逆性石鹸って何?実は家庭にもある消毒薬です

逆性石鹸って何でしょうか?
かわった名前ですよね。

石鹸なのに「逆って何?」って思いますよね。

どこかの病院で点滴に入っていたという事件もありましたね。そのせいで一般の人にも逆性石鹸が注目を集めてます。

逆性石鹸とは一口で言うと「消毒薬」なんです。石鹸としての能力は弱いけど、細菌を殺す効果があるんです。だから病院ではよく使われます。家庭用の消毒液にも入ってることがありますよ。

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逆性石鹸とは

逆性石鹸とは、おもに病院や医療関係者が使う石鹸です。界面活性剤としての能力はSDS(ドデシル硫酸ナトリウム、家庭用でよく使われてる界面活性剤)よりも弱いのですが殺菌力が強いという効果があります。

何が逆なのかというと、普通の石鹸が水に溶けると陰イオンになるのに対して、逆性石鹸は陽イオンになります。陰イオンはマイナス(-)の電荷をもっているのに対して、陽イオンはプラス(+)の電荷をもってる。という違いです。

つまり「化学的な性質が普通の石鹸とは逆」ということなので、覚える必要はないです。

界面活性剤としての効果は弱いので「石鹸じゃない」という人もいます。汚れを落とす効果は弱いです。使う目的は「殺菌」に限られます。

石鹸と一緒には使えない

ただし。逆性石鹸という名前なので石鹸と同じなのかと思うかもしれませんが。一緒に使ってはダメです。石鹸が逆性石鹸の性質を中和してしまうんです。中和されると逆性石鹸の効果が弱くなってしまいます。

逆性石鹸の効果

細菌やウイルスの中には陽イオンとくっつきやすいものがあります。そこで細菌を集めて殺すのが逆性石鹸。そんな性質を利用してるんですね。イメージとしては静電気でくっつくのと同じです。

逆性石鹸が効果があるのはこんな菌です。

大腸菌、腸内細菌、サルモネラ菌、ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)、レジオネラ菌など。
骨膜炎、肺炎を起こす菌など多くの細菌に効果があります。

逆性石鹸が効かないものもある

でも、すべての細菌やウィルスに効くわけじゃありません。ウィルスたちにもいろんな性質のものがあるからです。一つの消毒薬では防ぐことはできないんですね。

インフルエンザウィルス、ノロウィルス、結核菌には効きません。

ノロウィルスはアルコールや塩素系のものでないと消毒できないです。インフルエンザウィルスは普通の石鹸と流水で洗い流すことができます。

どんな成分があるの?

医療器具や手を洗うときに使ってる逆性石鹸としては塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムがあります。細菌に付着してたんぱく質を変化させて細菌を殺してしまう効果があります。マキロンなんかの消毒薬にも入ってますね。

ジアミトールは塩化ベンザルコニウム

ジアミトール(ヂアミトール)は塩化ベンザルコニウムの慣用名。つまり商品名みたいなものです。成分は同じなんですね。容器のラベルに「ヂアミトール0.1%水」と書いてあるものもあります。よく使われる逆性石鹸です。

すべての細菌、ウィルスに効くわけではありませんが。広く使われてるようです。インフルエンザやノロウィルスには効きません。

妻が病院勤務してたので聞いてみると。先生からは「消毒液だから使うように」って言われたそうです。名前は特殊ですが病院では普通に使ってるみたいですね。

逆性石鹸の毒性はどうなの?

ふつうの界面活性剤の成分よりも毒性はどうなんでしょうか。

動物試験の結果では、ラットに口からSDSを食べさせた場合、 
LD50=240~304.5mg/kgです。

SDSよりも数字が小さいですね。それだけ少なくても死ぬ可能性が高いということです。

ラットの皮膚に塗ったときは
LD50=930~1560mg/kgでした。
皮膚に付いた時の毒性ではSDSよりも少ないんです。

物によって性質が違うんですね。

家庭にある逆性石鹸

家庭用消毒薬に入ってる塩化ベンゼトニウム

普段あなたが使ってる石鹸の中には逆性石鹸は入っていません。でも消毒薬には入っています。

家庭用の消毒薬にもよく使われてます。
おなじみのマキロンには塩化ベンゼトニウムが入っています。
塩化ベンゼトニウムも逆性石鹸の仲間です。

炎症や化膿を防ぐには効果があるので、傷口の消毒に使うぶんには怖がることはありません。医療用の消毒薬に比べるとかなり弱いです。

お口の洗浄・殺菌用にも使われます

お口の消毒液や薬用歯磨き粉にも入ってるものがあります。
デンタルリンスともいいますね。

有名なのはクリアクリーン。

お口の洗浄だけでなく「消毒」や「歯肉炎予防」をうたってる製品は逆性石鹸を使ってることが多いですね。

クリアクリーン

クリアクリーンは歯磨き粉にも塩化ベンゼトニウムが入ってますね。

もちろん飲み込まなければ大丈夫ですよ。

逆性石鹸を使ってないデンタルリンスは界面活性剤を使ってることも

モンダミンなどの洗浄だけを宣伝してるお口の洗浄剤は逆性石鹸は使わずにSDSなどの界面活性剤を使ってます。デンターシステマはラウロイルサルコシンNaという界面活性剤を使っています。

家庭用として売ってる消毒薬は飲まなければ大丈夫です。

お口の消毒には塩化セチルピリジニウム

塩化セチルピリジニウムも口の炎症や食中毒の原因になる細菌に対して殺菌効果があります。

歯磨き粉、お口の洗浄剤、トローチに入っています。

薬用トローチに入ってます

病院でもらうトローチには塩化セチルピリジニウムが入ってます。スプロールという商品名が付いています。のどの痛みや炎症を防いだり、お口の中を消毒するためです。もちろん、お医者さんの処方箋を守って飲んでください。

歯磨き粉・デンタルリンスにも入ってます

歯磨き粉やデンタルリンスで、「薬用」をうたってるものにはセチルピリジニウムを使ってるものもあります。

有名なのはGUMですね。

歯磨き粉タイプにも入ってます。

チューブに書いてある成分が塩化セチルピリジニウムです。

GUM

塩化セチルピリジニウムの副作用

塩化セチルピリジニウムの毒性はジアミトール(塩化ベンザルコニウム)と同じくらいです。

妊娠3か月の初期の妊婦さんが服用すると3%の割合(292件中9件)で奇形が見つかったという報告があります。これは治療薬として服用した場合です。gumを飲んだというわけじゃありませんよ。塩化セチルピリジニウムそのものを服用したという意味ですからね。間違えないようにしてくださいね。

まとめ

逆性石鹸は殺菌効果があるため、よく使われてます。
病院ではよく使ってる消毒薬です。

家庭用には消毒薬、デンタルリンス、歯磨き粉に使われてます。お口の中を洗うだけならいいのですが、飲み込まないようにしましょう。

逆性石鹸は石鹸で中和できます。皮膚についても洗い流せば問題ありません。

家庭用の物は毒性は弱くなってます。飲んでもすぐに死亡することはありません。
飲み込んだ時は、吐かせて水を飲ませたり水で洗いましょう。吐くのが難しいときは、できるだけ水を飲ませて薄めたあと、お医者さんに診てもらいましょう。

関連記事:界面活性剤に毒性はあるの?どんな物なの?

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