マツダのデミオが無くなります。
2019年9月12日から発売の新型デミオからデミオの名前が消えました。でも車の販売が中止になるのではありません。名前が変わるのです。
新しい名前は
MAZDA2(マツダ ツー)
正直・・・格好悪い・・・
僕自身はマツダの車は好きです。でもこの名前はダサイ。
確かにヨーロッパや外国ではデミオをMAZDA2の名前で売ってました。だから海外で発売するには問題ありません。
でも国内でこの名前は印象悪い。
もうマツダは終わったな。
と思いました。
なぜそんなことをするのでしょうか?
名前が変わったマツダ車はどれ?
マツダはデミオだけでなく他の車種も名前を変えています。5月発売のアクセラはMAZDA3に、8月発売のアテンザはMAZDA6に名前が変わります。
マツダとしては個々の車の名前ではなく会社のブランド名を広めたいようです。
今年名前がかわる車は以下のとおりです。
デミオ MAZDA2(マツダ・ツー)
アクセラ MAZDA3(マツダ・スリー)
アテンザ MAZDA6(マツダ・シックス)
僕はマツダ車は好きですよ。でもこの名前はちょっと・・・
数字ヒトケタって変。
せめてMAZDA MX-2とかMAZDA X200みたいにできなかったのでしょうか?
なぜこんなことをするのでしょうか?
報道では
「個別の車種や技術ではなくマツダというブランドで選び続けてもらえるなるのが目標」
と発表しています。
ヨーロッパ車みたいにブランドイメージを浸透させたいみたいです。
ベンツやBMWみたいにブランドで買ってほしい。みたいです。
目標が高いのはいいことです。でもちょっと調子に乗りすぎでは?今のマツダがBMWになれると思ってるのでしょうか?
自動車オタクやマツダファンなら、海外ではMAZDA2の名前で売ってるのは知ってます。だから違和感はないかもしれません。もともとマツダ車には熱心なファンがいますから名前を変えても影響は少ないとみているのでしょう。
ブランド戦略の勘違い?
今回名前が変わるのはデミオ、アテンザ、アクセラだけ。CXシリーズはもともとアルファベットと数字だけ。ロードスターは変わりません。
ロードスターの名前が変わらないのは既に定着しているからだそうです。
でもロードスターは海外では MX-5 の名前で売ってます。
マツダが国内でのブランドイメージを上げたいのなら評判のいいロードスターこそMAZDA MX-5にしなければいけないです。
似た例としては日産のスカイラインがあります。日産がインフィニティブランドの認知度をあげようとして旧型スカイラインにインフィニティマークを付けて売りました。
結果は芳しくなかったようです。2019年発売の新型では日産ブランドに戻しました。でもブランド認知度を上げるなら地道な活動が必要です。スカイラインが犠牲になったとしてもインフィニティブランドが売れれば将来的には日産のメリットになるはずです。
逆にそのスカイラインを一度インフィニティブランドで売ったくらいで急にインフィニティの認知度が上がると思ったら考えが甘いです。何世代もかけなければだめでしょう。
トヨタはセルシオやソアラをなくしてレクサスブランドに統一しました。最初はレクサスの知名度はいまひとつでした。でも今では高級車ブランドとしてそれなりに認知されています。確かにレクサスも高級車部門ではドイツ車の牙城は崩せていません。でも日本企業のブランドとしては成功している方だと思います。
マツダもブランドのためならMAZDA MX-5にすべきでした。一時的に売上が落ちてもブランドイメージが上がれば取り返せるはずです。それができないならMAZDAはその程度のブランドということです。
ブランドイメージを上げるフラッグシップモデルがない
ブランドイメージを上げるなら、消費者が憧れるフラッグシップモデルが必要です。ところがマツダにはブランドを代表するフラッグシップモデルがありません。
フラッグシップモデルとはそのメーカーやブランドの象徴になる商品です。
確かに商品ラインナップにはアテンザ(MAZDA6)やCX-8など高額モデルはあります。一部では好評です。でもブランドを牽引する代表モデルとしてのインパクトはありません。価格が一番高いだけの「ハイエンドモデル」に過ぎません。
もっと高級感のあるクラウンやレクサスLSのような高級車。あるいはGT-RやNSXのようなスーパースポーツカー(スーパーカー)がほしいところです。
一般人は買えないけどその車の名前を聞いたらブランドイメージが思い浮かぶ商品が必要です。
