会社を辞める前にしておいたこと。 健康保険についてお話します。 会社に勤めている場合は、会社の加入する健康保険組合に入っているので貴方はなにもする必要はありませんでした。(扶養者の手続きはしなければなりませんが) 会社を辞めて、無職あるいは自営業になると原則として国民健康保険に加入する事になります。その場合は自分で手続きをしなければなりません。 もちろん、手続きは会社を辞めた後で行うことになりますから、退職日がきていないなら手続きをする必要はありません。 でも、退職日までに考えておいたほうがよい事があります。 原則、国民健康保険に加入する事になるのです。 原則ということは例外もあるという事です。
国民健康保険以外の選択肢とは
条件付で今まで入っていた健康保険組合の保険に入り続ける事が可能になるのです。
退職した後も健康保険組合に入り続けることをを「任意継続」と呼びます。 ただし、最長2年間までです。 それを過ぎて無職あるいは自営業者だった場合は、国民健康保険に加入する事になります。
会社に在籍中は保険料は会社と従業員が折半する事になっています。 あなたの口座に振り込まれる給料は既に保険料が差し引かれた後のものなので、 自分で支払ってるという意識は薄いかもしれません。
でも、退職後は全額自分で支払う必要があります。
これは国民健康保険も任意継続も同じです。
会社からもらった保険証は退職時に家族の分も含めて会社に返さないといけません。 あなたの退職と共に会社は健康保険組合からの脱退手続きをとります。 同じ健康保険組合に入るといっても、加入手続きはあなた自身がしないといけないのです。
それでは、任意継続する意味はあるのでしょうか。
健康保険組合任意継続のメリットとは?
人にもよりますが、任意継続すると得する場合があります。 どんな利点があるのかみていきましょう。
あなた自身の保険料が安くなる可能性がある。
国民健康保険は健康保険組合よりも保険料が高くなる事があります。
その理由は二つあります。
(A)健康保険組合によって保険料が違う。
(B)住んでる地域によっても国民健康保険の保険料が違う。
(A)健康保険組合によって違う場合 中小企業の場合、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入していると思います。他にも業種別の健康保険組合、大企業になると独自の健康保険組合があります。 協会けんぽの保険料率は高く、大企業の健康保険組合の保険料は安い傾向があります。協会けんぽだと10%くらいですが、大企業だと保険料率が6%というところもあります。会社と従業員の負担割合は50:50の所が多いですが、大企業の健康保険組合は会社60:従業員40の所もあります。 もしあなた(の会社)が従業員に負担の少ない健康保険組合に入っていたのなら継続するほうが得だといえます。
(B)地域によって違う場合 国民健康保険は国民という名前が付いていますが、運営は地方自治体が行っているので地域によって保険料が違います。
地方自治体(市町村レベル)ごとに保険料の徴収が行われており、その地域で必要な医療費をまかなうために使用されています。
だから、A市とB市で保険料が違うという現象がおこります。 あなたが健康保険料の安い自治体に住んでいれば、国民健康保険にしたほうが安くなるかもしれません。
でも、健康保険組合よりも保険料の安い地方自治体は少ないのが現状です。
地域ごとに保険料の差が出るのは、その地域に住んでいる人たちの構成や地自体の財政事情によります。患者の多い地域が医療費が多く必要となるのは当然ですがそれだけでもありません。高い医療費を必要とする人の割合が多ければ必要となる医療費は多くなります。また、医療設備が充実して高価な医療行為を受ける人の多い病院を抱えるところも医療費が多くかかります。
だから、一概に地方が安いとか都市が高いとかは決め付けられません。
特に安い所と高い所を比較すると年間で20万円近い差が出るとも言われていますので、ばらつきが大きいことは分かると思います。
計算方法の仕組みは日本全国同じなのですが、計算時に使用する所得割率という値が市町村ごとに違うためこのような差がでます。
健康保険料がどの程度になるのかは役所(市役所、区役所、役場)で計算してもらえるので住んでいる場所の役所で聞いてみるとよいでしょう。そのとき、あなたの収入、年齢、家族構成を聞かれます。
退職前でも前の年度の源泉徴収票は持っていると思うのでそれを元に計算してもらってください。前の年度の収入で今の年度の保険料が決まっているので、正確な値が出るはずです。
下記のサイトでも計算できますが、 データが古いこともあるので、おおまかな目安程度に考えてください。
正確に知りたい場合は、役所で聞いてみることをお勧めします。
市町村によっては、役所のホームページで計算方法を載せているところもあります。 任意継続にした場合は、いくらかかるかは会社に問い合わせれば教えてもらえます。
僕の場合、国民健康保険に加入するとひと月に約47000円近くする計算になりました。 (後期高齢者支援分と介護分保険料を含みます。家族は自分を含め二名) それが、任意継続で約35000円になりました。 一月で一万円近い節約になります。
大きな差だと思いませんか? まあ、僕の住んでいる所は保険料の高い市だったのは間違いないですが。
任意継続のメリットはまだあります。 それと共に気をつけなければならない点もあります。 それについてはこちらを見てください。
参考記事:任意継続はどうして得なのか
本日のポイント
・退職日までに健康保険組合の任意継続か国民健康保険に入るか決めておく。 ・国民健康保険の保険料は役所に行けば計算してもらえる。 ・任意継続する場合は会社に聞く。 以上。文也でした。
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