失業したり退職(両方を含めて離職といいます)したら、
失業保険を受け取りたいですよね。
ちなみに失業保険と雇用保険は同じ意味に使われることが多いのですが、 本来、失業保険は雇用保険の一部である基本手当ての事を意味します。
ここでは一般になじみやすい失業保険という言葉で説明していきます。
ところで、
失業保険は職を失ったらだれでも貰えるわけではありません。
貰うための条件をお話します。
離職票がないと失業保険(雇用保険)はもらえない
手元に離職票はありますか?
離職票がなければ失業保険の手続きを始めることは出来ません。
離職票はないし貰う予定もないよという方。 残念ですが失業保険は貰えません。あきらめてください。
というも失業保険は先ほども書いたように「雇用保険」の一部なのです。 雇用保険は働いている人と企業が掛け金を出して、いざというときのために備える保険なのです。
離職票は、雇用保険を払っていた人が保険の加入者でなくなったときに貰える書類です。この人は雇用保険を払っていましたという証明書でもあります。
個人で加入している生命保険や自動車保険も同じですが、 掛け金を払っていない人は保険金を受け取る事ができませんよね。
それと同じです。 会社に勤めていたのに雇用保険に入ってなかったという方は、もうあきらめるしかありません。
次に就職するときは雇用保険のある会社に就職しましょう。
まだある失業保険をもらう条件
では、離職票がある。届く予定だという方。 手続きの話をしますのでこの先を読んでください。
ハローワークの手続きは早いほうがいい
普通は離職日から一週間くらいで離職票が届くので、それまでは健康保険などの手続きをしてください。
なかなか離職票が届かないのならかつて勤めていた会社に連絡して催促してください。会社に連絡してもなかなか取り合ってもらえない方はハローワークに相談したほうがいいです。ハローワークの担当官から会社に話をしてもらえます。
手続きの開始が遅れるとその分、失業保険を受け取り日があとにずれます。
しかし、失業保険を受け取る事ができる期間には次のような制限があります。 原則、離職した日の翌日から1年間。 給付日数が300日の人は1年+30日 給付日数が330日の人は1年+60日 給付日数は後で説明します。
手続き開始日が後れたからと言って、受け取り期間を後にずらすことはできません。
手続きを始めるのはできるだけ早いほうがいいです。
失業保険は仕事を探している人だけが貰える
では、離職票があればだれでも失業保険がもらえるのでしょうか。
いいえ。誰でももらえるわけではありません。
次の条件を満たしている必要があります。
(1)積極的に就職する意志がある。
(2)仕事の出来る状態にある。
(3)まだ仕事が決まっていない。
在職中は雇用保険を支払ってました。 だから離職したら受け取るのは当然だと思ってました。 でも、そうじゃなかったんですよ。 次にその内容についてお話します。
積極的に就職する意志があるか?
あまり知られていませんし、僕も知りませんでしたが。
仕事をしたいけどまだ仕事に就けていない。仕事を探す間の生活資金に困らないように求職者を助けるために出されているのが失業保険なんです。
離職したからと言って必ず貰えるボーナスの様なものではないんですね。
失業保険には「求職者給付」という言い方もあります。 こちらの呼び方の方が失業保険の役割をよく表しています。 でもそんなのお役所の大義名分でしょ。もらう方には関係ないよね。 と、思ってるとあとあと困ることになります。
というのもハローワークはあなたが就職活動をしている事をチェックするからです。ただ登録だけして失業保険をくれるのを待ってるだけでは失業保険はもらえません。
確かにかつては失業保険を貰う条件がゆるい時期がありました。でも、だんだん厳しくなってます。仕事に就く意志がないのに失業保険を貰うためだけにハローワークに登録している人は貰う事ができないようになってきているのです。
という事で、しばらく働かずに休養したいとか、家事に専念するとか、家の仕事をする事になったとか、自分で商売を始めるつもりだとかの場合は就職活動をする必要がないので、失業保険は貰えません。
仕事が出来る状態にあるか?
働く意思はあっても、今現在働けない方は失業保険は貰えません。要するに、会社に来て働いて下さいといわれて「今は出来ません」と答える人には支給してもらえないという事です。
本人の健康状態が悪くて療養中という人や家庭の事情、家族の介護や子育てをしないといけないので今は働けないという人はだめです。 要するにこの制度は働ける人が対象なんですね。
これはハローワークでも聞かれます。「健康状態に問題はありませんか?」って。
このときに、たとえば風邪気味で「今ちょっと具合が悪くて」なんて、ばか正直に答えてはなりません。少しくらいの体の不具合は誰にでもあります。ハローワークの人が知りたいのは就職が決まったときに会社に行って働けるくらいの健康状態かどうかという事です。
どのくらいの健康状態なら仕事が出来るかは、自分がよく分かると思いますので自分の健康状態と相談のうえ申請をしてください。
ただし、病気、怪我、出産、育児、介護で今は働けないけど将来的に働きたいと思ってる方については、就職活動を再開したときに失業保険を貰える制度があります。その場合は遠慮せずにハローワークで相談してください。
就職活動してるのに就職出来ない状態か?
これは、「就職する意志があるか」とかぶってしまう部分がありますが。
失業保険は今現在、就職活動をしている人が対象です。 頑張って仕事を探してるのに仕事が見つからない。 そういう人だけ援助します、とまあこういう意味合いがあると思ってください。
お金だけもらって遊んでる人には渡しませんという事です。
会社を辞めさせられたり辞めた側にも言い分はあると思いますが、そういうルールなので文句を言っても仕方ありません。 それに、仕事をしていて雇用保険を払ってる側からしたら「俺達が払ってる金で遊んで暮らすなよ」と、思うでしょう。
必死に仕事を探してる人からみたら仕事探しをせずにお金だけ貰ってる人は感じ悪いですよね。
ともかく、現実問題として仕事がなければ困るのは自分です。 仕事をしていない期間が長いと就職活動するときに不利になる事もあります。 採用する側としては「就職活動をしていないなんて働く意欲が低いんじゃないか」って思ってしまうらしいです。会社としてもよく働いてくれる人を求めるので就職活動をしていない期間が続くのはまずいです。
ただ、仕事を探す方法はハローワークだけではありません。むしろハローワーク以外のところで 仕事を探す方が多いかもしれません。その辺はハローワークの方でもわかってるらしく、他で就職活動しても就職活動したとして認められるシステムになってま す。
じゃあ、どの程度就職活動すればいいんだ?と思いますよね。
ハローワークの基準では4週間の間に2回以上の具体的な就職活動をしなければならない事になってます。ハローワーク(民間の職業案内所でも可)で就職のた めの相談をしたり、会社の面接に行ったり、職業訓練を受けたりする事です。
求職情報を見てるだけでは失業保険を貰う条件には入りません。
以前はもうちょっ と条件がゆるかったんですけどね。 ただ失業保険が貰えたらいいと思ってる人にとってはきついように思えますが、現実問題として本気で仕事を探してたらこのくらいの活動はしないと職にはありつけないですけどね。
働く意欲はある。手元に離職票が届いた。 それなら失業保険を受け取る手続きを始めにハローワークに行きましょう。
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