そういう車は確かに儲からないでしょう。
企業にとってはやせ我慢です。
でも採算とは別なところでブランドイメージを上げる努力が必要なんです。
もちろん高級車はあまり売れません。商売としては旨味はないかもしれません。それよりは大衆車を作って大量に売るほうが商売としてはラクでしょう。
それが嫌ならMAZDAブランドの印象を良くするために膨大な宣伝広告費を使うかです。アウディはレースに出たりハリウッド映画に車を提供したりしてブランドイメージ向上に熱心ですね。
でもマツダはそれもしないでしょう。
それではいつまでたっても
安くてそこそこのクルマを売るメーカー
のイメージのままです。
大衆車の名前を記号や数字に変えたくらいではブランド価値は上がりません。
家電製品のような売り方では日本の自動車メーカーは終わりです。
RX-7の復活はないのか
マツダには高級車はありません。でもスポーツカーは得意です。かつてマツダにはRX-7というスポーツカーがありました。ル・マン24時間耐久レースで総合優勝しました。ルマンで優勝した日本メーカーは事実上マツダだけです。トヨタも優勝したことがありますが同じクラスにはトヨタしか参加していなかったので完走すれば優勝が決まりという有様でした。もちろん完走するのも難しいレースなのでそれはそれで意義があります。
ともかく、ロータリーエンジンという世界でもマツダしか実用化していない独特な車を発売してファンも多かったのがマツダ車です。現在はスポーツカーが売れないのと燃費や排気ガスの制限でロータリエンジン車そのものが販売中止になりました。
自動車雑誌などを見ると新型ロータリーエンジン車RX-9(仮称)の開発が進んでいると書いてます。モーターショーではコンセプトモデルが発表されることもあります。
でも市販車がいつ発売されるのか?という正式発表はありません。
現在は憶測だけが先走ってますがそれだけファンの期待が高いということ。ブランドイメージを良くするならフラッグシップモデルとしてRX-7かその後継車種を発売するのも必要だと思います。
車の個性がなくなった
マツダの自動車から名前がなくなったら消費者は数字で区別するしかありません。
しかもマツダの車はデザインが皆同じです。たしかに現行デミオ(アクセラとアテンザはその前のモデルから)は個性的なデザインで話題を呼びました。でも個性も続けていれば普通になってきます。
2019年発売のMAZDA2、3、6のデザインは同じ。しかもデザインがデミオ~アクセラの時代から変わっていません。
発売前からマンネリ感漂ってます。
マツダはもとになるデザインのイメージが先にあって、それをもとに個別の車にアレンジする方法で車を造っていました。
そろそろ新しいデザインを発表するときだと思うのですが成功体験があるだけになかなか変えられないのかもしれません。
マツダの車に元気がなくなった?
新型MAZDA2は確かにいい車なのでしょう。
でもモデルチェンジしても代わり映えがしない、車種の区別もつきにくい、ウリになる性能も技術もない。発表時には話題になったSKYACTIVも今となっては車を選ぶポイントにはなりにくい。
しかも値段が高いです。MAZDA2の値段は154万4400~261万9000円。マツダブランドのコンパクトカーにそんなにお金つぎ込めるわけ無いでしょう。
車のことをよく知らない人なら「そんなにお金出すならベンツやBMWの安い車買った方がマシだよね」ってなります。たしかにベンツで一番安いA180でも328万円します。でもマツダとベンツではブランド価値が大違いです。
こうなるとマツダ車ならではのセールスポイントが見当たらないです。いったいどうやって売るつもりなのでしょうか。
マツダに覚悟はあるか
残念ですが今のマツダにはブランドだけで車を買わせる力はありません。
だからこそマツダはブランドで選んでもらえるようにと考えているのでしょう。でも意気込みだけが先走って中身がついていないように思えます。
MAZDA2、3、6の国内販売が先代デミオ~アクセラを上回ることはないでしょう。
売上が下がってもブランドイメージを消費者に定着させるまで数字路線を続けるのでしょうか。
でもマツダは決断したのです。
どんなに赤字を出してもブランドイメージを上げて「MAZDAっていいよね」と国内の消費者の意識が変わるまで頑張って欲しいものです。
なんだかんだ言ってもマツダには頑張って欲しいのです。
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