MENU

たった1日でミョウバンの結晶を作る方法!自由研究におすすめ

子供の頃ミョウバンで結晶を作ったことはありませんか?小学校や中学校の理科でやったような気がしますね。久しぶりにミョウバンの結晶を作ってみることにしました。夏休みの自由研究にもちょうどいいですよ。

普通、結晶を作るときは何日もかけて作りますが。今回は数日で作る方法を紹介します。1日でも2cm程度の結晶が出来ます。

そのぶんちょっと形がきれいではありませんけれど、大きさと早さで勝負です。

 

目次

家庭でできるミョウバンの結晶作り

ミョウバンって何?

用意するのはミョウバンです。

ミョウバンって、スーパーで売ってるんですね。

ミョウバン

ミョウバンにもいろいろな種類があります。カリウムミョウバン、ナトリウムミョウバン、鉄ミョウバン、アンモニウムミョウバン。何種類もある化合物のグループのことなんですね。化学的には「硫酸アルミニウム◯◯」という名前が付いてます。

家庭で手に入りやすいのは「焼ミョウバン」です。

焼ミョウバンの化学的な名前は「無水硫酸アルミニウムアンモニウム」。硫酸と付いてますが、実験とかで使う”硫酸”ではありません。単独の「硫酸」と、名前の一部に入ってる「硫酸」は別物だと思って下さい。

理科の実験で使うのは「硫酸アルミニウムカリウム十二水和物」が多いと思います。焼きミョウバンよりもこちらの方が水に溶けやすいです。

焼きミョウバンはナスの漬物作りに使うようですね。ミョウバンはアントシアニンを壊れにくくする働きがあるようです。ナスの皮の紫はアントシアニンの色。だから漬物作ではナスの色をよくしたいときに入れます。アク抜きにも使うようですね。

焼ミョウバンは普通のミョウバンよりもちょっと水に溶けにくいです。でも時間をかければ溶けるので結晶作りにも使えますよ。

ミョウバンは英語で「alum」アルムといいます。金属のアルミニウムはミョウバンに含まれることから付いた名前なんですよ。alumの方が先なんですね。

 

ミョウバン結晶の作り方

用意するもの。

・耐熱性のガラス容器。200ml以上入るもの。
・糸。
・割り箸か細い棒、厚紙でもいいです。
・鍋

 

いきなり結晶を作る前に、種結晶を作ります。

種結晶はなぜ必要?

まずは、結晶を作る前に種結晶(たねけっしょう)をつくります。

種結晶とは、結晶のもとになる小さな結晶のことです。分子が集まって結晶になるとき、分子は仲間がいると仲間と一緒になろうとします。だから予めミョウバンのかけらをいれておくと、そのかけらのまわりに分子が集まってくるのです。

種結晶は結晶が出来るためのきっかけなんです。

小さな雪の玉が、雪だるま式に大きくなるかんじです。

きれいな結晶ができるかどうかは種結晶作りにかかっているといってもいいくらいです。とても大切ですよ。

容器の準備

耐熱性のガラス容器に水を100ml入れます。
結晶が成長するのを見るためには透明なガラス容器がいいです。熱湯を使うので耐熱性のガラスにします。

結晶が出来たらそれでいい。成長しているのは見えなくていい。というのなら陶磁器や金属の容器でもいいです。でもせっかく作るのですから成長している様子を見たいですよね。

できるだけきれいな容器を用意して下さい。汚れやホコリがついているとホコリのまわりにミョウバンが集まっていらない結晶ができてしまうからです。

ミョウバン水作り

焼ミョウバンを15g入れて溶かしてミョウバン水をつくります。

根気よく溶かせばミョウバンは20gでも溶けます。でもミョウバンは溶かすのに時間がかかります。それにミョウバンは温度が下がると急に結晶がでることがあります。ミョウバン水が濃すぎるときれいに出来ないんですね。慣れてない人はめいっぱい溶かさないほうがいいですよ。

塩の結晶をつくるときは飽和食塩水をつくります。飽和食塩水とは「これ以上とけない」というまで塩を溶かした水です。

でもミョウバンで飽和した水を作るのはけっこう大変です。

理屈では、15gの焼ミョウバンを根気よくかき混ぜれば60℃のお湯でも溶けます。でも1時間以上かかります。

そこで溶かす時間を短くするために湯煎で温めながら溶かします。

 

・鍋に水を入れます。
・ミョウバン水の入ったガラス容器を鍋に入れます。
 火傷しないように気をつけてください。
 鍋の水の量はミョウバン水の水面くらいがベスト。少ないと溶けるのに時間がかかります。多すぎると容器が浮いてしまうことがあります。火傷する危険が高くなります。

・鍋の水を温めながらミョウバン水をかき混ぜます。かき混ぜないとなかなか溶けません。

 

溶かし始めたときは水が真っ白に濁って「本当に全部溶けるのか?」と思ってしまいます。

ミョウバン溶解

 

でも、根気よく溶かしていると徐々に溶けます。弱火でかき混ぜながら溶かすのがコツです。温めるだけでは溶けません。

だいぶん溶けてきました。
ミョウバン溶解中

完全に透明になるまで溶かします。

溶けましたね。最低でもこのくらいの透明度にはしたいです。

ミョウバン溶解

 

