スズキ自動車が脱税。燃費偽装だけじゃなかった

wagonr 社会・経済の話題
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燃費偽装の影響の残るスズキ自動車に新しい問題が見つかりました。
それは「脱税」です。

すでに新聞やテレビで報道されてますが。その手口はどうなってるんでしょうか。報道からわかる範囲では一見するとたいしたことがないように見えるかもしれません。

でも、税金のしくみをわかってるものが見ると、はっきりとごまかしてるとわかるレベルの内容。意外に悪質なのかもしれませんよ。

それにいまだに燃費問題では反省の態度を見せていないスズキ自動車。

今回はスズキ自動車の脱税問題について調べてみました。

 

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スズキ自動車のやった脱税の手口

在庫には税金がかかる

脱税の内容はこうです。

レース用のオートバイの余った部品を経費として処理。
経費にしてしまうと利益が減ります。
利益が減るとそのぶん所得が減るので税金が少なくなります。

税金の計算をするときにはルールがあります。決算日に企業が持っている在庫は材料や部品もふくめて財産扱いになるんですね。

製品を作るには材料を買います。でも買った材料にかかった経費は物が売れるまで経費として計算できないんですね。

(売り上げ)-(経費)=(利益)なので
経費として計上できればその分利益が減ります。
だから税金が減るわけです。

レースで使う部品も同じです。使うまでは経費として計上できないんですね。

だから企業はできるだけ在庫を持たないようにしています。
もちろん利益にならない在庫を抱えるのはお金の流れ(キャッシュフロー)が滞るうえに、管理にかかる費用がかかるから嫌っていうのもあります。が今回の件とは別の話です。

 

在庫の税金を減らすためにしたのは在庫がないことにすること

本来は経費とならないものを経費として挙げてしまって利益を圧縮すれば税金を安くできます。

そこで、スズキがやったのは使ってない部品を使ったことにして、経費でおとしてしまう方法。
このやり方で 3億円 の所得をごまかしたそうです。

それだけじゃありません。
もう一つ経理ミスとして指摘されたものがあります。

税金の計算では外部委託した開発費は開発が終わった段階でまとめて経費として処理します。あとで変更があるかもしれないから終わった段階で申告するのがルールなんですね。でもスズキは費用の一部を先に経費として処理しました。

このやり方で 9億円分 の申告漏れを国税局から指摘されました。

この件でスズキは4億5千万円の追徴課税を払うことになりました。

スズキでは「当局とは見解の相違があったが、指摘に従った」そうです。素直に支払ったんですね。

そんなに問題になることなの?

消費者からだまし取ったわけじゃないし、解釈の違いを認めて払ったんだからいいんじゃないの。と思うかもしれません。

でも、そうでしょうか。個人経営でやってるお店じゃないですから。一部上場企業ならどこまでがルールなのかわかってるはずですよね。そのために企業では税理士を雇って間違いがないようにしてるんです。もちろん企業でもミスすることはありますし、期末と仕入れ・使った時期のタイミングがわるくてリストから漏れてるってことはあります。でも、そんなレベルの額じゃないですよね。

つまり、知っててやってる はずなんですよ。

だから脱税したのはわかってる。素直に「間違い」を認めたことにしておけばまだ罰が緩くて済みます。たいていの企業が当局の指摘には素直に従うのはそのためです。ブランドイメージが傷つく前に素直に認めた方が得だと思います。追徴課税払って次から指摘に従えば許してもらえるんですから。

企業の節税は法律すれすれ

スズキの言い分としては、うちだけじゃないのに・・・って思うかもしれません。確かに他にもやってる企業はあるかもしれません。

それに、企業の側としては節税対策をやり過ぎただけ。という認識ですよね。犯罪してる意識はほとんどないと思います。

そもそもプロの税理士を雇ってるし、何十年も続いてる一流企業がなんでこんな初歩的なミスをするんでしょうか。

それは少しでも税金を減らしたいからなんです。

個人の家庭でも同じなんですが。節税はやりたいですよね。大企業は金額が億単位になることがあります。だから少しでも出ていくお金を減らすために法律すれすれを狙ってやってます。犯罪すれすれのこともやります。もちろん犯罪はしませんよ。普通は。ばれないと思ったらやるかな。

企業と税理士は一心同体

どこの企業もそうだと思いますが税理士には少しでも税金が安くなるように考えさせます。税理士も「こうすれば税金安くなりますよ」ってアピールして。顧客をつなぎとめようとします。税理士にとって企業はお客さんですから。お客さんの希望には答えないと食っていけないという理屈。だから脱税すれすれを狙ってやってる人もいます。

企業から見て雇ってるメリットないな。と思えば税理士はクビです。僕のいた会社でも契約解除になった税理士はいました。上司から聞いた話ですが「あの税理士は無能だ」なんて言われたりして気の毒でしたがそういう世界のようです。

