社内の問題点は事件がおきないと外部の人にはわからないんでしょうか?転職や就職を考えてる人にとっては怖いですよね。
大手広告会社電通に強制捜査が入り連日ニュースになってます。電通は1991年に新入社員が自殺した事件があったりせいもあり、労働問題に関心を持ってると電通は以前から問題のある会社という認識はありましたが。周囲の人の意見を聞くと一般の人にとっては「あんなに有名な会社なのに!」と驚くことも多いようです。
ところがそれを知る方法があるんです。口コミサイトを見るのです。「そんなの知ってるよ」と思うかもしれません。それにだれでも自由に書き込めるサイトは誹謗中傷が多くて信憑性が高いとはいえませんよね。
口コミの活用法を間違えると誤った判断をすることもあります。
確かに口コミは100%できる物ではありません。でもその中には十分活用できる情報も入ってます。企業評判口コミが信用できないといわれる理由のひとつは。書き込んだ側と、読む側の解釈の違いから起きるものなんですね。
電通を例にして、どんな口コミがあってどう判断すればいいのか考えてみたいと思います。
転職・就職希望者は知っておきたい口コミの見方
口コミサイト「キャリコネ」を使って電通の口コミをいくつか見てみました。
気になったいくつかを紹介しながら、どんな内容なのか考えてみたいと思います。
営業だと休日出勤も多い。女性の育児しながらの働き方は相当むずかしいと感じる。残業については、会社側で変えていこうという姿勢もみられるが、全く改善されていない。
20代前半 女性 営業
営業の若手社員は残業が多いと答えてる人が多いです。
定時に関してですが、9時30分から17時30分となっておりますが、定時を過ぎてもみなさん仕事をしておりましたし、夜中から朝方まで仕事なんて日常茶飯事ですね。
それで体を壊してしまう方をたくさん見てきました。20代後半女性 財務
財務では暇だと答えてる人もいますが、夜遅くまでやってる人もいるようですね。個人差が大きいようです。
残業は、多い月は100時間という月もあったが、均すと60時間程度。忙しい時期と落ち着いている時期の差が大きく、落ち着いている時は、夜飲みに行くこともできた。
30代前半、男性、マーケティング
平均60時間って多いと思いますが。過労死ラインが80時間ですからね。
一方でこんな意見もあります。
もちろん部署によるのだが、自分の所属していた部署ではほぼ全員が20時迄には帰宅していた。
20代後半 男性 マーケティング
外回りの多い営業に比べるとマーケティングや企画の人は残業が(営業よりは)少ないようです。
部署による格差が大きいですね。
残業時間や休日出勤は人によってばらつきはあるものの、おおむね次のような意見が多かったです。
・クライアント相手の営業職は残業が多い。
・忙しいときとそうでないときの落差が大きい。
・忙しいときは休日出勤、夜中、朝方残業もある。
・部署によっては残業削減に努力している部署もあるが、不熱心な部署もある。
・部長の考え方次第で全く変わってくる。
・いい上司だと休日をとれるし仕事の調整もしてもらえる。
・育児しながらの勤務はしづらい。
書いた人の価値観はあなたの価値観と同じなのか考える
月60~80時間と書いてる人でも「思ったより残業は多くない」と答えてる人もいます。会社全体として1日3、4時間の残業は多くない、当たり前という雰囲気になってるのかもしれませんね。でもそれでも年収500万って残業しなかったらどんな給料なんだって思ってしまいますが、この人は契約社員。正社員なら30代の営業職で800万円と答えてる人もいます。正社員で勤続年数が長くなるとサラリーマンの平均よりは稼いでるようですね。給料がいいのだから忙しくて当たり前という雰囲気はあるかもしれません。
ちゃんと残業代がでてるからいいという口コミも見かけます。でも残業代出るのは当たり前ですし「お金が出てるからいいじゃないか」という雰囲気も長時間労働を助長する原因になってるかもしれませんね。
どんな立場の人が残業が多い?
残業が多いと答えているのは20~30代の社員に多いです。転職を考えてる人の投稿が多いのでその年齢になってしまうという理由はあるかもしれません。若いうちはどんどん仕事をやらされることが多く。できる人は仕事を片付けるとすぐに次の仕事を割り振られるので結局、労働時間が長くなるようです。キャリアを積むとある程度自分の裁量で仕事をさばけるようになる人もいるようです。逆に年配社員があまり働かないという意見もありました。
若い社員が働いて上の人を食わせてるという人もいました。忙しい若手社員からみるとそう思えるのかもしれません。
人事としては70時間の残業を超えるのはまずいと思ってるようです。でも部署によってはそれ以上の残業が当たり前になってる人もいる様です。会社全体には徹底しておらず、部署の責任者次第という傾向があるようですね。
口コミのとらえ方・口コミを見る時の注意
どんな人が書いた口コミなのか確認する
口コミあくまでも個人的な感想を書いてるだけです。年齢、性別、仕事の内容、価値観で大きく変わってくるんですね。同じ会社でも全く別の意見が出るのは当たり前だと思った方がいいです。
どんな立場、条件の人がどう思ってるか?
という部分を確認しないと間違った判断をしてしまいます。口コミの内容も大切ですが、どんな人がそう思ってるかはもっと重要なんですよ。
好意的な口コミが信用できないわけ
肯定的な意見が並んでいても、安心はできません。
電通の口コミを見てると意外なほど「やりがいがある」と答えてる人はいます。全体を見ても夜8時に帰れるなら普通だよね。楽勝だね。という雰囲気があり、忙しさや長時間勤務時代には慣れてる人が多い印象を受けます。つまり会社の社風や雰囲気が長時間労働があたりまえだと、全体として長時間労働に対してネガティヴな口コミが減る傾向がある。ということですね。
もちろん、なじめない人は否定的な意見を書きます。慣れてしまってる人は残業が多くても「やりがいがある」「お金が多くていい」ととらえてしまうんですね。
口コミを見る時はできるだけ大勢の人の口コミを見て、組織としての基準がどのへんにあるのかを見極めるのが重要になります。1日3時間の残業が普通と答えてる人が多ければ、会社そのものが長時間労働に慣れてしまってるのかもしれませんね。そういう会社では「残業が少なくて楽勝です」と書いてあって、あなたの思う「残業の少なさ」とは別物かもしれませんよ。
具体的な数字のある書き込みならまだ判断しやすいですが、「楽だ」「いいですね」「やりがいがあります」といった漠然とした意見はそれだけでは判断つきませんよね。
書いた人の基準がどこにあるのか、想像すること。そうしないとあなたの思ってることと違う場合があります。口コミがあてにならない。という原因のいくらかは、書き手と読み手の価値観の違いによるものだと思います。
最後に
いかがでしたか。確かに口コミはいい加減な情報も多く、すべてを鵜呑みにすることはできません。でも比較的信憑性の高いと思われるサイトも多いので、参考程度には利用してみるのがいいかもしれません。そのときは次のことに気をつけましょう。
・どんな人が口コミを登録したのか確認し、どんな立場の人がどう思てるのか考える。
・書いた人の基準がどこにあるのか考える。
・一部だけを見て判断しない、多くの口コミをみるほど信憑性が高まる。
今回使用した口コミは、転職サイト「キャリコネ」です。口コミを見るためには会員登録が必要です。無料で登録できますが、転職希望者向けなので登録は面倒です。お気軽に登録してください、とは言えませんが他のネット上の口コミよりは信頼性があると思います。
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