七面鳥はトルコ産じゃないのになぜターキーなのか?

七面鳥 社会・経済の話題
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クリスマスの時期になるとチキンがよく売れます。西洋ではもともと七面鳥を食べる習慣があったからなのですが、日本ではチキンが代用されます。

デパートなどに行くと七面鳥の肉は「ターキー」という名前で売ってますね。七面鳥を英語で turkey (ターキー) というからです。でも turkey ってもともとは「トルコの」っていう意味なんです。七面鳥はトルコ原産なのでしょうか?

そしてなぜクリスマスに七面鳥を食べるのでしょうか?

そもそもなぜ七面鳥というのでしょうか?7つの顔をもっているのでしょうか?

七面鳥にまつわる不思議を紹介します。

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七面鳥の謎

なぜ七面の鳥なのか

日本語の七面鳥は、雄鶏の色が変化することから名付けられました。七面鳥のオスは興奮すると顔の皮膚が赤・紫・青に変化します。そのため色が変わる鳥という意味で七面鳥と名付けられました。七色に変わるわけではありません。

七面鳥は北米原産、トルコにはいない

七面鳥は英語で turkey (ターキー)と言います。 お店では七面鳥肉をターキーという名前で売ってることもあります。

でも

トルコ(トルコ共和国)のことも英語でTurkeyといいます。

鳥の名前と国の名前が同じなんておかしいですね。 最初は「トルコから来た鳥」みたいに言われていたのが省略されたのです。

日本でいうと「カボチャ」=「カンボジアから来た瓜」、「ナンキン」=「中国の南京から伝わった瓜」という意味に近いネーミングでしょうか。

ということは七面鳥はトルコの鳥なのでしょうか?

違います。七面鳥は トルコにはいません

七面鳥は中央アメリカ(現在のメキシコ)原産です。

もともと中央アメリカの先住民が家畜化して食べていた鳥でした。

ネイティブアメリカンの家畜だった七面鳥

七面鳥はもともと北米から中央アメリカにいる鳥です。

16世紀。コロンブスがアメリカ大陸を発見してエスパニア人(スペイン人)がアメリカ大陸を植民地にしました。そのときスペイン人はアメリカ大陸の先住民が七面鳥を食べているのを発見。七面鳥をスペインに持ち帰りました。

七面鳥、海を渡りスペインに上陸

七面鳥は大きくて(肉がたくさんある)、成長が早いので食用に便利と公表でした。というわけでスペインでは七面鳥を繁殖させて食べるようになりました。スペイン人はそれまでガチョウを食用にしていましたが。裕福な人達はガチョウのかわりに七面鳥を食べるようになりました。20世紀になると七面鳥は大量に飼育されるようになったので庶民の食べ物になりました。

イギリスでも人気になった七面鳥

16世紀後半。七面鳥はスペインからイギリスに持ち込まれました。肉の多く美味しい七面鳥はイギリスでも好評でした。イギリスでもガチョウに変わって高級な鳥肉として人気が出ました。

イギリスではローストした七面鳥がクリスマスのごちそうになりました。

ホロホロ鳥と勘違い

ところが16世紀にはイギリスには似たような鳥がトルコから輸入されていました。トルコから来たのはホロホロ鳥でした。大きさは違いますが、見た目はなんとなく似ていました。

七面鳥の大きさは100~125cm、体重5~11kg(オスの成鳥)。
ホロホロ鳥の大きさは53~63cm、体重1.1~1.6kg (オスの成鳥) 。
ちなみにホロホロ鳥はアフリカ大陸原産です。トルコを経由してイギリスに来ました。

そこでイギリス人は七面鳥をホロホロ鳥と勘違い。七面鳥を tukey bird =「トルコの鳥」と名付けました。

ホロホロ鳥

現在飼育されている一般的な七面鳥はホロホロ鳥にあまりに似てないと思うかもしれません。でも野生の七面鳥はもっとスマートでホロホロ鳥に似ています。

野生の七面鳥:By Wing-Chi Poon – Own work, CC BY-SA 2.5,

ちなみにホロホロチョウの英語名は guineafowl=「ギニアのニワトリ」です。一応、原産地は理解されたようです。 ホロホロチョウは寒さに弱く臆病なのでイギリスでは七面鳥の方が人気がありました。

ちなみに日本語名の「ホロホロ鳥」は江戸時代にオランダから持ち込まれたとき、オランダ人が 「ポルポラート」と呼んでいたのを日本人が聞いて音を真似て呼んだため。

つまり。
七面鳥は英語でturkey(ターキー)
でも七面鳥はトルコ( Turkey )にはいない。
トルコからイギリスに輸入されたホロホロ鳥と勘違いされた。
そこで七面鳥を英語でトルコを意味するturkey(ターキー)と呼ぶことになった。

北アメリカの七面鳥

北米に移民したヨーロッパ人にとって七面鳥は大切な食料でした。もともと七面鳥は北米原産です。入植したイギリス人にとって北米にいた七面鳥は大切な食料になりました。飢えをしのぐ食料として大切だったのです。

北米大陸に移民したピューリタン(清教徒)は収穫を神に感謝する行事を行うようになりました。それが感謝祭です。感謝祭では祖先の苦労を忘れないため七面鳥が大切な料理として食べられます。

やがて感謝祭はアメリカやカナダの祝日になりました。

アメリカやカナダでは感謝祭は七面鳥の日(Turkeys Day)と呼ばれることもあります。

アメリカ人にとって七面鳥は感謝祭に食べるもの。クリスマスはチキンですませることも多いようです。

国や民族や宗派によっても違うのでキリスト教だからクリスマスに七面鳥を食べるとは限りません。 したがってクリスマスだからといって無理に七面鳥を食べる必要はないともいえます。

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