本当は怖い人財の意味・人はお金に換えられる?

会社で大切なのは「人」だとよく聞きますよね。
正確には会社に必要なのは「人材」とも言われます。

中には「人材」を「人財」と呼ぶ会社もいます。
でも、仕事を探している人は注意してください。

「人材」を「人財」と呼ぶ会社には落とし穴があるかもしれません。

なぜでしょうか?

人材と人財ってどう違うのでしょうか?

物つくりにかかわってきた人間として、人材の大切さを感じてきたものとしての立場からお話します。

 

 

あたりまえですが会社に必要なのは”人材”

 

人が組織を動かしているんですから組織を良くも悪くもするのは人しだいですよね。

だから向上心のある会社はいい人材を確保しようと努力しています。

企業はボランティア組織じゃありません。だから使えない人をたくさん抱えることは嫌がります。これは企業が利益を出すことで成り立っている以上、仕方のないことだと思います。

もちろん「普通」の企業なら組織への貢献度が少ないからといって解雇したりしません。給料とか昇進とかの待遇に差がつくだけです。

でも働いている側としては「人」としてあつかってもらわないとやる気が出ませんよね。いくら命令やノルマを押し付けられても、人は機械じゃないですからその通りにできるとは限りません。

だから、雇う側、企業を動かしている側には「人」を働かせるための技量が求められます。社員がどうすれば経営者の思ったとおりに働くか、どうすれば社員の能力を引き出せるかということを考えます。

長い年月続いてる会社というのは、人の扱いの上手い会社が多いようです。

急成長しても続かない会社というのは、人の扱いの下手な所が多いです。

改めていうまでもなく会社を良くも悪くするのも「人」。
これは間違いありません。

 

「人材」と「人財」はどうちがう?

「うちの会社は社員を宝だと思っている。だから人材と書かずに「人財」と書くんだ」
そう言ってる経営者がいます。

あなたはどう思いますか?
いい会社だと思いますか。

そんな事を言ってる経営者は「無知」か「人を人と考えてない」可能性があるかもしれないですよ。

なぜだと思いますか?

 

「材」そのものが「能力がある」という意味

 

もともと「人材」という言葉には「能力のある人」という意味があるんです。

 

材の持つ意味

それは「材」という字に能力があるという意味があるからです。

「材」とは”木へん”に”才”です。
普通、漢字のへんは”大まかな意味”を表現します。昔は木材が主な材料だったので木へんを使ってます。
右側のつくりは”発音”を表現しているといわれます。だから才の”さい”という音だけが必要だと思ってしまいがちです。

でも、”才”って ”才能”の才 ですよね。
才は”素質”、”能力”のことです。
実は”才”は材という字の中で音と意味の両方を表現しているんですね。

能力のある物。それが”材”なんです。

「広辞苑」や「大辞泉」といった歴史のある国語辞典にはそう書かれています。

人材の意味は?

 だから「人材」は能力のある人なんですね。
昔からそのような意味で使われて来ました。

「人材」はただの「人」ではないんです。「人材」と呼ばれること自体がすでに「能力がある」、「有望だと思われる」ということなんですね。

でも材は”物”のイメージがあるという人もいるかもしれません。確かに材は材料とか素材とか木材とかという使われ方をします。でも「物じゃないよ」と表現するために「人」という言葉を付けて「人材」と呼んでいるのです。人を物扱いしているという意味じゃないんですね。

改めて言いますが、「材」には「物」という意味はありません。「能力がある」という意味です。

僕は会社で働いて物つくりをしていました。だから素材の大切さは嫌というほど思い知らされてきました。

使えない物、役に立たない物は材料にはなりません。

物には物としての能力がある。だから役に立っているんですね。材料や素材ってただの物じゃないんです。これは物つくりの経験のある人なら実感してるのではないでしょうか。

物つくりにかかわってきた人間としては、素材の大切さを理解できない経営者には雇われたくないですね。

言葉の解釈はその人の心をうつす鏡

もし物扱いしているというのであれば、その経営者の心の問題です。人は物だという思い込みがあるから「人材」という言葉を見ても「人」を無視して「物」のイメージばかり残ってしまうんですよ。

 

財は金銭的価値

貝へんの字では「財」という字にはどんな意味があるのでしょうか。

財の字を作る「貝」は古代にはお金の役割をしていました。きれいな貝殻は価値があったので、お金として使われていたのですね。

だから「財」には「金銭的な価値のあるもの」という意味があるんですね。

「材」と「財」を比べたとき、同じ「才」を持つ字でも「木」よりもお金を意味する「貝」の方が価値が高いんじゃないか。と考えるのはお金第一に考える現代人の悪い癖です。

木はさまざまに形を変えて、人や生き物の役に立っています。実を付けて生き物の栄養となり、人が生活するための家や道具に姿を変え、日差しや天をしのぎ休むための木陰を提供する。二酸化炭素を吸って生き物が生きていくために必要な酸素を作っています。可能性は無限大。さまざまな形で役に立っているのです。

それに漢字が作られたのは古代。木が重要なものだった時代です。だから「木」というへんがついているんですね。現代人の考える「木」よりも遥かに大切な意味があるんですよ。

確かにお金は必要です。現代ではお金がないと生きていけません。だけど、人間ってお金だけで動いているわけではありません。お金で人間関係が作れるわけではありませんよね。

男と金

 

いや、世の中お金がすべて。なんでもお金で解決できる。お金さえあれば人なんかどうにでもなる。そう思うならそれでもいいです。

でも、それで人を惹きつけられるでしょうか?肝心な時に人がいてくれるでしょうか?

「金の切れ目が縁の切れ目」

お金で集めた人間はお金が無くなればいなくなります。
先人の知恵がそれを物語っています。

人間は金に置き換えられるものじゃない

 

つまり、「人財」とは「お金にかえられる人」「お金で代わりになる人」という意味なんです。お金になるヒトのことです。人身売買してるのと同じです。

「金銭的な尺度でしか価値を判断できない人間」の考えたことなんですね。

 

たとえ今は会社に貢献してなくても、育てたりうまく能力を引き出せばさまざまな形で会社に貢献できる人は多いと思います。

だから本当に人を大切に考えている人材育成のプロは「人財」という言葉は使いません。

逆にリストラや人材募集の多い(つまり辞める人が多い)会社ほど「人財」という言葉を使いたがります。

人間はお金で買える。そんな考えの人なのかもしれません。人をお金の価値でしか判断できない会社に入ったら、あなたはこき使われて捨てられるだけです。

たとえそこまでひどい考えは持ってない。お金第一主義でなかったとしても、それはそれで危険です。

「材」と「財」を比べるて「お金のイメージのある財の方がよさそうだな」と、イメージだけで判断する人もいるかもしれません。

それは無知な経営者の証明です。人を見る目がないと考えた方がいいかもしれません。そんな会社ではあなたは見た目や表面的な尺度だけで判断されるかもしれませんよ。あなたの能力を出し切らないうちに「使えないやつ」と思わ れてしまう危険性があります。

会社を選ぶときは、その会社がどんな経営方針をもっているのか調べた上でよーく考えてくださいね。

 

文也でした。