陰謀論はなぜ人気がある?陰謀論は人の心を写す鏡

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陰謀論はいつの時代も人気があります。
たしかに「自分の知らないところで何か勝手に決められてるんじゃないか」って。思いませんか?

でも、なんでも陰謀論で片づけていいものか。
ちゃんとした理由があるのに理解できないだけじゃないか。
そう思えることも世の中にはたくさんあります。

苫米地氏の本を読んで陰謀論について考えさせられたので紹介します。

エフィカシーの高い人は「陰謀論」でみない

苫米地英人,”40歳から「差がつく」生き方”,PHP出版

氏の本にはこのように書いてました。

いきなり難しい言葉が出てきちゃいました。
エフィカシーについてはこちらで説明してるのでよかったら見てください。
 →エフィカシー・自己効力感って何?分かりやすく考えてみました

エフィカシーとは簡単にいうと”自分に対する評価”です。

ちょっと意味は違いますが”自信や”、”自尊心”と置き換えてもいいかもしれません。

つまり、
「自信のない人は、陰謀論で考えてしまう」
「自分がダメな奴だと思ってる人ほど、陰謀論で考えてしまう」

となります。

また、視点を変えてみると。
「理解力の低い人は、陰謀論で考えてしまう」

といえるかもしれません。

苫米地氏はエフィカシーと言ってますが、この記事では自尊心や自信に置き換えてお話しします。その方が理解しやすいと思うからです。

 

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なぜ自信・自尊心(エフィカシー)の低い人は陰謀論が好きなのか?

陰謀論=考えた人のレベル

なぜ自尊心の低い人。自身のない人や自分を低く評価してる人は陰謀論が好きなんでしょうか?

「自分は凄い」と思ってる人は他人の悪口をいう必要がありません。他人より優れているから、人を引きずりおろす必要がないからです。心にそれだけ余裕があるんですね。必要のないことをわざわざするのは効率が悪い。メリットがないからですね。

悪口って何でしょうか?悪口にもいろいろあります。自分の劣等感を解消するために他人を攻撃して貶めて優越感に浸る行為も含まれます。

悪口をいうためには他人を自分より劣る存在にします。でも人間は自分の知識・理解力以上のことは理解できません。自分の理解できる範囲で悪いやつにするのです。

自分の理解できる範囲でしか悪事を設定できない。ということは陰謀論は考えた人の知能レベルに合わせたものになってしまいます。

例えば

(自分ならお金があったらネコババする)

だから

あいつは(も)ネコババしてるはずだ。

となるわけです。普通は()内は声には出しません。でも、心のどこかではそう考えてるわけです。

「自分が頭いい」と思うためには世の中の起きていることを自分の理解できる範囲で処理するしかありません。でも、知識や理解力の低い人だとどうしても理解できないことが出てきます。

しかも、理解力が低い人の考える理屈は飛躍してることがよくあります。途中経過がよくわからないままいきなり結論が出てしまう。

「自分はお金が落ちてたらネコババする。だから役人は横領してるはずだ」

という感じに。共通してるのは目の前にお金があるという点だけ。

凡人でもわかる簡単な理由から、いきなり大きな出来事につなげてしまう。そんな傾向があります。

表現方法にもその人が出る

意図的に別の人格を演じてるなら別ですが、普通の人は表現方法も自分の思いつく表現方法しかできません。

「バカ」「アホ」「○ね」って簡単にいう人は、その人自身がその程度の知能しかないということですよね。こういうキーワードはインパクトがあるだけによく売れます(注目を集めます)。だから、こういう見出しを付けて人を集めてる本、ネット、テレビ番組はよくあります。でも、だからといって安易に使うのは、それに頼らないと売れない(注目を集められない)その程度の人たちってことです。そういう人たちが主張する内容もその人たちの知的レベル・モラルに合わせたものになります。

自分の評価が低い人は自分よりも人を貶める必要があります。だから必要以上に過激な表現を使うことがあるんですね。

日本人は自虐的になるのが好きです。
「俺ってオヤジだし」
「平凡なサラリーマンさ」
「恐妻家です」

自虐的な言動は自尊心の低い人がよくやります。

でもそんな人でも心の奥底では自分は偉いと思ってることがあります。

だから。
「俺は騙されないぞ」
「あいつの本心なんかわかってるんだぜ」

と、思ってしまう。

でも理解力が低いと少ない情報や知識の中でしか理由を組み立てられない。理解力をモラルに置き換えても同じです。モラルの低い人は他人もモラルが低いと思ってる。

「自分はのぞき見が好き。だから警察も俺の生活を盗聴してるはずだ」

となるわけです。

つまり自虐的な人は陰謀論が好き。といえるかもしれません。

理解できないことは悪

陰謀論は自分に不都合なことがあったとき「自分の知らないところで他人が悪事を働いてるから」と思うこと。そして「自分は騙されてる。自分は陥れられてる(=自分は被害者)」って思うことなんですね。

