「将来が不安」ヤマト運輸の妻子ある社員は転職した

不在

ヤマト運輸が値上げを発表しましたね。理由は通販業界の荷物の増加が負担になってるためだそうです。いつかはこうなるだろうとは思っていましたが。想像以上にネット通販が経営を圧迫していたようです。

このニュースを聞いて思い出したことがあります。何年も前にヤマト運輸の社員から聞いた話でした。たまたまフォークリフト教習所で知り合ったそのドライバーは仕事の過酷さを語ってくれました。子供のためにも彼は仕事を辞める決意をしと言いました。

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ヤマト運輸の妻子ある社員は転職を考えていた

2009年の12月でした。僕がその宅配業者の人(Aさんとします)と出会ったのはフォークリフトの運転技能講習会でした。僕とAさんは二人とも受講者です。防寒服がないとやってられない屋外での実技講習。他に受講者があまりいないということもあり、僕とAさんは休憩時間によく話をしていました。

僕は化学会社で働いていてフォークリフトの運転が必要になったから受講しました。Aさんはヤマト運輸で働いているそうです。荷物を積んだ車を運転して顧客の家や事業所まで荷物を届ける仕事をしていました。いわゆるセールスドライバーですね。だからAさんは仕事でフォークリフトを運転する必要がありません。自主的に講習に来ていたのです。なぜだと思いますか?

転職するためなんです。

しかし転職するといっても簡単ではないと思ったのでしょう。資格をとろうと考えたようです。Aさんが選んだ資格がフォークリフトの運転でした。

「いずれ体力の限界が来る」将来に不安を感じたヤマト運輸の元社員

当時「宅配便の仕事は給料はいいが仕事がきつい」という噂は聞いたことがありました。Aさんは30代前半に見えました。まだまだ十分働けそうです。でも仕事の過酷さを考えるとこの先もずっと働けるか不安になってきたそうです。Aには奥さんとお子さんがいるそうです。家族を支えるためにもずっと続けられる仕事がしたいと考えたのです。そこでまだ体が動くうちに手に職をつけて転職しようと考えたと言ってました。

僕の聞いたAさんの仕事はこうでした。朝6時過ぎに出勤して夕方まで荷物を運ぶ。夜になっても入力作業やら雑用で仕事が終わるのは夜11時ごろ。そこから家に帰ると日付が変わってる。そんな暮らしを毎日続けているそうです。

家に帰ればクタクタ。家では食べて風呂に入って寝るだけの毎日。起きてる子供の顔もろくに見ることができない。しかも肉体的にきつい仕事。「このまま仕事を続けられるのだろうか」「家族にとってもそれがいいことなのだろうか」とAさんは悩んだそうです。そして出した答えがヤマト運輸を辞めて別の仕事につくことでした。

話を聞いたのが何年も前なので多少記憶があやふやな部分はあるかもしれませんが。おおよそこのような内容だったと思います。

4万円を出してでも転職を決意したドライバー

2009年当時、フォークリフト運転技能講習の受講料は4日間で約4万円でした。最大荷重が1t以上のフォークリフトを運転するときは運転や安全に対する教育を受けなければなりません。つまり運転技能講習が必要になります。国の定めた労働安全衛生規則で決まっているからです。既に似たような資格(小型フォークリフト)を持っていれば、もっと少ない時間で済みます。講習を行うのは労働局の許可を得た民間の団体です。

僕は会社の許可をもらってるので経費は会社持ちでした。会社がその仕事をしろと言ってるのですから会社が払うのは当然です。幸い受講してる間は出張扱いになったので仕事しているとみなされ給料が出ました。

でもAさんは自分の意志で受けています。当然費用はすべて自己負担です。Aさんが当時まだ会社に在籍していたのはかわかりません。交通費や昼食代も自己負担。自費で4万円+αは大きいですよね。そこまでしてでも転職する決意をしたところに宅配業の負担の大きさを感じました。

