運動会のシーズンですね。
運動会は日本独自の習慣といわれることもありますが。本当でしょうか?
外国では運動会はあるのでしょうか?ないのでしょうか?気になったので調べてみました。
欧米では日本に似た運動会はありませんが、スポーツイベントはあるようです。アジアでは運動会があるようですよ。
欧米の運動会
アメリカの運動会
アメリカには日本のような運動会はありません。
アメリカの学校では運動会に似た行事として Sports day(スポーツディ=運動の日)、Field day(フィールドディ=屋外活動の日)があります。
州によって呼び方や内容は違うようです。
ある地域では遠投、サッカーのPK戦、フリースローのような個人競技のみを行っている学校もあります。子供だけが楽しむものなのでで親は見に行かないようです。
ある地域では綱引きや道具を使ったリレー形式のものをしている学校もあります。こちらは子供の行事には両親が見に来るそうです。企業も「子供の行事に参加する」と言えば休みをくれるそうです。さすが家族を大切にする国ですね。さすがに医師とか休みをとれない職業の人もいるのでその子の親はこないようです。
いずれにしても練習がいらない競技ばかりです。拘束時間も短く半日で終ります。
地域によって違いはありますがいずれの場合も
・団体で勝ち負けを競う競技はしない。
・半日で終る。
・練習はしない。
楽しむのが目的なので勝敗にはこだわらないようです。
レクリエーションのひとつとしてやってるのでしょうね。いかにも自由と楽しさを追求するアメリカらしいです。
スポーツイベントはゆるい一方でアメリカの部活動は実力主義です。アメリカでは勉強とスポーツの両立を目指す学校が多く、1シーズンでもいいから団体競技の部活に参加することが義務付けられている学校もあります。スポーツ系の部活は先輩後輩の関係なく優秀なものがレギュラーになるドライな世界。楽しむ場面と勝負の世界をメリハリをつけて分けているのがアメリカです。
イギリスの運動会
イギリスではSports day(スポーツディ=運動の日)という学校行事があります。国としてとくに決まった方針はないので学校によってバラバラです。
おおまかにいうと、スポーツを楽しむイベントしてやってるようです。
イギリスではチームに分かれて競技をします。1年は1年、2年は2年生でチームを作ります。障害物競走、道具を使ったレース、二人三脚、徒競走などがSports dayの競技としてはメジャーなようです。
イギリスなどのヨーロッパのスポーツイベントが日本の運動会のもとになったともいわれます。
1位になったからといって特に表彰はしないようですが、シールなどの景品がもらえる場合もあるようです。
親は観戦には来るようです。一緒にお弁当を食べることはありません。
練習もありません。予行練習はあっさりしたもののようです。午後からの2時間程度でおわるようです。
やはり楽しむことが目的なので時間も手間もかけません。
アメリカに似ていますね。もとになったのが同じ民族なので当然といえば当然かも知れません。
そもそも「体育」という授業そのものが「とりあえずメジャーなスポーツをやって楽しんでる」という程度なので。学校としては運動にはあまり力を入れていないようです。
本格的にスポーツをしたい場合はスポーツに力を入れている学校か地域のクラブに所属するしかないようです。
フランスの運動会
フランスでは運動会はないようです。
いろいろ調べましたが個人主義が中心のフランスでは学校で何かをするとことはないようです。
ただし、一つの種目に絞ってマラソン大会のような行事をする学校はあるようです。こちらも学校によってバラバラ。スポーツに熱心な教師のいるところならやる。といった程度。やらないところはしません。
ドイツの運動会
ドイツにも日本のような運動会はありません。
Sportfest(シュポートフェスト=運動祭)という行事はあります。
いくつかの簡単な競技が用意されていて子どもたちは種目を回ってスタンプをもらいます。
幅跳び、ほうき投げ(やり投げ)、輪投げ、ジャンプなど簡単な個人競技でレクリエーション的な内容のものが多いようです。
昔は競技を行って成績をつけていたようですが、最近では楽しむことを重視しているようです。
アジアの運動会
中国の運動会
中国では幼稚園から大学まで運動会が行われています。
その名も「運動会」。日本でいう運動会とはちょっと違って競技大会に近いです。
幼稚児と大学生では身体能力が違うので行っている競技も違います。