 

小さな煩悩を持ったエフィカシーの低い人が自分の視点で見ると、「陰謀」に見えてしまうに過ぎない。

 

本の中には2013年に成立した特定秘密保護法が例に出ています。これも政府の陰謀だといわれる法律です。氏の解釈は「公開しない方が国家の安全のためには都合がよいというだけだ」です。それも事実だと思います。会社同士の交渉だって手の内をばらしたりしません。実際に戦争はおこなってなくても外交、安全保障、経済の世界では常に競争が行われています。世界レベルの競争です。そのために必要なのが特定秘密保護法。別に悪事を隠すための法案じゃないし、外国にも似たような法案はあるんですね。異なる価値観、考え方の人相手に「空気を読め」「察してくれ」「話せばわかる」は通用しません。自分の手の内をばらすことは自殺行為になることもあります。

特定秘密保護法は悪事に利用しようと思えばできないことはないかもしれませんが。そういう発想しかできない人は、その人も、他人をだましてるんでしょうね。

でも人間は自分の理解できないことに不安を感じます。その不安を正当化するために「だれかが悪事を働いてるから」という理屈を作ってしまいます。人間の心理では、理解できないことは”悪”なんです。そう考えることで自分が「納得したつもり」になります。自分の作り上げた理由でも「納得」してしまうと、「そうだよね」と安心してしまうんですね。

現実的にはなんの解決にもなってない。でも頭の中で解決策を考えると漠然とした不安や不満がやわらいでしまう。それは人間の心理なんですね。

陰謀論が出てくるのは人間の自然な心理かもしれません。だから”陰謀論”は古今東西どこでも人気があるんです。

でも、理解できる範囲は人によって違います。

 

知識・地位は関係ない

知識の少ない人、考える力の低い人、客観的な判断力の低い人はどうしても理解できる範囲が狭くなってしまいます。つまり「エフィカシーの低い人」っていうのは、理解力の低い人、知識の少ない人、客観的な判断力が低い人と置き換えることができるかもしれません。

でも。学歴が高い、地位が高い、理解力が高い、知識が多いことと、客観的判断ができる。というは違います。ペーパーテストの点数は良くても理解力、自分で考える力の弱い人はいます。しかも知識のある人、地位の高い人はなかなか人のいうことを認めないから余計に始末が悪い。

だからこういうことが起きるのです。

エフィカシーの低い人の極端な例がテロリズムの発想だ

テロリストというと貧しい人、十分に教育の受けられなかった人のイメージがありませんか?でもテロリストの中には頭のいいとされている人も結構います。

アルカイーダもISもテロ組織のトップはエリートといわれる人。日本赤軍だって学歴の高い人でしたよね。偏った知識だけあっても、考え力が伴ってないから変な結論を出してしまうのでしょう。

だから有名人や地位の高い人が言ってるからといって正しいとは限らないんですね。

 

陰謀論との付き合い方は

世の中に陰謀論はたくさんあります。面白い説もあるし、いい加減だなと思うものもあります。でも、何が起きてるからそう言われるのか。陰謀論が正しいのか。自分の頭で考えることは必要だと思います。

不都合な出来事があっても、なぜそうなっているのか。考えて調べてみると実は自分の知らないことがあった。なんてこともあります。そのためには自分も知識を蓄えて客観的に考える癖をつけないといけません。それは面白いことではないかもしれません。ネットで共感できるものだけ探していた方が心地いいです(だからトランプが当選するんです)。でも、そうしないとだまされないぞ。と思ってたつもりが実はだまされてた。なんてことになってしまうかもしれません。

 

ところで。この本の著者である苫米地氏も他の著書ではけっこう陰謀論めいた主張をしてるんですけどね(笑)。天邪鬼に生きて「ツッパってたら格好いい」みたいに考えてる、中二病おやじかと思ってました。テレビなんかで中高年の男性が「天邪鬼に生きるのがかっこいい」なんて言ってる人がいますが。思春期の反抗期のままで成長が止まってる人に思えることがあります。そんな感覚に似てます。氏は自分を反面教師にしろということなんでしょうか。

それとも苫米地氏が他の著書で書いてることに賛同できない僕が”エフィカシー”の低い人間なんでしょうか。

でも、この本で氏が主張してる部分についてはなかなか面白いと思ったので紹介してみました。

実はこの本を手に取ってパラパラっと見たとき。陰謀論の部分が一番気になったんですよ。それは本の一部分でしかありません。正直、他の部分は読んだ後で「そうかもね」くらいにしか思ってないです。その割には他の記事で紹介しちゃいました。40代の生き方について書いてある記事です。興味があればどうぞ。

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