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「残業100時間で過労死は情けない」は経営者の本音?勘違い経営者がブラック企業を作る

過労女性

過労女性

 

100時間残業しても、情けない。
命を落としたのに、情けない。

いったいなんでここまで言われないといけないんでしょうか。

問題となったのはニュースサイトに投降した武蔵野大学の長谷川秀夫教授のコメント。

投稿の前には電通の高橋さんが昨年12月に過労自殺した件に関するニュースが報じられたばかりでした。内容的には高橋さんの報道を受けてのもの。長谷川教授本人も謝罪していますから、自殺した高橋さんを批判してることは間違いないです。

これだけでも腹が立ちますよね。
でも、長谷川氏の経歴を見てみるともっと根が深いのかもしれません。
日本から過労死がなくならない理由のひとつが見えてくるようです。

 

目次

問題の「100時間で過労死は情けない」発言

 

武蔵野大学の長谷川秀夫教授がネットに投稿したコメントはこのような内容。
投稿したというニューズピックスはいわゆるまとめサイト(キュレーションサイト)。ニュースにコメントを付けて投稿するサイトです。すべて読むためには会員になる必要があります。

そのコメントが産経ニュースに載ってたので引用します。

「月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない。会社の業務をこなすというより、自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない。自分で起業した人は、それこそ寝袋を会社に持ち込んで、仕事に打ち込んだ時期があるはず。更にプロ意識があれば、上司を説得してでも良い成果を出せるように人的資源を獲得すべく最大の努力をすべき。

出典:産経ニュース:「残業100時間で過労死は情けない」のか?

これを読んでどう思いましたか?

僕の感想としては電通の高橋さんが過労自殺した事情を知ってる人の発言とは思えないです。知ってて言ってるならよけいに悪質です。

この発言をした人はどれほど深刻な問題なのか全く理解していないですよね。

社員の過労の話なのになぜか起業家の苦労話にすり替わってるし。プロ意識があれば残業時間は関係ないとかいうし。さらには上司を説得できない者が悪いみたいにいうし。

これって、典型的なブラック企業の言い分ですよ。

 

「100時間で過労死は情けない」発言の長谷川教授の経歴

 

長谷川秀夫教授はどういう人かというと武蔵野大学のHPにプロフィールがあります。

1979年。早稲田大学 商学部(商学士)を卒業。
1979年。株式会社東芝に入社。財務関係の仕事をしています。
    最終肩書は東芝アメリカ医用システム社(出向) 取締役
2002年から株式会社コーエー執行役員
2006年から株式会社ニトリ取締役
2007年から株式会社タンガロイ取締役
2009年から学校法人河合塾学園理事
2015年から武蔵野大学で教授となっています。
     今も大学教授のまま。処分されたという報道はありません。

有名な企業の役員を歴任してるんですね。ここがポイントです。

時間だけが過労死の原因じゃない

一般論になりますが。
経営者が会社の大変な時期を乗り越えるための長時間労働と。
いち社員が会社から命じられて日常的に行う長時間労働は別物ですよね。

経営者なら「自分がなんとかしなきゃ」と、自発的に思うからストレスの種類が違うはずです。頑張る系のストレスはアドレナリンが分泌されすぎて循環器系を痛めると言われます。

上司から罵倒されながら長時間働くのは心身を痛めつけます。強制されたり、罵倒されたり、嫌がらせを受けるのは我慢型ストレス。コルチゾールが分泌されすぎて脳神経を痛めるようです。ひどくなるとうつ病になってしまうとも言われてます。

どちらも怖い病気につながりますが、頑張る系ストレスはある限界を超えるとハイな気分になってしまって、いくらでも仕事ができちゃうことがあります。あなたも経験ありませんか?

長時間労働を推奨する人はこの状態をやる気がみなぎってる状態と勘違いしてるようです。でもそれは脳がごまかしてる(錯覚してる?)だけなので生命としては危険ですよ。注意してくださいね。

でも、我慢系ストレスにはハイな状態がないようです(個人的体験です。あったらすみません)。精神的な不安、重い感じ、イライラ感、意欲減退がひどくなる一方です。個人的にはこちらの方が精神的につらいです。

「やらされ感で働くからだ」なんて言いますが。仕事に意欲を持つにも限度があります。
電通の高橋さんは徹夜、朝4時帰宅もあったそうですが。それでも文句言えない雰囲気っておかしいですよね。

上司からパワハラ、セクハラを受けながらの仕事だったようですから。
想像を絶する過酷な勤務だったのだと思います。

つい経営者の本音が出てしまった?

もういちど「100時間で過労死は情けない」という発言をした人がどんな経歴か思い出してみましょう。

東芝などの有名企業の役員を歴任したした人ですね。
今は大学教授です。

有名企業の役員務めたり大学で教授をやる人も長時間勤務を勧めている。
ということです。

つまり企業の経営者は似たようなことを考えてる可能性が高いということではありませんか?
企業の役員をしていた人ですからね。ある意味説得力があります。
笑えない説得力ですが・・・

経営の立場からみると社員は寝袋を持ってきてでも働け、なんて思ってるんでしょうね。

ブラック企業として有名なあの外食大手の社長と似たようなことを言ってましたよ。
自分は創業時は寝る時間がないくらい働いた。だから今の社員もそのくらい働くべき。ってね。多くのブラック経営者も言うんです。

裏をかえせば、一般社員に創業者並みに働けって言う人はブラック経営者だってことになりませんか。

創業者並みに働いたらその分の報酬があるんでしょうか?ありませんよね。

仕事の内容も動機も全く違うのに、同じように考えてるんです。つまり分析能力が低い。だから自分の理屈を押し通すことしか考えないんです。

よい成果を出すためには社員が上を説得ししろ。成果が出ないのは社員が悪い。
確かにやりたい仕事があったら上司を説得してでもってこともありますが。新入社員では難しいと思います。

それに新入社員が上司を説得して人手を確保するなんでまず無理ですよね。無能呼ばわりされてよけいに罵倒されます。というか負荷が偏らないようにマネジメントするのが管理職の役目ですよね。

とはいうものの、他の社員の負荷も相当かかってる様子ですから人手を回す余裕はなかったかもしれません。

つまり、できないことを言って個人に責任を転嫁するのはブラック企業の典型的なやり方なんですね。

そんな人が有名企業で役員やって大学で学生を教育する。
日本から過労死がなくならないわけですよ。

 まとめ 

「100時間で過労死は情けない」発言は、ブラック経営の同類が個人を批判してブラック企業を擁護してるだけ。

長時間労働や個人に負担を押し付け責任も個人に押し付ける経営の在り方が問題と思わない。組織が生き残るためには個人の犠牲は仕方ないという考え。

これが企業経営の経験から出てるとすれば。他の経営者も同じような考えを持ってる可能性が高いかもしれません。

いくら国が対策を考えても経済界が本気で取り組まないといつまでも過労死・自殺はなくならないですよね。

意外と根が深いのかもしれませんよ。

 

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