日銀がマイナス金利を導入することになりました。
それを聞いて
「えっ、うちの貯金の利子がマイナスになっちゃうの?」
と心配する人もいるかもしれません。
テレビでも「マイナスだから悪い影響がでるんじゃないか」
なんていってる人がいましたが。そういう問題ではありません。
実は国会議員でもよく知らないマイナス金利の影響。
マイナス金利とは何でしょうか。
どんな影響があるのかまとめてみました。
マイナス金利ってなに?
日銀ってなに?
日本銀行(日銀)というのは、紙幣を造っているところですが。
もうひとつ役目があります。銀行がお金を預ける場所でもあるんです。
一般の私達は日銀に口座を開いてお金を預けることはできません。
銀行のための銀行が日銀です。
銀行は、私達が預けたお金を使って商売をしています。
その銀行は日銀にきまった金額を預けないといけないという決まりがあります。銀行がつぶれたときのために、ある程度のお金を日銀が預かっているのです。また、銀行と国の決済や銀行同士の決済のためにもこの口座は使われます。
それ以外にも銀行は、あまったお金を日銀にあずけています。日銀に預ければ利子が付くので、銀行はなにもしなくても儲けが出ます。マイナス金利になるまでは0.1%の金利が付いていました。
私達の預金口座に比べるとずいぶんと優遇されています。
マイナス金利になるのは日銀に預けたお金だけ
日銀が決めた金利は、日銀があずかっているお金にだけ適用されます。
民間の銀行は日銀の支持で金利を上げたり下げたりしているわけではありません。銀行が勝手に金利を決めているのです。
つまり。
マイナス金利になるのは、銀行が日銀に預けているお金に対してです。
しかも、マイナス金利になるのは。2月16日から銀行が日銀に預けるお金だけ。今まで日銀に預けていたお金は今までどおり0.1%の金利が付きます。
しかも、2月16日以降に預けたお金でも、限度額以上のお金にだけ-0.1%の金利が付きます。限度額以内なら金利は0になります。
つまり、日銀が銀行に対して
「あまったお金は日銀に預けないで、市場に出せよ」
と言っているのと同じです。
というわけで。
私達が銀行に預けている預金の利息がマイナスになるわけではありません。
マイナス金利の影響は?
では、私達の生活にまったく影響がでないかといえばそうでもありません。
銀行がからんでくるので、さまざまな面で影響がでます。
メリット:ローンや融資の金利が下がる
私達が銀行からお金を借りるときの、金利がさがることが予想されます。すでにいくつかの銀行では金利を下げることが検討されています。
これから住宅ローン、自動車ローンなど銀行からお金をかりることが予定している人には助かります。
既にローンを組んでいる人でも、借り換えをすることで金利負担を減らすことができます。
デメリット:預金の金利が下がる
私達の受けとる利息は銀行のもうけの中から出ています。
銀行は日銀に預ける代わりに利回りの高い国債を買おうとしています。国債へ資金が集中すると銀行の利益が減ると判断したようです。国債は買う人が増えると利息が下がる仕組みになっていま す。
例えば、りそな銀行では2月1日から定期預金の利息を0.05~0.025%に下げました。ソニー銀行では普通預金の利息を0.02%から0.001%に下げました。他の銀行でも利息は下げられています。
すると私達が預けている預金の金利は下がることになります。銀行のもうけの中から私達の利息がでているからです。
でも、ゼロ金利はまだ始まっていないのにすでに銀行は私達の預金口座の利息を下げました。なんだか不公平な感じ。
もっとも、
もともと異常なまでに低い利息でしたからさがってもあんまり実感がないんですけどね。
余った銀行のお金が国債にながれこむと国債の利息が低くなります。国債で運用している投資信託の利益が下がるかもしれません。
お金を増やすなら銀行の預金はあてにはならないというのが改めて感じました。
最近では自分の家でお金を保管する人も増えているようです。
でも、その場合はただお金をおいとくのではなくて金庫とかに入れて防犯対策をしてください。
まとめ
・マイナス金利で、私達の預金の利息がマイナスになることはありません。
・預金の利息が下がります。
・ローンの金利が下がります。
・銀行はお金を増やす場所ではない。
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