同じ受講者なのになんという待遇の違いでしょうか。「自分は恵まれている」と思ったものです。僕のイた会社よりヤマト運輸の方が遥かに利益を出しているにも関わらずです。

Aさんはこれと同じ日付の終了証を持ってるはずです

リフト免許

 

過酷な宅配業界

その後Aさんが再就職できたのかはわかりません。2009年といえばリーマンショックの直後。再就職は簡単ではなかったと思います。それでも妻子持ちの社員に不安をもたせ転職させる労働環境とはいったい・・・「ヤマト運輸ってどんなにひどい会社なんだ?」って思いました。

宅配業の過酷さは噂では聞いていました。でも、経験者から直接聞くと重みも全然違っていました。当時、僕の会社はリストラした直後。残った者は少ない人数で仕事をこなしました。だからそれまでやってなかった作業もやりました。少ない人数で何とか建て直そうと残った社員は狂ったように働いてました。それでもヤマト運輸の現場ほどひどくはない。話を聞いた感じではそう思いました。

2015年発行の仁義なき宅配: ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾンという本には出版当時のヤマト運輸の現場を取材した様子が書かれています。本の内容も2009年に僕がAさんから聞いた内容とたいして変わりません。そして今も変わってないでしょう。

かつて「宅配業界は仕事はきついが給料がいい」と言われました。ところが”仁義なき宅配”を読むと佐川急便の収入が高いのは1990年ごろまで。いわゆる佐川急便事件以降、法律を無視した労働時間が問題になり収入は落ち込んだそうです。でも当時はまだ残業代が支払われていただけましでした。しかし現在は労働時間は増えているのに一部しか残業代が支払われないのは当たり前になっているようです。

2009年当時でもヤマト運輸の現場は過酷なものだったのでしょう。でもリーマンショック直後の2009年当時。どこの会社も「しんどいけど仕方ないよね」という雰囲気でした。でも今は「リーマンショックがあったから苦しい」は言い訳になりません。

「無理をするのが当たり前」「しんどいのはどこも一緒」では働く者の待遇が悪くなる一方です。現在の現場は2009当時に比べればもっとひどいことになっていると思います。

ユーザーとしてできることは

僕も通販はよく利用しています。たしかに送料無料には惹かれます。でも本当に欲しいものなら送料がかかっても注文します。少なくとも送料必要だからといって批判はしません。家まで運んでもらう必要経費なんです。業種は違いますが企業で働いてきた僕にはコストとはそういうものだと思えます。送料払うの嫌なら自分で店まで買いに行けばいいだけの話です。

利用する側の最低限のマナーとして時間指定したら必ずその時間帯には自分か家族が家にいるようにはします。こちらが指定した以上守るのは当然だと思ってます。緊急事態が起きれば別ですが、どうしても外せない急な用事がそう起きるわけではありません。

これは妻がやりだした方法ですが。複数の品物を注文するときはできるだけ同じ日、時間帯に届くように調整しています。その方がうちに来る業者の負担が一回で済むと思ってるからです。逆に宅配ボックスを利用するなら配達日が重ならないように火をずらした方がいいかもしれませんね。

さすがに受け取った荷物が傷ついてた時には再配送するように言いました。そのドライバーはすでに発送主と話が付いていたらしく「受け取るか」「再配送するか」聞いてきました。穴が空いてるといっても箱だけです。でも精密機器なので念のため交換してもらうことにしました。そのときは手短に再配送するように言いました。不満でしたが、長々と文句を言っても仕方ありません。時間の無駄です。

今回ヤマト運輸の値上げを聞いて思い出したのはフォークリフト教習所で出会ったドライバーのこと。彼は将来も続けられるか不安を感じて会社を辞めました。同じような苦労をしている人は大勢いると思います。その宅配業界に無理を押し付けたツケが来ているのではないか。と感じました。

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