5月3日は憲法記念日ですね。
そういえば憲法改正が問題になってます。
でも、憲法の内容を理解している人っているのでしょうか?新聞やテレビでも憲法改正の話題はとりあげられています。でもそこで紹介されているのはマスコミの言い分だけ、具体的に憲法の内容がどうなっているのか紹介されることはありません。
なぜ憲法の内容が紹介されないまま、改正の良し悪しだけが話題になるのでしょうか?憲法の内容を紹介したら問題があるのでしょうか?
そこで今一番問題になってる憲法9条について調べてみました。
すると驚くべきことが書いてあったのです。
憲法第9条の内容
第9条
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
文章が分かりづらいですね。いまいちピンとこないかもしれません。
もうすこしわかりやすく表現するとこうなります。
憲法第9条の現代語訳
第9条
1項
日本国民は世界の平和を求めている。
国と国との問題解決に武力は使わない。
2項
すべての戦力をもたない。
日本は戦ってはならない。
いわゆる「戦争の放棄」というやつです。
いいじゃないか。何が問題なんだ!と思うかもしれません。
自衛隊は憲法違反の存在なのは確実
問題は9条2項です。
陸海空その他の戦力をもたない。ということは、
日本は武器、武器を使う人、それらの人が所属する組織はもたない。
ということです。
でも日本には自衛隊があります。自衛隊は武器を持っています。訓練もしています。ちゃんとした組織です。
つまり、自衛隊は憲法違反の存在 なのです。
つまり憲法上は自衛隊員は存在しないことになるのです。でも現実には存在しています。憲法が国民(自衛隊員も国民です)を差別しているともいます。
憲法の内容を本当に守るのであれば自衛隊は存在すること自体がおかしいことになります。「集団的自衛権」や「専守防衛」も議論すること自体が問題。日本が戦力を持って使うこと自体がいけないのです。
だって、憲法9条の内容を正直に読めばそうなるのですから。だからかつて社会党や共産党が主張した「自衛隊は意見の存在」は正しい。
ここで「自衛隊員に失礼だ」とか「どうやって国民を守るんだ」と怒る方もいるかもしれません。でも、もう少しお付き合いください。
武器を使ってはいけない
憲法には国の交戦権は認めない。
とあります。これは「日本は戦ってはいけない」という意味です。既に武器をもたないことを宣言しました。ご丁寧に「戦ってはいけない」とも書いてます。戦うというと物騒に聞こえるかもしれませんが「武器を使う」も同じ意味です。
だから迎撃ミサイルも撃ってはいけない。弾道ミサイルを撃たれても撃墜してはいけないんです。
まあ、人間の盾みたいな活動ならできることになります。少なくとも武器を使って反撃はできません。
他の国と争ってはいけない
9条1項ではさらにこのようなことも書かれています。
国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。
国と国が争った場合、日本は戦ってはいけない。実際に戦うのだけではなくて威嚇もしてはいけない。永久にしない。という意味です。
つまり、外国が攻めてきても戦ってはいけないという意味です。
確かに日本が攻めていくのはよくないです。でも、外国が絶対に攻めてこないという保証はありません。もし攻撃されても抵抗してはいけないというのが9条なんです。
ISみたいなテロ組織なら国際的に認められた「国」ではありません。テロ組織が相手なら武力は使ってもいいことにはなります。でも2項で戦力をもたないと書いてるので、テロ組織と戦える組織は日本にはいないはずですよね。
無抵抗主義者の理想
つまり世界平和のために日本は戦力を持っていはいけない、戦ってはいけない、他国とあらそってはいけない。というのが日本国憲法の精神です。
たしかに崇高な精神です。でも世界平和のために日本国民が犠牲になる覚悟が必要です。
あなたは外国のために自分の命、家族の命、子供の命、あなたの財産を犠牲にしてもいいと思えるますか?
僕にはできません。やっぱり自分や家族の命や財産のほうが大切です。
ガンジーみたいな無抵抗主義者にはなれません。
でも日本国憲法は「外国から何をされてもひたすら耐えろ、世界平和のために」というガンジーみたいな無抵抗主義を日本国民全体に強制するものなんです。
憲法は国の権力を制限するものと言われています。でも国が守ってくれなければだれが守ってくれるのでしょうか?
