかしければ売れるライトノベルと、じっくりストーリを読ませる大人向け小説の作り方の違いに似ています。
短いドラマ若者向けのドラマで数字がとれたからといって大河ドラマで成功するとは限らないんですね。
つまり長編ドラマが不審なのは物語を作れる人間がテレビ業界に減っている。ということなんです。だから他のテレビドラマでも小説や漫画が原作のものが多いんですね。
なぜか「いだてん」に媚びるマスコミ
視聴率が散々な大河ドラマ。というわけでスポーツ新聞やネットニュースでは話題になります。
ところが意外なことにどれを観ても評論家はドラマには好意的なんです。
普通ならNHKのドラマの視聴率が悪かったらここぞとばかりに叩きにきます。でもマスメディアは何故かかばっている。
凝った作りが視聴者には理解できない。
年齢層の高いファンには理解できない。
笑いをちりばめ楽しい内容。
大河と思わなければ楽しい。
もっと視聴率が高くてもいい。
など。ドラマに好意的な意見が並びます。
なぜそこまで「いだてん」をかばうのでしょうか?
なにかおかしい。これは何かあります。
民間のマスコミがNHKをかばう理由はないはずです。
だとしたら芸能関係者をかばっていることになります。
脚本の宮藤官九郎に忖度しているのでしょうか?
中村勘九郎、ビートたけし、役所広司など有名俳優に忖度しているのでしょうか?
芸能界はコネ社会ですから有名俳優や作家のご機嫌を損ねると取材も難しくなるのかもしれません。だからうかつには叩けないですよね。
所詮マスコミといえども商売です。大物を敵に回しては商売できないということなんでしょう。そのかわり落ち目になったら手のひらを返したように叩きますけどね。
受信料を捨てるようなもの
国民の受信料使ってこんな意味のないつまらない番組作って。
いやーテレビ局って楽な仕事ですね。うらやましい。
というか、受信料払ってるのバカバカしくなります。
でもまだドラマも半年以上残っています。どのよう巻き返すのか楽しみです。大河ドラマは楽しみにしてるので大河ドラマの枠そのものが亡くなるような失態だけは勘弁してほしいです。
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