・木の棒に糸をくくりつけて水に垂らします。
 棒は何でもいいです。割り箸でもアイスの棒でも、厚紙で作ったものでも。糸を固定するだけなので身近にあるもので大丈夫です。

・糸はたまたま持っていた釣り糸を使いました。裁縫用の糸で作る人が多いと思います。髪の毛でもできますよ。細ければ細いほどいいです。

種結晶をつけるための糸や棒は事前に用意しておきます。ミョウバンを溶かしたあとで用意したら間にあいませんからね。

 

糸の先が水の中に入ってることが大切です。糸の先に小さな結晶ができるからです。

 

今回は釣り糸を使いました。釣り糸はナイロンです。すべすべのナイロン糸は結晶がくっつきにくいです。なので、あらかじめこまかい紙やすりで表面を荒らしています。

裁縫用の糸ならもともと表面が荒いです。ヤスリで削る必要はありません。

このときの温度は58℃でした。冷えると結晶が出てきます。糸を入れるより先に結晶ができたら意味がありません。50℃以上の熱いうちに糸を入れます。

約30分後。44℃になりました。もう結晶がでています。

 

そのまま、室温(約30℃)まで冷やしました。

糸の先に結晶ができてました。

ミョウバン種結晶

 

種結晶にしてはちょっと大きいかもしれません。もうちょっとミョウバンの量を減らしてもできたかもしれませんね。

水から取り出してみます。大きさは6mmほどですね。
ミョウバン種結晶

理想は完全な正八面体なんですが。ちょっといびつかも。でも大きな結晶がとれたのでそのまま使います。

 

ミョウバン結晶作り

このままミョウバン水に戻して何日も放置すればそれなりに結晶は成長すると思います。でも、手っ取り早く大きな結晶を作りたいと思います。

もう一度、飽和ミョウバン水を作ります。

また溶かし直すのはめんどくさい。と思うかもしれません。でも結果的にそのほうが早く大きな結晶を作ることが出来るのです。

ミョウバン水の作り方は種結晶で作ったときと同じです。大きな結晶を作るためには水も多いほうがいいです。今回は100mlの水、15gの焼ミョウバンを使いました。

面倒ですが。もう一度、根気よくミョウバンを溶かします。

種結晶つくりで使ったミョウバン水を溶かし直してもいいです。そのときはできた結晶の分だけ、焼きミョウバンを追加します。

一度、80℃以上に加熱してミョウバンを溶かします。全部溶けたのを確認したら火を止めて冷まします。

熱湯のミョウバン水に種結晶をいれてはいけません。せっかく作った種結晶が溶けてしまいます。

60℃付近まで冷やしました。結晶がでていないことを確認します。

このとき結晶が出ていたら溶かし直しです。既に出てる結晶が種になってそこから結晶が成長してしまうからです。

新しく作ったミョウバン水に種結晶を入れます。

 

これで静かに放置します。

振動を与えてはいけませんよ。
冷房の効いた部屋には置かないほうがいいです。早く冷えすぎて急に結晶がでてしまうからです。急に出た結晶は小さくて形の悪いものになります。この日の室温は30℃でした。

4時間後。

こんなに成長してました。

ミョウバン結晶

かなり大きいですね。正直ここまで早く大きくなるとは思いませんでした。

ここで止めても十分な大きさです。たった1日でミョウバンの結晶が出来ました。

ここで止めてもいいのですが、もっと大きくなるかなと思って一日放置しました。

ミョウバン結晶

底に小さな結晶が溜まってますね。吊るした結晶はあんまり変わってないかな、むしろ形がいびつになってる?昨日でやめてもよかったかも・・・ここでやめることにします。

結晶を取り出して大きさを測ってみます。

ミョウバン測定

幅22.3mm。なかなかの大きさです。2日で作ったにしては大きいと思います。1日目で取り出してもたいして変わらないと思います。

500円硬貨とくらべてもこの大きさ。

ミョウバン結晶

形はちょっといびつですが、早さと大きさでは満足の行く出来です。

教科書にあるような正八面体のきれいな結晶を作ろうと思うと、もっと時間をかけてゆっくり成長させたほうがいいと思います。

でも時間がない。大きなものがほしい。

というときは今回の方法でも作れます。

ちょっとずつ溶かす量を変えて結晶の出来る時間や形を観察したり。何日でどのくらい大きくなるのか測ったり。自由研究にもいいと思いますよ。

でも、火を使うので気をつけて下さいね。

ミョウバンの捨て方

残ったミョウバン水は水道水で薄めて下水に流して下さい。焼きミョウバンは食品添加物に使われるくらいなので下水に流しても大丈夫です。

熱水をそのまま流したらだめですよ。途中で結晶が出て配管が詰まる可能性がありますし、配管を痛めます。配管がつまるといけないので大きな結晶は流さないようにしましょう。水に溶かすか、砕いて流しましょう。

 

100円でできる

今回紹介した方法だと焼ミョウバンが一袋あれば作れるので簡単です。

30gで100円です。

 

実験キットにもミョウバンで結晶を作れるものがあります。焼きミョウバンよりも実験キットのミョウバンのほうが溶けやすいです。その分、結晶が出るのに時間がかかりますね。作り方は説明書をよく読んで下さい。こちらのキットは100円で18gのミョウバンが入ってます。

amazon

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次