税務署の判断は厳しい

でも、このくらいならばれないだろう。と思っても税務署が判断すると所得隠し、税金逃れと判断できるものが出てくるんです。その結果「当局との見解の相違」が出てくるわけです。

少しでも節約したい側と、少しでも取りたい側の間でせめぎあいがあるんですね。

見解の相違に込められた意味

それに「当局との見解の相違」という表現も開き直り感があります。

たいていの企業は「当局との見解の相違」って言いいますよね。この言葉の裏には「自分たちは脱税しようと思ったわけじゃない。でも当局がそういうから支払っただけだ」という意味です。本心はともかく、自分たちに悪意はなかった。というのを言いたいんですね。でも、どうみても 脱税 ですよね。

 

燃費問題も反省なし

さらに、いまだに燃費偽装についてはユーザーには何の説明もありません。うちは2年前にスズキのスイフトを買いました。前の車も含めたらスズキのディーラーとは10年以上の付き合いがあります。

ディーラーのサービスには満足しています。販売店によって温度差があるようですが、僕の行ってるディーラーは対応もいいので気に入ってます。車もいい車だと思います。だから、僕自身はお詫びや説明がなくても気にはしません。

燃費偽装といっても、三菱と違って意図的に燃費をよく見せようとしたわけじゃない(はず)。正式な測定をすればむしろ燃費の数字は上がってます。このくらいは誤差だし、ユーザーに迷惑はかかってないというのは技術的にはそうだと思います。

燃費の数字にはたいした意味がない

確かに燃費の数字が数%違っても意味はありません。燃費の数字そのもがバーチャルな数字だからです。実際に運転したら全然違います。比較のための目安だから仕方ない部分はあります。

知人の娘さんがワゴンRを買って使ったら平均値は16km/Lだったというので驚いてました。買い物と子供の送り向かいだけなら燃費が悪いのは当然ですよね。燃費は使い方や乗り方で変わってしまう部分が大きいです。軽自動車は特に運転の仕方で燃費が変わります。

今のJC08モード燃費はかつてに比べれば実際に近い数字といわれますが。それでも使い方によってはかなり違ってます。比べる基準を決めないと比較できないので仕方ない部分はあるかもしれません。でもその数字が保証されてるわけじゃないんですね。ある条件ならこうなったというだけです。

燃費の数字は他の車と比較してどっちが高い、低いを比べるだけの目安にしかなりません。

でもメーカーは0.1刻みの数字を宣伝して、消費者にいい車だと信じ込ませていましたよね。それを今更、数%は誤差の範囲 といわれて納得できるでしょうか。

ライバル車より0.1上がっただけで低燃費No.1って宣伝してたのは何だったの?消費者の感覚だとそう思う人はいるかもしれません。

他の会社はルールに従ってるのにコストかけるのが嫌だからといって法律を無視してたこと自体は責められて当然です。

直接ユーザーに迷惑がかかってないから問題ない、で済ませられては納得のいかない人もいるんじゃないでしょうか。だからスズキ以外のメーカーからは「やってることは三菱と同じだ」という指摘があるのは仕方ないと思います。

ユーザーの心が離れていることに気が付かない裸の王様

燃費の偽装といい。今回の脱税といい。スズキ自動車の経営体質の悪さは根が深いかもしれません。儲けをだすためには法律は無視。そんな感じがします。

僕自身は車に問題がなければそれでいいかなとは思ってます。

でも、妻は怒ってます。燃費偽装のあとお詫びの一言でも入った葉書が届くかなと思ってたようです。でもディーラーから届くのは商談会のお知らせだけ。スズキのダイレクトメールを見るたびに妻は「ぜんぜん反省してない」と文句言ってます。さらには脱税の件のあと「次はスズキ以外の車にしよう」と言いだしました。

聞くところによるとディーラーでも新規の客が減ってるようです。確かにスズキ自動車はユーザーに対して誠意を見せようとしてないように見えます。

結局、某会長のいう”貧乏人のための車”を作ってる会社っていうのは。ユーザーはただの消費者。と見下してるのかもしれませんね。

僕自身は今の車はいい車だと思ってるだけにイメージが悪くなるのは残念です。
古い体質は一掃して健全な企業になってほしいです。100万円以上する自動車は一般人にとって安い買い物じゃありません。車を乗ってることに後ろめたさを感じるようなことはしてほしくないですね。

 

以上文也でした。

 

コメント

  1. 40代にもなって恥ずかしいおじさん より:

    他のHPから飛んでまいりました。
    人をけなすような記事ばかりを書くのは、器が小さいと思います。
    自分の意見のみが正しいと思わせるような記事を、大多数が見るインターネットに載せるのは憤慨します 

    • 文也 より:

      こんにちは。けなすつもりではないんですけど。気分を悪くされたのなら申し訳ありません。企業にも問題があるという部分を知ってほしいと思って書いてます。僕としてもスズキ車のユーザーなので車に乗っていて誇れる健全な会社になってほしいと思ってます。

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