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和歌山殺傷事件で使われたコルトガバメント・ステアーGBはどんな銃?

m1911

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和歌山県の建設会社で従業員4人が死傷した事件。犯人は立てこもった末、自分の腹を撃って死亡しました。

和歌山県警によると、このとき犯人が持っていた銃は真正拳銃で、種類はコルト・ガバメント マーク4とシュタイヤー(ステアー)GBということです。

聞いたことのない銃ですね。

いったいどんな銃なんでしょうか?気になったので調べてみました。
マニアな知識は必要ないけど、知ってるちょっとだけ自慢できる?ガバメントとステアーGBについて雑学知識を紹介します。

 

目次

真正拳銃って実弾の出る銃

真正拳銃とは、実弾の発射できる拳銃のことです。実銃ともいいます。
ようするに”本物の銃”ってことなんですよ。

銃の世界に真正拳銃という名前のジャンルがあるわけじゃなくて、警察が模造銃(モデルガン)なんかと区別するためにつけてる呼び方なんですね。

外観だけを再現したモデルガンやプラスチックの球を出す遊戯用の銃でも、実弾が発射できると警察が判断したら”実銃”あつかいになるんですよ。本物じゃないのに規制を受けるなんておかしいって言ってる人もいますが。実弾発射できたら危ないですよね。

暴力団から警察が押収した銃の中には、改造して実弾を発射できるようにしたものもあるそうですよ。

実銃を所有するためには届け出がいります。無許可で持ってると「銃刀法違反」になりますよ。

実銃だけど届け出のいらない無可動実銃

似たような言葉に「無可動実銃」っていうのがあります。

これはもともとは実銃なんですが、弾が出ないように中をふさいだり動かないように加工した銃なんです。動かないといっても、外から見える部分には実銃と同じパーツが残ってます。見た目や持ったときの質感は本物と変わらないようです。モデルガンでは満足できない愛好家には持ってる人もいるようです。

 

コルトガバメントって何?

この犯人が使っていたのは「コルトガバメント」という銃らしいです。

こんな形ですね。

これは東京マルイ製のおもちゃの銃の画像ですが。外観は本物と一緒です。

コルトガバメントはアメリカ製の拳銃です。
アメリカ軍のために作られたM1911がもとになってます。
1911年に作られた銃なんですよ。ってことは100年前ですね。もちろん今売られてるのは新しく製造されたやつですが、設計が古いのによく使ってますね。
その後改良されてM1911A1になって、第二次世界大戦後もしばらくはアメリカ軍で使われてました。今は別の銃になってます。

M1911A1の民間用のモデルがコルトガバメント。
”コルト”っていうのは銃を作ってるメーカーの名前。
”ガバメント”っていうのは民間用モデルにつけられた愛称ですね。ガバメントモデル(官給品)という言葉がもとになってるそうです。

犯人が持ってたのはガバメントマーク4っていいます。マーク4っていうのは4番目の改良型って意味です。コルト社が生産してる現行モデルがマーク4。マーク4でも細かいマイナーチェンジがありますが。犯人が使ってたのは何なんかそこまではわかりません。

アメリカ軍ではほとんど使ってないですが、民間では今でも人気があるそうです。

 

ステアーGB(シュタイヤーGB)って何?

ステアーGB18

出典:最新軍用銃事典

 

ステアーGBはオーストリアの銃です。オーストリア軍は第二次大戦後戦後もしばらくはドイツ製のワルサーP38(ルパン三世が使ってる銃ですね)を使ってました。でも古くなったので新しく作ることにしました。そのとき、ステアー社が作ったのがステアーGBです。でもオーストリア軍が採用したのはライバルメーカーの作ったグロック17でした。

ステアー社のGBは採用してもらえませんでしたが、せっかく作ったのでステアーGB18という名前で一般に販売することにしました。オーストリア以外の国でも販売されましたが、人気はなかったようです。結局1988年に製造中止になりました。

扱いは難しいものの、命中率が高い、撃った時の反動が低いなどの理由で一部の愛好家の間では高い評価を受けています。

 

45口径って何?強いの?

ガバメントは45口径の銃です。ステアーGBは38口径。
45口径というのは。
弾の直径が0.45インチ(11.5mm)。
38口径は0.38インチ(9mm)という意味です。

自衛隊も含めて世界では38口径が主流になってますが。アメリカ人は大きな弾が好きなので人気があります。

弾が大きいとそれだけ威力が高いんですね。あたった時の衝撃も強いから致命傷じゃなくても相手はよろけたり倒れてしまうようです。

でも、38口径は弾の飛ぶスピードが速いんです。結果的には38口径の銃は遠くまで飛ぶし、物に当った時は中までめり込んじゃう(貫通力があるといいます)。小さくても威力が高いじゃないか。ということで世界中で使われてます。

それに弾が小さいということは銃そのもの小さくてすみます。それも世界中で普及している理由ですね。

ガバメントは警察の銃と何が違う?

 

自衛隊や警察でも一時期アメリカのお下がりを使ってました。でも日本人には重すぎる。ということでなくなりました。警察は安全性を重視してリボルバーにかえたようです。

なんで警察はガバメントをやめたんでしょう?

現在警察が持ってる銃はこんなかんじ。
S&W M360J という銃です。
警察が使うので”SAKURA”という愛称がついてます。

真ん中に筒があってその中に弾が入ってます。

下の銃だと銀色の筒の部分(シリンダー)が弾が入ってるところ。
リボルバーって言います。

よくドラマやアニメで銃を撃ったあと弾いれてるやつですね。

ガバメントに比べるとおもちゃみたいだと思いませんか?
いや、おもちゃの写真なんですけどね。それはさておき。

リボルバー式の銃は弾がシリンダーの中に入ってます。
一発弾を撃った後、シリンダーを回転させないと次の弾が撃てないんです。
時間がかかります。連続して打つのが難しいんですね。

それに対してガバメントやステアーBGは自動拳銃といいます。
ガバメントは7初の弾がこんなケースに入ってます。
ステアーGBは弾が小さいので18発も入ってます。38口径の銃の中でも弾が多い方です。犯人が選んだのはそのせいかもしれませんね。

自動拳銃は一発撃っても、ところてん式に弾がどんどん出てきます。

しかもマガジンはワンタッチで交換できるので簡単に弾の補充ができるんですね。

自動拳銃は次々に弾が出るので打ち合いになると有利なんです。
日本の警察ではそこまでいらないし、扱いが難しくて暴発事故もあったので使われなくなりました。

それにしても、ガバメントのように軍隊が使ってたような銃でもアメリカでは民間で売ってるんですね。日本では考えられません。
犯人がどうやって手に入れたかは今後の捜査でわかるんでしょうけど。

こんなものを使って犯罪を起こしてるとはおどきました。

 

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