高跳び、幅跳び、三段跳び、投てき種目、短距離走、中距離走など個人競技が多いようです。内容はオリンピック競技にあるようなものが多いようです。
世代によってはダンスや縄跳びが入ることもあります。
メインイベントがリレーなのは日本と似ています。中国の運動会でも最も盛り上がる場面だそうです。
大きな学校では事前に予選を行って本番に出場する選手を決めているそうです。
スポーツができる人のための陸上競技大会が中国の運動会です。
行われる種目は個人競技ですがクラスごとに採点を行い勝敗を決めます。
中国は社会主義国家です。ところが学校教育に「平等」という考えは存在しません。学校では優秀なものが称賛される。向上心を目的に行なうのが当たり前なのです。
運動会には親の参加はありません。親と一緒にお弁当を食べることもなく、生徒達は学校の食堂や買っていたパンや弁当で昼食をとります。
欧米と比べると日本の運動会と似ていますが、学校をあげての競技大会といった趣です。
他にも学校によっては「趣味運動会」が行われることもあります。こちらはレクリエーション目的のイベントです。こちらが中国の運動会として紹介されることもあります。
中国ではスポーツエリートのための競技会とお遊びのイベントの両方が存在するのです。
韓国の運動会
韓国にも運動会はあります。
李氏朝鮮時代は儒教思想の影響で体を動かすことは野蛮なことでした。
しかし日本統治時代に運動会が広まり。現代の韓国社会にも運動会が根付いています。韓国では青組と白組にチームを分けて競います。かつては日本と同じ紅組と白組でしたが、日本を連想させるので青組に変りました。種目は玉転がし、騎馬戦、障害物競走、玉入れ、リレーなど。日本とほぼ同じです。
ただしこうした運動会は”日帝残滓”=日本統治時代の名残ということで最近は違うものになりつつあるようです。
最近ではフラフープやゴルフゲームなどレクリエーション色の強い種目が増え、お遊び大会のようになっているようです。屋台などもでてちょっとしたお祭りのようになってるところもあるようです。
種目は学校によって違いがあるようです。スケジュールを組んで一日に何種目も行なうのは日本の運動会と同じです。
親も観戦するとはできます。ほとんど見に来るの母親です。
昼食は生徒は食堂で食べます。親と一緒には食べません。
台湾の運動会
台湾にも運動会があります。こちらも日本統治時代に始まった習慣です。
運動会は11月に行われることが多いようです。
構内にはチームごとに垂れ幕や看板が設置されお祭りのような雰囲気を盛り上げます。
みんなで整列して入場行進。校長先生や観客に向かってチーム毎に衣装を着てパフォーマンスをします。このために生徒たちは授業時間外に練習するそうです。
綱引き、ダンス、太鼓などの種目があります。日本の運動会よりもゆるくレクリエーション的な種目が多いようです。
しかし父兄リレーやクラス対抗リレーなどリレー種目は充実。運動会終了直前に行なうリレーが最も盛り上がる場面だそうです。
ゆるいとはいっても順位ははっきりつけます。優勝者には金メダルが贈られます。はっきりと優劣をつけるのは中華圏の特徴のようです。
スケジュールはありますが、時間通りに運ぶことはないようです。食事は時間の空いているときに各自でとります。
家族は見に来ますが生徒が家族と一緒に食事をとることはないようです。
リレーや綱引きは運動会の前に予選があります。こちらは中国風かもしれません。
レクレーションの欧米、お祭りのアジア、競技会の中国
以上、おおまかではありますが各国の運動会事情をみてきました。
もちろんここで紹介したのはごく一部です。国の中でも学校や地域によって内容が違うことはあるでしょう。
全体的な傾向としては。
欧米
・レクリエーション的なイベント。
・スポーツや体を動かすことの楽しさを目的にしている。
・準備や練習に時間をかけない。
・長くて半日、2時間で終わる所もある。
・個人競技中心。
中国
・運動会は優劣を競う競技会
・陸上の個人競技中心
・趣味運動会のようにレクリエーション目的でやっている所もある。
韓国・台湾
・日本統治時代の影響で日本に似た運動会をやっている。
・近年の傾向としてはゆるいレクリエーション化している。
・台湾では順位をはっきりつけている。
となります。
地域性があっておもしろいですね。
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