民間の武装組織が外国から守ってくれるのでしょうか?その方が物騒ですよね。
スイスみたいに周囲の国が物分りのいい国ばかりならいいです(でもスイスは武装してます)。現実に北方領土や竹島は外国に取られてるし、ぼーっとしてたら尖閣諸島もそのうち取られるんじゃないでしょうか。こんなに物騒な所で無抵抗主義をするなんて危険だと思うのです。
なぜ憲法違反の自衛隊が存在しているのか
なぜ武装することもそれを使うことも禁止しているのに自衛隊が存在するのでしょうか?直接の原因はGHQやアメリカの方針変化が原因です。
根本的には「周辺国を見てみると、非武装で国を守ることはできない」という当たり前の現実に気づいたから戦力を持つことにしたのです。でも9条で戦力を持つことを禁止してるので、口実がいります。
そこで政府は次の条項を自衛隊存在の根拠にしました。
第13条
すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、
公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第73条
内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
1 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
2 外交関係を処理すること。
以下内閣の役割が書かれているが省略
具体的には国を守るためなら武器を使って外国と交戦してもいいとは書いてません。
でも国は国民の命を尊重しなければいけません。外国と揉め事がおきれば対応しなければいけません。というわけで国民の命が危なくないように外国に対応するために自衛隊が存在する。
というかなり強引な理由で存在しているわけです。
これが「憲法の解釈」というわけです。
だから「交戦権」も守るためなら武器を使ってもいいんじゃないか。外国に攻めていかないならいいだろう。というあいまいな理由でぼやかした存在にしてしまう。そうしないと自衛隊が存在できないから。外国から国民を守ることができないからです。
某国のミサイル発射は自然災害と同じ
つまり北朝鮮の弾道ミサイルに対して、迎撃ミサイルを用意するのは「北朝鮮に攻撃する気はありません、もし何かの間違いで落ちてきたら危ないので対処します」という理由。
隕石が落ちてきたり、人工衛星が事故で落下するのと同じ扱いなんですね。
災害や事故と他国の攻撃が同じあつかいとは・・・これが今の憲法の問題点です。
もし北朝鮮が「今から日本を攻撃する、迎撃好意は宣戦布告とみなす」と宣言したら日本はミサイルを撃ち落とすことができません。他国に対する戦闘行為になってしまうからです。日本が他の国と交戦することは認められていませんから。
9条をバカ正直に守ればそうなります。
守るためならいいんだ!というのは詭弁です。それなら最初から「自衛のための戦力を持つ」と書けばいい。
現実には政府は何らかの理由をつけて国内に落下確実なミサイルを撃墜するでしょう。実際に行うのは自衛隊ですが。それはつまり憲法9条を守ってたら日本国民が危ないからです。
政府の苦しい解釈が憲法9条に問題があることの証明です。
誰のための憲法?
日本が攻撃することばかり気にして、日本が攻撃されることは想定しいない。これって日本のためになるのでしょうか?
でも有識者や憲法学者は自衛隊は合憲だとか、憲法改正は問題たと言ってるわけです。学者なのに憲法が理解できないんでしょうね。本当は問題があるのを知ってるけど、ごまかしてるのでしょう。
なんでそこまでして憲法を守るのかはわかりません。日本が自力で守れる普通の国になったら困る国や団体があるのかもしれません。
武装した組織に遭遇して無抵抗や逃げるだけの人々がどうなるかは素人でも分かりますよね。
日本国民全てがイエス・キリストやガンジーの様になれというわけです。
規則を作るだけで国や人の命は守れるのでしょうか?
憲法9条が本当に有効なら、法律で「住人の許可なく家に侵入してはいけない」と書けば世の中からどろぼうはなくなるはずです。家の戸締まりだって必要ないはずです。
でも同じ言葉を話して同じ文化で育った人同士でもそれができないのです。文化や考え方の違う外国の人に日本が勝手に作った文章が通用するでしょうか?
現実に二国間の合意を守らない国がすぐ近くに存在しているのですから。日本が勝手に作った文章が尊重される保証はありません。
別に日本が戦争をする国になれと言ってるわけじゃありませんよ。でも今のままでは無防備すぎると思うのです。問題があるなら変えたほうがいいと思うのです。
憲法改正というとどうしてもパブロフの犬みたいに条件反射的な感情論しかでてこない。日本人って平和な民族だと思います。
でも。
日本国憲法は「平和憲法」なんかじゃありません「無抵抗主義」の憲法でした。
世界平和のためなら日本はどうなってもいい。これが日本国憲法の精神のようです。
誰のための憲法なんだか・・・
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